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拝啓ちびまる子ちゃんこと、さくらももこ様

ちびまる子ちゃんは、私の永遠のあこがれです。

あなたは明るくて笑顔が素敵で、好奇心が旺盛で、ちょっぴりおっちょこちょいで、日本中のみんなに知られている女の子。
だけど私にとってのあなたは「国民的アニメの人気キャラクター」以上の存在でした。

さくらももこ作品が好きな母の影響で、私はあなたと同じ小学三年生くらいのころから、漫画『ちびまる子ちゃん』を読んでいました。
もともと漫画『ちびまる子ちゃん』は、漫画家のさくらももこさんが、自身の小学校時代を描いた作品です。
ほのぼのしたアニメとは違う尖った笑いや、さらにエッセイ要素の強い「さくらももこ劇場」に触れて、私はその世界観に夢中になりました。

漫画が大好きなあなたは、「漫画家になりたい」という夢を抱きます。
静岡の小さな町の、普通の女の子のまるちゃんが、です。

「さくらももこ劇場」にも、漫画家になるべく『りぼん』に投稿を続けるさくらさんの姿は描かれています。
当初は思うような結果が出ない様子も描かれ、まるちゃんであるさくらももこちゃんも「私なんかが、漫画家になれるのかな?」と不安をもらしていました。

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そんななか「エッセイ」という、自分自身のストーリーを武器にして、あなたは漫画家という夢を叶えるのです。


それからのあなたは、どんどん「まるちゃん」だったころの夢を叶えていきました。

作曲したいという思いを叶え、誰もが口ずさめる主題歌をつくる。
昔から大好きだった芸能人、山本リンダや西城秀樹に会う(西城秀樹は、アニメの主題歌も担当していました)。
夏休みの思い出が少ないまるちゃんに、作中で南の島旅行をプレゼントする。

私にとってのまるちゃんは、夢を叶えた超絶かっこいい女の子なんです。


小学三年生の私は、田舎に住んでいて、クラスの人数も少なく狭い世界で、お絵描きと漫画だけが楽しみでした。
将来になんとなく希望が持てなくて、妄想に近い空想をすることで、自分を保っていたような子でした。

そんな私にとって、まるちゃんは希望だったと思います。


自分で作品を創りだせば、夢は叶う。
絵を描くのが好きだった私は、いつしか漫画家になることを夢見るようになりました。
文章の方が自分にあうとわかってからは(さくらももこさんは、文章のエッセイもたくさん書かれているし)、小説やエッセイを書いてみて、今も文章を書く仕事をしながら、ちまちまと自分の作品をつくっています。
私の創作の原点は、ちびまる子ちゃんなんです。

昔から今までずっと、あなたは私の目標です。


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(さきほどの画像同様、『ちびまる子ちゃん』12巻より)


私も幼い日の自分に、こんなかっこいいことが言える大人になりたい。


泣くことしかできず、きちんと追悼できなかった、さくらももこさんの命日を前に。

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