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漫画「ひとりでしにたい」|好きなものを語りたい#1

自分が死ぬときって、どんな感じだろう?

たまにこんなことを考えることがあります。
決まって、こういうことを考えるのは、
気分が落ち込んでたり、漠然と不安を感じている時なのですが、
大抵は何かしらでリフレッシュして、考えることをケロっと忘れていたものでした。
でも、この「ひとりでしにたい」という漫画を読んでから少し変わったかもしれません。

今日は、このタイトルからして暗そうな漫画について、私の個人的な感想を書いていこうと思います。
※あくまで個人的感想なので「自分と違うな」と思っても大目に見てやってください。
※ちなみにこの漫画ギャグ多めです。



漫画「ひとりでしにたい」とは


山口鳴海35歳、独身。職業・美術館の学芸員。
バリバリの「キャリアウーマン」だったあこがれの伯母さんが、人知れず「孤独死」して「黒いシミ」になった。
死ぬのは怖い。だけど人間は死ぬために生きている。ならば誰よりも堂々と、私はひとりで死んでやる。「婚活」より「終活」を選んだ鳴海は「最終王者」を目指す。
「2000万円問題」の処方箋、活かすかどうかはあなた次第です。

モーニング公式サイト ひとりでしにたい 作品紹介より

公式サイトの作品紹介を初めてみたのですが、
あらすじといい、タイトルといい、
「しにたい」だの「孤独死」だの「終活」だの、出てくるワードが重い。
一見全然読む気にならない。
でも、面白いから、今ちょっと読む漫画探してるんだよねって人は、ちょっとだけでいいので読んでみてほしい。

私がこの漫画をひとことで言い表すとしたら「終活の入門書」です。

「終活って定年後とか年をとってからやるもんじゃないの?」
と思ってました。

でも、この漫画の主人公は35歳で終活をしようとしていて、
それもちょっと遅いと指摘を受けています(特定のキャラクターからにだけですが)。
主人公の山口鳴海(35)は、年の割に考えが甘く、
漫画の世界の人たちからも、たいていの読者からも(多分)、
こいつ自己中だな~と思われています。

でも、主人公の言動や行動にいちいち身に覚えを感じている自分がいる…!
主人公が正論を突き付けられていると、言葉が胸にぐさりとささる…!
胸が…耳が痛い…!

こちらはダメージを受けているのに、
当の主人公は打たれ強いので、ダメージを受けても全然負けない。
正論ぶちかまされた後も、すぐ臨戦態勢に入るので、
そんな主人公の姿に勇気をもらいながら、
終活について考える、そんな漫画です。


どう死ぬか=どう生きるか

紹介下手すぎてごめんなさい。

要は、35歳まで独身で好きなように生きていたけど、
風呂場で孤独死してどろどろになりたくないから、
きれいに死ぬために頑張ろうという漫画だと思います。

きれいに死ぬためには、色々なことを考えないといけない。
お金とか、親の老後のこととか、自分の老後のこととか、保険とか…。
聞くだけでもげんなりのワードたちですが、
多分、普通にネットや本で調べるとなると、よりげんなりになります。
そこをこの漫画は、うまくギャクで面白くしつつ、わかりやすく解説してくれるので、ライフプラン形成の入門書としてとても機能しています。

私が一番この漫画で印象的だったことは、
「どう死ぬか」はつまり「どう生きるか」ということでした。

シンプルだけど忘れがちな考え。
何も考えずに死んで、
残された家族に労力と迷惑をかけて、ためいきを吐かれながら送り出されるより、
自分が死ぬ前に全部自分で片づけられていた方がいい!
それに「死」という期限は、生きることに集中させてくれる。
自分が生きているうちに何をすべきか、何をしたいか、
それを全力で考えるために「どう死ぬか」は必要なんだと、改めてこの漫画に気づかされました。


個性豊かなキャラクターたち

ありていですが、キャラクターがとても魅力的です。

ギャグも多いので、
キャラクターの言動も行動もみんなクセがあって面白い。
性格もそれぞれ違うのに、バランスがとれているのが、本当に不思議で、なおかつ作者の手腕に唸ってしまいます。

私が一番好きなのは、主人公の鳴海です。
性格とかオタクな感じとかが好きなのですが、
一番いいと思ったのは、鳴海が「普通に生きてきた人」という特性をもっているから。
普通に衣食住があり、普通に学校に行き、普通に好きな仕事に就職し、普通に生活している人。
自分もそうでした。
でも、この普通は他の人にとって普通じゃないんだなというのも、わかりやすく見せてくれる漫画です。


漠然とした不安があるなら

長くなりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。
少しでもこの漫画の読者が増えて、楽しんでもらえるといいなー。

個人的な意見ですが、
「なんかわからないけど将来に漠然と不安がある」
そんな人におすすめの漫画です。

私も、毎日不安だらけでたびたび嫌な気持ちになっていますが、
「不安なのは何が不安なのかがわからないからだ。なにが不安なんだ?」
と、できるだけ不安に向き合うようにしています。
この漫画は、その不安に向き合うときに助けになるかもしれないです。

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