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新しい日常に向けて。

 ほぼ外出しない日が続いている。たまに外出をしても近所のスーパーに食料を買いに行くくらい。曜日の感覚も少し怪しくなってきた。

 この引きこもり生活の一番の良いところは、体力が落ちて弱っているペットのウサギの看病を十分にできることだ。1日に4回、高栄養ミルクで溶いたラビットフードを食べさせることはもちろん、ちょっと撫でたり、ちょっと抱いたり、いつも気にかけていられる。そして彼に触れることによって、私はほんの少しストレスから解放される。win-winってやつじゃない?

 と同時に、こんなことでもなかったら気がつけなかったことに気持ちを向けられることができる。今まで日常だと思っていたことの価値、当然だと思って考えもしなかったことへの感謝だ。

 例えば、私は仕事で社交ダンスを教えているが、社交ダンスがどれだけの無意識な信頼によって成り立っていたか、これまで私は全く気づけなかった。社交ダンスは男女一組で踊られ、手や身体や触れることはスタート地点である。仕事として、誰とでも組んで踊っていたけれど、そこには無意識に、お互いを傷つけないという信頼があったように思う。

 でもこれから先、私や、あるいは生徒は誰とでも手を繋いで踊れるのだろうか。

 この世界的な危機が去る、あるいは落ち着く日が来るとして、私たちはどのくらい日常を取り戻せるのだろうか。あるいは、全く新しい日常が生まれるのだろうか。

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 ともあれ、今私が心がけていることは、引きこもり生活なりに生活リズムを整えること。

 同じ時間に起き、メイクをして、着替えて、ヨガをして、筋トレをする。未来に向けた勉強をする。三食自分で作り、ちゃんと食べて、お風呂に入って十分に睡眠を取る。

 いつまで続くかわからないこの生活、途中で気持ちが折れてしまわないように、前向きでいられるように、心身ともに整えていたいと思っている。 

  多分、今までと同じ日常は帰ってこないだろう。消えてしまう文化や習慣もあるに違いない。もしかしたら心の中に小さな恐怖がいつも棲み続けることになるのかも知れない。新たな日常は、もともとあった物を掘り返して来るのではなく、それぞれが一つ一つ選択して、新たに作っていくことになるのではないか。

 その時に、前向きで、明るい未来に繋がる選択ができるように、私は今を過ごそうと思う。




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よろしかったらサポートお願いします。外からはそう見えないだろうと思うのですが、案外肝が小さく小さい人間です。でももう少し、自分に自信を持って生きたいです。