考えれば

こどものころ
こころにえがいた
うみを
世界を
うしなわずに
見るために
あのかおりを
あの音楽を
あのとき見ていた
なにかを

生きること
闘うこと
風に訊くこと
ちがうと言うこと

誰かが信じることに
従うとか従わないとか
そんな話にのらないこと
わたしが信じることを
守るために

世の中に従いたいのは
人の性?
自分が我慢していること
人に強要するのは
道連れ?

社会に属さなければ
生きていけない
そんな強迫観念
に縛られて
今日も歯車は軋み

人の心から
必要なゆとりが失われていく

ダイヤに急ぐ
バスの運転手
慣れない乗客の質問に答えるのも
煩わしげに

みな、働けども働けども
生活は苦しく
こころはすさみ
生活の犠牲となった自分は
考えることすら許されず
首を横に振るなんて
選択肢すら忘れて

おかしい

そう気づくのは
すべてが後悔に変わってからなのか

いつまで我慢する?
いつか報われるのか?

苦しみの次にやってくる
苦しみ

ひととき、仲間と笑い合う
そんな楽しみすら
奪われそうになる世の中で

だれも怠けてなんかない
搾り取るだけ搾り取った税金は
どこかの権力のせいで
本来必要のないことに消える

無欲な人たちの声は
大きくなく
欲深い人たちの声ばかり
よく響く

こんな社会で
生きることすら嫌になる
冷静に考えれば

2023.10.08

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