『レモンタルト』について
前回からだいぶ時間があいてしまいました。ダメ大学生と申します。
桜の季節も過ぎ、GWも終わってしまいましたね。この調子で行くと、気がついたら夏になっていそうです…
今回は長野まゆみ先生の『レモンタルト』を紹介したいと思います。
ざっくりと紹介するなら、死んだ姉の夫だった義兄と、弟である私のお話。私は義兄に、長いこと密かな恋心を寄せています。
ジャンルとしては、勤めている会社での少し変わった業務や、日常で起きる不思議な事件の数々が描かれた日常ミステリーものと言えるでしょう。
個人的に、長野まゆみ作品は、少年が登場する少し不思議でファンタジー寄りのストーリー、というイメージですが、この作品にその傾向はあまり見られません。
主人公が社会人というのもあり、ストーリー自体は現実寄りです。それでも、義兄を含めた登場人物のミステリアスさや、クセの強い男たちに好かれてしまう主人公が巻き込まれる奇妙なトラブルの数々は、「ありそうでない」感を醸し出し、読者を物語の世界にぐっと引き込みます。
義兄とのなんとも言えない関係にもどかしさを感じたり、意外な展開にハラハラしたり……私は何回も心動かされ、手に汗握りました。(そして就職活動への不安も感じました)
傘にまつわる事件で始まり、傘にまつわる事件で終わるこの作品。雨の日が増えるこれからの時期にいかがでしょうか?
では。
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