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13. 神殿の谷へ

鳥の声で目が覚めた。身支度をして、すぐに神殿の谷に行くことに。

ホテルの敷地は広く、門まで少し距離がある。景色を見ながら庭を歩いていると、まっすぐ行けそうじゃない?という話になって、そのまま乾ききった庭を進む。しばし歩くと長い塀が見え、金属製の半開きの門があった。それには"Valle dei Templi"と手書きされたプレートが括り付けられていた。かなり古く、端は錆びている。世界遺産だよね?イメージと違ったが、さあ入ろう。中に切符売り場があるのだろうと歩いていくと、もう神殿が目前に現れた。切符売り場はどこ?見当たらない。手持ちの地図にはもちろん書かれていないし、相当広いエリアだから、切符売り場は歩きながら探そう。

これが神殿の柱、迫力が全然違う。実物を見るのは感覚が変わる。想像以上だ。どこから、どのように運んで積み上げたのか。

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10m!
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当時はどのような儀式をしていたのだろう

これはエルコレ神殿(Tempio di Ercole)。この8本の柱は1924年から英国人ハードキャスル卿により修復されたそうだ。高さ約10m。縦縞模様がきれい。向こうの町が視界に入ると、不思議な感じ。

木々の向こうにお目当てが見える。コンコルディア神殿(Tempio di Concordia)、ここから見ても美しい!血圧が上がる。窓枠に登って見た神殿が目の前に。

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オリーブの林

オリーブの木々も美しい。

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緩い傾斜でも距離がある、暑い時間はハード
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眼福
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入ってみたい
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どこから見ても美しい

正面、右、左、少しずつ変えて撮影。シャッターが降りなくなって、さきほど入れたばかりのフィルムを交換した。もう36枚?一般的には24枚がお手頃だが、交換の手間を考えて36枚にしていた。あまり意味がなかったかもしれない。

本当に美しい、いい形。建設当時は漆喰でカラフルに彩色されていたという。こんなイメージらしい。どのような資料が残っているのかは、手持ちのガイドブックからは不明。自分は今の単色の方がいいな。

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再訪時に購入した本より

ギリシャ神殿の中で最も保存状態の良いものの一つで、建立は紀元前5世紀半ばといわれている。のちにキリスト教の聖堂に転用され、1748年に元に戻されたとのこと。宗教に関係なく使用されていたことで、こうして残っているのなら、本当にありがたい。ここは、気持ちのいい場所。

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ホテルが見える


丸で囲んだ建物が宿泊したホテルで、見えているのは当時のスイートルーム。この部屋のバルコニーからは、さぞかし素晴らしい景色だっただろう。もれなくお値段も!

写真の神殿のほかに、ユノー、ウルカヌス、アスクラピウス、デメテル、ゼウス・アテネ、ディオスクロイの合わせて8つの神殿、その他お墓などの遺跡がある。とても広く、すべて回れなかった。チケット売り場も見つからずに入場料未払いのまま、やむを得ずホテルに戻る。朝食時間は当然終わっていたので、そのままチェックアウト。きっとおいしい食事だっただろう。でも、食べられなくて残念、という気持ちにならないほど、神殿に満たされた。

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帰国して現像すると、違いがよく分からないコンコルディア神殿の写真が30枚近くありました。そこまで盛り上がっていたのと実感します。

すでに世界遺産に登録されていたにも拘らず、放置感のあった神殿の谷も、今はサイトがあります。驚き!美しいです。右上の国旗マークで、イタリア語と英語を切り替えられます。

この地図はサイトから。敷地は1300ヘクタールだそう。想像つかない広さ。じっくり見るなら1日以上かかると思います。小さいけれど、州立サンニコラ考古学博物館もあります。再訪時に入り、見応えがありました。

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下のリンクは、神殿の谷のビューポイントのページ。美しいです!時間を変えて、夕方に行っても素晴らしいだろうと思います。

一緒に旅をしているような気持ちになっていただけたら、うれしいです。 または、次の旅の計画のご参考になれば。