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リーグオブ情シス スーパーリーグ第一回(20/7/22)に登壇しました(前編)

2020/7/22 に「リーグオブ情シス - 僕がかんがえたさいつよの情報システム」というイベントに発表者として参加しました。運営や視聴者の方もイベントレポート出していますが、発表者視点のレポートがまだなかったので書いてみました。本記事を読んだ方が、次回、発表者としてエントリーされることを願っています。(長くなったので前編/後編に分けました。)

リーグオブ情シスって?

公式のイベントページを参照ください。

以下、公式から引用。

仮想の企業、必須システム、一人あたり月額予算の条件のもとで、様々なサービスを組み合わせて「僕がかんがえたさいつよの情報システム」を各チーム25分(質問込)の持ち時間でプレゼンするイベントです

当日の配信アーカイブと私の発表資料はこちら。

YouTube Live : https://www.youtube.com/watch?v=DlQWkTtoxV4
SpeakersDeck:https://speakerdeck.com/daktu32/riguobuqing-sisu-di-hui-suparigu-number-loi

他の方のイベントレポートはこちら。

リーグオブ情シス イベントレポ(sumi さん)
リーグオブ情シスイベントレポ(hikky さん)
#リーグオブ情シス 最高でした(mathken029 さん)

エントリーの経緯

AWS のユーザーコミュニティ(JAWS-UG)の情シス分科会(JAWS-UG 情シス支部)、その Facebook グループにて「AWSと関係ありませんが」という但し書きとともに紹介されていたのがきっかけです。

アイキャッチ画像のカッコよさに惹かれてリンクをぽちったところ、競技の設定に強く興味を惹かれました。

・事前に告知された仮想の企業を題材に、自身が最適と考えるシステム構成をプレゼンする
・当日、追加の設定(企業規模、社員構成、端末の種類など)が発表され、発表者は開始 30 分間で架空の経営者である主催者に対して質疑応答を繰り返しながら資料を修正する。
・質疑応答は配信され、視聴者の目に触れる

往年の実況料理対決番組「料理の鉄人」のような緊張感あふれる舞台設定。ワクワクが止まりません。

たまたま今年1月に架空の建設物(今回はマジンガーZの格納庫)を本物のゼネコンがガチの見積を作成する映画「前田建設ファンタジー営業部」を見て同じようなことがしたい!と思っており、気づけばエントリーボタンを探していました。

主催は情シス slack という聞きなれないコミュニティ。公式の connpass ページに参加方法があったのでクリックしたのですがなぜかリンク切れでした。

いつもなら諦めるのですが、ちょうど酔っぱらったこともあり勢いで「リンク切れてますー!」とコメントしたところ、同じく発表者でもあり、のちに圧倒的実力で1位に輝いた「世界の吉田」こと@_w_yoshidaさんが繋いでくださり無事、情シス Slack に参加するとともに、イベント自体にもエントリーすることができました。(吉田さん、その節はありがとうございました!)

準備編①:体制づくり(チームハモリスタ)

エントリーしたものの、情シス経験がうすい私は、一人で発表できるか不安でした。同僚を誘うもあっさり断られてしまいます。そんな矢先、旧知の友人がたまたまイベントを目にしたようで、連絡をくれました。

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図1:チーム結成の瞬間

パートナーの「つの」は10年来の友人で、都内の社会人アカペラサークル「ハモリスタ」で出会った音楽仲間です。優秀なプロダクトエンジニアなのは知ってましたが、IT に関して絡んだことはない。これは良い機会だと思い、誘ったところ即レスで応じてくれました。こうして今回の発表名義である「チームハモリスタ」が結成しました。

準備編②:基本戦略の決定

当初、架空企業の設定は発表者にお任せと聞いていたので、準備期間の半分は設定を練ることに費やすつもりでした。しかし、ある日、主催者である@okash1n さんから前述の当日発表ルールの告知がありました。

「当日発表ルール」により、我々のイベントへの向き合い方は大きく方針転換を迫られました。当日修正ということは引き出しの多さがモノをいいます。様々なサービスやプロダクトを候補としてもちつつ、当日、構成を組まねばならないわけです。情シス歴が浅い私とプロダクトエンジニアであるつのくんの組み合わせにとって、圧倒的に経験値が不足しており、闘う実力がありません。

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図2:ルール変更を知ったときの我々の反応

悩んだ結果、我々が出した結論は「ネタ枠として振り切ろう!」です。

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図3:基本的戦略の決定

引き出しが少ない私たちは、プロダクトを絞りこむ、という戦略をとりました。各プロダクトを個別最適で選択し組み合わせるのは豊富な経験が必要ですが、特定のサービス Suite で固めれば自然とベンダーおすすめの構成に落ちます。また、価格を調べる対象も減り準備が楽ちんです。

発表本番では「強い意志を感じた」「経営者に寄り添った提案」といった感想をいただいたのですが、その発端は「弱者の苦肉の策」だったのです。好意的なコメントをくださった方々にはお詫びいたします。

なお基本設定としてGoogle 信者か Microsoft 信者かで迷ったあげく、最終的にMicrosoft を選択しました。理由は、パートナーの「つの」くんが Microsoft 信者だったのと、当日の発表を私がメインでやることにしたので、作業分担の意図でした。結果「MS365 を一度も触ったことがないくせに、MS ずぶずぶな構成を全力で提案する」という突っ込み満載なプレゼンの出来上がりです。

準備編③:コンセプトとシナリオの決定

前述のとおり基本戦略は残念な成り立ちですが、発表者として恥ずかしくないものにするため肉付けを行いました。今回のようなケーススタディ的な内容であれば、設定に対して納得感・必然性をもたせることが重要です。検討の結果、以下のコンセプトを編み出しました。

さいつよ = コーポレートエンジニアにとって
     さい こうに
     つ ごうの
     よ い世界

企業したてのイケイケスタートアップにひとり情シスとして入社したとあれば、経営者や社員の期待を一身に背負っていることが伺えます。入社初日から多数の問い合わせや依頼が舞い込むことでしょう。このままでは潰れてしまいます。「リーグオブ情シス」は「情シスによる情シスのためのイベント」。参加者全員、共感できるはず。よって、その共感心を利用して、情シスにとって都合のよい世界観を構築することにしました。

コンセプトに従い具体的な設定を出すなかで発表時に「公式チート」とコメントいただいたMicrosoftのスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」の存在を知りました。利用にあたり売上規模や創業年次の制約はあるものの「すさまじいサービス無償枠」、「分厚いテクニカルサポート」、「全力のセールス支援」など至れり着くせりの内容。Microsoftずぶずぶ設定の「当社」としては、利用しない手はありません。

Microsoft for Startupsの採用を軸に据えることで

 「理想の世界はこれだ!」
→「でも現実は甘くない」
→「じゃあ現実的な落としどころは?」

というメリハリの効いたシナリオ構成にできました。

このとき理想の世界をすべて諦めるのではなく「Microsoft for Startups のみをあきらめる」としたのがポイント。都合のよい世界の設定は残したまま、現実に寄り添った感を演出します。

これはプレゼンというか交渉術の一種で小さな譲歩により大きな利益を確保するテクニックです。今回の場合「社内端末をすべて Windows 端末に置き換える非現実性」に目を向けさせないために使いました。このテクニックはいわゆる「論旨のすり替え」で、プレゼンだけでなく社会生活の様々な局面で役立ちますので、上手な活用をオススメします。一方、使いすぎると「詐欺師」扱いされるので諸刃の剣であることをご承知おきください。

とにもかくにもこれでシナリオが固まり、発表当日に向けた準備が整いました。後半に続きます。(https://note.com/daktu32/n/n79b2151a66ea

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