見出し画像

漫画「デリバリーハグセラピー」 *20/8/24

バタバタしていて久しぶりの投稿になってしまいました。このコロナ禍で「ハグ」がデーマと聞いて、手を伸ばしてしまったBL漫画の新刊です。

読書記録:
宮田 トヲル/「デリバリーハグセラピー」

人生お疲れモードな桜庭貴一、29歳。
独身を誓いあった親友は結婚してしまうし、恋愛も気がつけばご無沙汰ぎみ――。
親友の結婚式の帰り道、やさぐれた貴一は馴染みのバーで酔っぱらって寝こけてしまう。
目を覚ますとつやつやピカピカのイケメンが目の前にいて!?
この夜をきっかけに、貴一は20歳の大学生・木島 尚と週に一度だけハグをする仲になるが――?
気がついたら無性に、愛おしくなってしまった。極上のセラピーラブ

珍しく新刊を購入しました。癒やされるとの高評価と、宮田さんの前作「彼のいる生活」も前評判通りキュンキュンできる内容で面白かったので。

タイトルから、デリヘルとかの爛れた関係性を想像しましたが、中身は純愛。タイトルはこれで良かったのか、少し疑問を感じますが、タイトルに「ハグ」とついていて気になったので、完全に編集部の策略にはまっていそうです。
この人との接触をむやみにしてはいけなくなった時代で、「ハグ」がテーマの作品ということで、気になって購入しました。

でも、高評価を受けていて、少し期待しすぎてしまっていたかもしれません。よく考えれば、いまコミックス化されているということは、きっとコロナ以前に書かれた物語だと思います。(BLコミックは、連載が遅く単行本発行まで比較的遅いので…)

「抱きしめる」という原始的な愛情表現

作中で「ハグすると幸せホルモンが出るという研究結果が出ています」と尚が言っていますが、「人は1日たった30秒のハグをするだけで、1日のうちに感じるストレスの1/3を解消できる」研究結果が出ているそうです。
あたたかい絵柄と、抱きしめるだけのハグからゆっくりすすむ二人の恋模様がとてもマッチしていました。

でも、意外と、ハグのシーンの描写があっさりしていたような気もします。単純に抱き合って癒されあっているところの描写をもっと見たかったなぁと思ってしまいました。
とはいえ、作家さんが作品を書いていたときと出版された今では、きっと少し社会状況が違っているのではないかと思います。そして、私が今回この作品に勝手に期待したものも、今の情勢だからこそのものだと思っています。

短い映像作品であれば、いまはyoutubeですぐに動画も投稿できるし、社会状況を受けてすぐ制作できます。あと、小説も、定期刊行の雑誌掲載分に関しては、作品としてわりとすぐに反応できる社会派小説家の方も多い気がします。
とはいえ、BL作品は、私もそうですが「現実逃避」として楽しんでいる人が多いので、コロナ禍のリアルが反映されているBL漫画や小説がでてきたら、最初は戸惑うだろうなとも思ってしまいます。
ただ、もうすでに、最近はドラマや映画、BL作品を読んでいても「ソーシャルディスタンスないなぁ」とか、「今だったらこういう風にはできない」などと感じてしまっていますが。
おそらくこのあと、コロナ禍のソーシャルディスタンスの影響をうけた作品や、「抱きしめる」「ハグ」という単純で一番原始的な愛情表現がテーマになる恋物語はたくさんできるんだろうな、とも思っています。

とてもポテンシャルの高い”受”キャラ

受の尚くんが魅力的で、非常にツボをくすぐるキャラクターでした。
最初はそつがなく人当たりが良く、素顔が見えない。でも、読みすすめていくと過去の話や彼の家族の話が少しでてきて、甘えたがりだけど甘え慣れていないという可愛い素顔が見えてきます。かと思えば、9歳年上の相手を甘やかす母性も持っていて、その上余裕があって男前…最近見たなかで一番ポテンシャルが高い受かもしれません。
攻のサラリーマンは結構雑な性格ですが、恋に落ちたら甘々の溺愛。どんどん尚くんを甘やかしてくれ!と応援しながら読んでしまいました。

…無意識に自分の好みを選んでいるんだと思いますが、なんだか最近こんな話ばかり読んでいるかもしれません。


宮田トヲルさん、BL初心者の方にはまずおすすめできる作家さんです。キュンとしてしまうシチュエーション、キャラクターを描くのがとても上手な作家さんで、好みも大きく別れない王道作家さんです。

この記事が参加している募集

note感想文

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?