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舞台「ミュージカル刀剣乱舞〜阿津賀志山異聞2018 巴里〜」 *20/08/22

鑑賞記録:
舞台「ミュージカル刀剣乱舞〜阿津賀志山異聞2018 巴里〜」

友人がBlu-rayを借してくれたため、自宅で鑑賞しました。
ちなみにゲームは未プレイです。「刀剣乱舞」好きな友達に鑑賞会に誘ってもらって、要所要所で知識を教えてもらっているうちにやっと少しずつ設定が飲み込めてきましたが、一番設定を理解するのの助けになったのは映画「刀剣乱舞」だったように思います。
最近、原作に当たるゲームが、主題歌(そしてCM)がユーミンになり、話題になりましたね。略して「とうらぶ」とよく呼ばれていますが、今から手っ取り早く理解したいと思ったら、スマホアプリゲームをDLするか、映画を見るのが一番だと思います。

でも、「刀ミュ」を初めて見るとしたら、この「阿津賀志山異聞2018 巴里」がおすすめのようです。
「刀ミュ」第一回目もこの演目で、脚本がわかりやすいそうです。しかも、このパリで公演した「阿津賀志山異聞 巴里」は阿津賀志山の演目としては3回目。その度に演出などが新しくなり、役者たちもパワーアップしているそうです。

私は、最初にこの「刀ミュ(=ミュージカル刀剣乱舞)」を見せてもらったときは、なにを見せてもらったか覚えていないくらい、解説してくれる友達の話もほとんど理解できませんでした。「このイケメンたちは、刀なんです、でも擬人化というわけではありません」と熱く説明され、日本史も詳しくないし興味もないし、まず「サニワ」ってなんだ?とか、友達が話してくれる単語の理解ができませんでした…。(サニワ=「審神者」で、ゲームではプレイヤーのことを指します)
あと、「刀ミュ」と、「刀ステ」が完全にごっちゃになっていました。なんで三日月宗近、演者が二人いるんだ…?というあたりから、やっと別物と理解しました。すごいですよね、原作同じで、ミュージカルか、ストーリー重視かで舞台が違うなんて。。
 ・「刀ミュ」=ミュージカル 刀剣乱舞=制作会社はネルケ
 ・「刀ステ」=舞台 刀剣乱舞=制作会社はマーベラス
   ↑「映画 刀剣乱舞」はステのキャストです

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私も刀剣乱舞は詳しくないので、説明としてはこちらのnoteがわかりやすいかと思い、勝手にnoteを貼らせていただきます(すみません)
詳しく知り会たい方は是非こちらを…

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刀剣乱舞の刀剣男子たちの使命は、「歴史を改変しようとする何者かの力を阻止して、歴史改竄から歴史を守ること」
今回の話は、鎌倉幕府ができる直前。衣川の戦いで藤原泰衡に自害に迫られたはずの源義経(九郎)が生きており、武蔵坊弁慶を従え泰衡と共に阿津賀志山で頼朝軍を迎え撃っているという捻じ曲げられた歴史を、審神者が選抜した刀剣男子6人で阻止するという物語。
ストーリーとしては、自分(剣)の持ち主(過去の主)とのひとときの再会(もちろん、自分が何者かは主には言えないわけですが)がこの物語の面白いところだなあと思います。

3回目だからこそのスタッフワークのクオリティの高さ

私は、一番これ↑を楽しんでいる節があります。
前提として…
あんステ「MoM」の記事にも書いたのですが、私はミュージカルというものがあまり楽しめません。面白さは分かるつもりですが、なぜいま歌いはじめた?歌の歌詞で気持ちを話されても全然入ってこないんですけど…ってなりがちで、没入できません。特に、なぜ刀剣男子たちが歌って踊るの?殺陣ならわかるけど…と思ってしまうんです。
これはミュージカルなので、初っ端から三日月が歌います。
みんな歌はそれなりに上手だけど、私はいまいち乗れないまま…結局、どうにも没入できないまま終わりました。

そして、一番の理解できないポイントは、第二部がライブパートだということ。
第一部でミュージカルやって、休憩挟んで、第二部はもうストーリーはなく、歌と踊り!…っていうのが、最初は衝撃でした。
歌もダンスも上手だし、なによりもどんどん脱いでく衣装のつくりも演出すごい、とても魅力的なのはわかる…が、なんで刀剣男子が歌って踊ってライブしてんの???というのが私にはどーしてもあります。。最近、もう「こういうもの」として、違和感を受け止めて楽しんで観れるようにはなってきましたが。

とはいえ、この公演、3回も再演されているだけあって、演出、芝居、衣装、舞台美術、トップレベルだなぁ…と惚れ惚れしてしまいます。
ちなみに、Blu-rayとDVDの収録は、東京凱旋公演のときのものです。

舞台美術

美しい柱が袖にあり、神社の舞台を想起する美術。全て質の高そうな木材で、しかも電飾仕込みの可動式大階段。木材の温かみと神聖さがありつつも、第二部パートは完全にライブ会場へと変身していて、質が高くてすごい。
これでパリ公演と東京公演…?パリ公演にはある程度分解してシッピングでしょうか。。飛行機輸送ではあまりに高額なような気がするけれど、あんまりパリ公演から東京凱旋公演まで時間差がないから、飛行機でしょう。すごいなぁ。。


脇を固める役者陣

義経役、弁慶役、頼朝役…とても芝居が上手な役者さんたちが演じており、彼らの芝居でかなり舞台全体が安定しているように感じます。ミュージカルでありつつ、第二部はライブパートもあるのですが、しっかり実力者を配置してくれるところが、物語の厚みも感じられるし、好感度が高いです。
今回、第二部ではとてもかっこいい和太鼓パフォーマンスもあり、これはパリでは盛り上がっただろうな〜!と思います。その場にいたかった。

衣装の質の高さ

刀ミュの衣装部のクオリティは本当に素晴らしいですよね。
殺陣など、あれだけ動きつつも、ほとんど着崩れない衣装。今回の最後の戦闘シーンでは、戦闘中にどんどんはだける衣装もあり、いったいどうなっているのか?すごく興味深かったです。そして、きわめつけはライブシーンで、どんどん脱いでいく衣装…。セクシーになっていく刀剣男子たち(笑)でも、どれもセンスがいい。
義経たちもちょこちょこ服が変わっているので、公演一本で、いったい何着分あるの?と驚かされます。
たしか、双騎のとき、ミュージカルシーンのなかで双子の成長が表現され、年齢に合わせてどんどん服が大人びていく…というのもあった気がします。あれも本当に驚きました。

私はミュージカルゆえか、あまり感情移入はできないのですが、スタッフさんたちの技術は一流。スタッフワークだけ追いかけても、非常に面白いです。


海外輸出のためのコンテンツとして

このパリ公演にあたって、日本らしいビジュアルを大事にできるこの平安時代の刀が多い話はとても評判が良かっただろうなと思います。もちろん刀ミュ第1作目ということで、この「阿津賀志山」が選ばれたんだとも思いますが。

私、正直日本史全然詳しくないのですが、刀たちのビジュアルは刀の持ち主の姿に似ているようですね。大河好きな私の夫は、隣で半分寝ながら刀ミュを見て、誰がだれの剣であるか、なんとなくわかっていて驚きました。

そういった意味でも、「刀ミュ」は海外の方に日本の歴史を知ってもらえる機会にもなりますし、海外輸出に非常に適したコンテンツだなと感じます。東京五輪の関連文化イベント「日本博」でも、双騎が出陣していました。(参考→ https://musical-toukenranbu.jp/contents/290826 )

コロナで、海外公演はだけでなく、国内公演さえ厳しい興行が続いていますが、「2.5次元ミュージカルは、日本がつくった新たな舞台芸術のひとつ」と広く認識されるようになる日は遠くないのかなと、「刀ミュ」を見るたびに思います。


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