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2024/7/1  日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] 財閥・系列、持ち合い解消
三菱電機やデンソー、株売却 資本効率を改善

財閥やグループ間で持ち合っていた政策保有株式の売却が進んでおり、日本企業の慣習が変化し、国際的な評価向上につながる可能性がある。東京証券取引所が資本コストを意識した経営を求め、企業は政策保有株の売却を検討し、持ち合い解消の動きが加速している。トヨタグループや三菱、三井、住友などの企業が政策保有株を売却し、成長投資や株主還元に資金を充てている。メガ銀行も売却を進め、株式売却額は増加している。要約すると、日本企業における持ち合い解消の動きが進んでおり、様々な企業が政策保有株の売却を進めている。

エーザイ、認知症「本丸」狙う
新薬、米で30年度実用化 原因たんぱく質「タウ」標的

エーザイは、アルツハイマー病の治療薬開発において、タウと呼ばれるたんぱく質を標的とした新薬を開発する方針であり、安全性を確認する臨床試験を進め2030年度に実用化を目指す。アルツハイマー病患者の脳内でのタウの蓄積が認知機能の悪化を引き起こす要因であり、これに対処する新薬開発が注目されている。エーザイはタウの蓄積を防ぐ新薬候補物質を開発し、競争環境が厳しい中で、他社との開発競争が進行中である。現在、エーザイは既存の治療薬レカネマブとタウ新薬の組み合わせで治療効果を高める商機を見込んでおり、アミロイドとタウを標的とした治療薬の開発を進めている。アルツハイマー病治療薬市場は拡大しており、新薬の実用化が販売高の増加につながると見込まれている。

円安≠株高の新常識 経営トップの改革今こそ

「円安≠株高」が新しい株式市場の常識となりつつある。円安の週が18週あり、そのうち8週は株安だった。かつては円安なら8割以上が株高だったが、今は4割以上は株価が上昇しない。金利復活の影響が大きく、インフレ体質の国では通貨下落で金利上昇し、株価は下落しやすい。日本は円安でも物価上昇せず、金利をゼロ%に縛ってきたため、実質株価は上昇している。金利復活後、株価収益率が下がり、企業の稼ぎ力も弱まる可能性がある。企業は為替差益に頼りすぎず、イノベーションを怠ってはいけない。経営共創基盤グループ会長の冨山氏は、「トリプル10」を提唱し、企業にROE、売上高営業利益率、売上高成長率のいずれも10%以上を目指すように促している。日本企業が成長するためには、経営指標を引き上げる努力が必要であり、現在の雇用環境や労働市場の改善が肝要である。

円安が試す利上げ耐性 「インフレ税」に現実味

円安が進行し、1ドル=160円を超える節目を突破し、平成以降の最安値を更新。低金利に慣れた日本経済が「金利ある世界」への適応を懸念する中、インフレによる「インフレ税」の可能性が浮上している。世界的なインフレは新型コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻による財政政策の拡大や資源価格の上昇により急拡大。主要中央銀行の金融引き締めにより、インフレが鈍化しFRBも利下げを検討。カナダとオーストラリアの消費者物価指数上昇が円安を加速。日銀は利上げを求められつつも、政府債務の増加や日銀の国債買い入れにより難色を示す。日銀は国債買い入れ減額を検討し、これにより円高圧力が生じる可能性あり。アベノミクスの金融政策重視で構造改革が進まず、円安の背景には異次元緩和の影響も。インフレ税により政府債務の負担が一部軽減されるが、家計への負担は増加する可能性がある。

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