見出し画像

「映画ドラえもん のび太の新恐竜」 *20/8/29

だいぶ間が空いてしまいました。今週から忙しくなり、バタバタしています。毎日一本がなかなか難しい状況なので、9月からは毎日更新は無理かなと思っています。

鑑賞記録:
「映画ドラえもん のび太の新恐竜」
(※公開中なので、ネタバレには配慮して書いています)

先週末、ドラえもん映画を見てきました。
ドラえもん映画…実はいままで見たことありませんでした。大人の間でも話題になったり、主題歌が良い曲ばかりになっているな、という知識はありました。今回はミスチルだし、もう完全に大人狙いだな…と思っていて、最初は観る気が全くありませんでした。
また、今回は「新恐竜」ということで、40周年で1作目に戻るんだな、ということは理解していました。何かの子供向け雑誌の付録かなにかのおかげで、いままでのドラえもん映画はどういうものがあったのか、という知識だけは無駄についていました。
2006年にも、第1作目の「のび太の恐竜」がリメイクされた記憶もありました。この焼き直しがあまりにもひどかったらしいから、それで今度は「新恐竜」なのかな、とぼんやり思っていました。

もともと3月公開のはずがコロナ禍で公開が延期になり、夏の公開が決まった時に、急に旦那に「ドラえもん映画見に行かない?」と誘われました。映画館での予告だけで泣けていたので、もう予告だけでお腹いっぱい!と思っていたのですが、理由を聞いたところ「映画業界、このドラえもん映画がこけたらこのあとまずいって言われてるんだよ」とのこと。今回はミスチルも起用したり、番組や企業とのコラボをしたり、かなり長いこと広報をしていました。いつも定期的な収入を得られているこの映画がダメなら日本映画界はまずい、というのもうなずける気がして、それで観てみようかなという気持ちになりました。

でも、封切りされてもあまり食指が動かなかったのですが、本当に「すぐにでも行こう!」と思ったのは1人の原画アニメーターさんが参加だけではなくキャラクターデザイン間で担当している!と気がついたからでした。

個人的な見どころシーンについて、書いていきます。

①小島崇史さんの気持ちいいアニメーション

先日、Netflixでアニメ「マギ」本編が見れるように戻っていて、懐かしい!と思って1話を見直しました。この1話、いま見ても本当によくできていて、1話25分の中に「この作品で問題提起したいこと」が完璧に詰まっていて、その上スリルもあって気持ちいい。私は当時この1話を見て、この後も全話見る覚悟をしました。
…そんなマギの1期オープニングが気持ちよくて、当時このアニメーターさんを調べて追いかけたことを久しぶりに思い出しました。「輪るピングドラム」の20話の晶馬の疾走シーン(全原画走りと知られているらしい)も、「四月は君の嘘」の伝説の異色の5話(演出・作画監督・一人原画を一人で担当されていた)など、なんども小島さんの原画回を見直したりしていました。

それで、今何のお仕事をされているのかな?と思って調べたら、なんと今公開中のドラえもん映画で、キャラクターデザイン・総作画監督・作画監督(共同)をされていることがわかり、これは行かなくては!!と。

もともとファンだったこともありますが、期待を裏切らない、本当に気持ちのいいアニメーションでした。特に、恐竜2匹の誕生シーンは、ドキュメンタリー映画を見ているような臨場感のある構図で、とても印象に残りました。
でも、なんといっても、一番最後のエンディングアニメーションで、のび太やみんなが走っていて…あの走りは完全に、小島さんの十八番…!と、あれだけで個人的な満足度がぐんと跳ね上がってしまいました。本当に見てよかった。。。

②コロナ禍を経ての追加シーン?

本当に最後のシーンについて、背景にサルスベリの木が花をつけていて、青空とのコントラストでとても綺麗な絵になっていました。あー、この間街で咲いていたな…と思いかけ、あれ?と。この映画はもともとは3月に公開されるんだったはず。
もともと夏の話だったのかもしれない?偶然にも公開時期があったね!ということなのか?と思い調べてみたところ、それこそアニメーターの小島さんが、「追加も楽しんでください」というようなことを書いていらっしゃる。
あのシーン自体を追加したのか、それとも、背景の絵だけ季節に合わせたのか、そのあたりはわかりませんでしたが、延期に伴ってこんな風に編集されることがあるんだなと驚きました。とても美しいシーンでした。

③旧版「のび太と恐竜」ファンへの想い

1980年版も2006年版も観ていないのであれですが…旧版の恐竜と、この新恐竜は、のび太にとってもどういう立ち位置なのだろう?と思っていました。
(パラレルワールドではないか?という考察があったり、ゲームや漫画などのメディアミックスによっても二つの世界のその扱い方が違うようで、驚きました)

ネタバレに当たりそうなのでみなまで書きませんが、思わぬシーンに、ぐっときてしまいました。触れないで映画を終わらせることはできなかったんだな、という作り手やファンへの愛も感じました。ちょっとずるい演出でした。


個人的には上記3点を観れたことで満足感がありましたが、ストーリーの細かい部分がいろいろ気になったり、テーマは「多様性」なのに、飛べないキューに飛ぶことを強制するシーンに違和感を覚えました。賛否両論あるようですね。

ちなみに興行成績は、公開から4日でやっと前作の土日2日分の売上に追いついたようです。今回と同じ監督・脚本の「のび太の宝島」からは、売上が半減だそうです。世知辛い。。。

映画業界は売上が下がって大変だと思いつつも、隣の人と一席空けて見る映画はかなり心地が良くて、これが戻ってしまうのはちょっと嫌だなとも感じてしまうのでした。

この記事が参加している募集

note感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?