見出し画像

結婚式場「萬屋本店」に惚れて花嫁から社員になった話

こんにちは。株式会社Daiyu人事採用担当の山中です。
本日は、私がなぜ萬屋本店で結婚式を挙げたのか、そしてなぜ転職までしてしまったのかという経緯をお話しさせていただきます。

27歳、人と違う結婚式がしたかった。

私は27歳で結婚しました。その時期は、同年代の友人にとっても結婚ラッシュ。二週連続で結婚式にお呼ばれ!なんてこともあり、恐らくこの時は一年で10回くらい結婚式に参列していたと思います。

そんな私が自分の結婚式を挙げる側になり、ぼんやり思ったのは「人と同じは嫌だなぁ」ということ。
それは同じような結婚式の進行に慣れ始めてしまっていたこと、それに加え、大きなリボンのついたドレス、煌びやかなスポットライト、ケーキの食べさせ合いっこ、サプライズ演出に気恥ずかさを感じていたからです。

もともと、子供の頃からクラシックバレエではなくモダンバレエ(コンテンポラリーダンス)をやっていた影響もあり、ニッチな趣味嗜好でした。
髪型やファッションもちょっと人と違うものが好き。

画像1

《大学時代はヘアカタのモデルをやっていました。映画「アメリ」に憧れてかなり奇抜な髪型をしたり、古着を好んで着ていました》

そんなこともあって、結婚式場探しはホテルや大手式場ではなく、「ちょっと変わったところ」を軸にしていました。
目に付けていたのは、海外風のガーデンウェディング、パーティーが出来る地下クラブ、歴史ある洋館など。
そんな中、何気なくゼクシィを見ていた時に目に飛び込んできたのが「萬屋本店」でした。
和装の結婚式は考えていなかったので「渋いな!」と思ったのが最初のイメージでした。

初めての3時間の接客で涙。

最初はただただ、ブランディング写真に憧れたことで興味を持った「萬屋本店」でした。
しかし、見学での3時間が私の運命を変えました。

それは「何のために結婚式を挙げるのですか?」という質問をされたことです。

社員写真撮影_210804

《その時接客してくれた萬屋本店スーパーバイザーの早野智子》

実は私は萬屋本店を訪れる前に、他の会場を5件程見学していました。
これまでのどの会場も「どんな結婚式をしたいですか?」とは聞かれても「何のために?」ということを聞かれることはありませんでした。

もともと「家族と友人のみでアットホームなパーティーがしたい」と希望を伝えていましたが、智子さんと話していくうちに、自分が結婚式を挙げたい本当の目的は「両親や祖父母に喜んでほしい。それから、お世話になった人たちに感謝を伝えたい」からだと気付いていきました。

そして智子さんには最後に「お世話になった人たちって、ご家族・ご友人だけじゃないですよね。本当は結婚式に来てほしい人がいますよね?」と言われました。
その瞬間、私は涙が止まらなくなりました。

結婚式を通して、上司との向き合い方に変化が起こる

実は、私は本当は職場の先輩や上司を結婚式にお呼びしたかったのです。
しかしながら、私にとってそれは叶わないことでした。

なぜならば、上司に結婚のご報告をした際にたった一言、「俺は結婚式には行かないからな」と言われていたからです。
その上司は人前に出てスピーチすることが得意ではない、パーティーが苦手な人でした。

しかし、実際それは表面上の問題。
本当は、私自身が結婚に負い目があったことで引き起こしたことでした。
私は新卒でファッションショーの制作会社に入りPR部署で働いていたのですが、その業界は、仕事に人生をかけている、本気な人たちばかりの職場。
27歳で自分がまだまだ半人前なことが分かっていたので、そんな中で「結婚をする」と堂々と言えず、さらっと報告をしてしまったのです。
だからこそ「結婚式には行かない」と言われても、何も言い返せませんでした。

そんな私に対して、智子さんが核心をついてきました。
「形だけの結婚式を挙げることは簡単です。でも、本当に大切な人、かけがえのない人に、結婚することを祝福してもらえない状態で、本当にやる意味がありますか?」と言われたのです。

結婚式場のスタッフに「そんな結婚式、挙げる意味があるか?」と言われることに衝撃を受けつつも、これほどまでに私の人生を想ってくれる情熱に心を動かされました。
そして数日間悩んだ末に改めて、その上司のもとへ二人揃って「結婚のご報告」に出向くことにしました。

智子さんとお話しをした中で、結婚式のことは一旦横に置き、まずは自分を可愛がって育ててくれたことへの御礼、結婚をしても仕事を続けていきたいという想い、そして旦那さんになる人の紹介をするべきだと考え直したのです。

主人は、私の父に会う以上に緊張したのではないかと思います。
しかしながら、主人が誠心誠意を尽くしてくれたことで「良い子じゃないか」と上司の反応も変わっていきました。
そして、改めて上司への感謝の想いを伝えると、最後には「幸せになりなさい」と言ってくれました。

一ヶ月後、上司が結婚式の招待状をしっかりと受け取ってくれる日が訪れました。
こうして、当初私が考えていた家族・友人のみの結婚パーティーは、お互いの職場の方もお招きして80名という人数で行う披露宴へと形を変えました

この時、もう私の中で結婚式は「萬屋本店」という選択肢以外あり得ないと思いました。

画像5

《結婚式当日、上司にも褒めてもらえた黒鶴の色打掛》

結婚式を挙げるプロセスの中で成長したこと

この一件があってから、私と主人にとっては「結婚式は当日が大切なのではなく、準備をするプロセスの中で人間関係が深まるのだ」ということを学びました。

私の上司がそうだったように、想いが強い人、人を大切に想ってくれる人ほど「面倒くさい」こともあるんじゃないかと思います。
ご挨拶だけでなく、どの席にするか、誰にスピーチしていただくか、苦手な食べ物はないか、会場の空調具合はどうか。
最後の最後まで心配の種は尽きませんでした。
それと同時に「大切な人をもてなす」ということにこれだけ本気になった時間は今までになく温かく、幸せな時間でした。

画像5

《お互いのゲストの話をし合ったり、喜んでいただけるように準備したり、結婚式を通して夫婦の絆も深まっていった》

「ゲスト紹介」がメインの結婚式

結局、私たちが行った結婚式はケーキなし、スピーチなし、余興なしの、派手な演出はしないシンプルな結婚式になりました。

それは、「何のためにやるのか?」を考えた時、本当に大切な人に真心を伝える時間にするには、奇抜なことをする必要はないと感じたからです。
その代わり、私たちがゲストの方々を紹介する「ゲスト紹介」という時間にはかなりこだわりました。

画像5
画像6
画像7

《自分達がマイクを持って各テーブルをまわり、大切なゲストの皆様をご紹介していった》

私は、上司とのやり取りの中で大切なことに気付きました。
それは、「自分から感謝や愛を伝えることの大切さ」です。

せっかく結婚式にお越しいただい皆様に、日頃私たちがどれだけ支えられいるか、どれだけ感謝しているか、どれだけ大切な存在かをお伝えしようと思いました。
堅苦しい言葉ではなく、自然体で心から思う言葉を伝えようと、事前に準備したカンペは当日持たずに行いました。

自分達二人が目立つより、来てくれたゲストの皆様にスポットライトを当てたいと願った当日、会場はとても盛り上がり、ゲスト同士がみんなそれぞれに声を掛け合うようになっていきました。
それは最初は知らない人同士だった会場が、私たち夫婦という出会いを介して、一体となっていくことを感じた瞬間でした。
そして、「私という人間に生まれていなかったら、ここにいる大切な人に出会うことはなかった。」と分かったのです。

それは、自分に生まれたことを心から良かったなと思える時間でした。

画像8


私たちの結婚式は、来てくれたゲストみんなから
「こんな結婚式初めて!」
「二人らしくあったかい結婚式だね!」
という言葉をいただくことができました。

シンプルに削ぎ落した結婚式は、結果的に、人と違った結婚式を叶えることになったと思います。

結婚式から1年後、転職を決意した理由とは?

ここまでが私の結婚式を挙げるまでのストーリーです。
そして、こうして結婚式を挙げた1年後、今度は転職をすることを決意しました。

私がここで働きたい、そう思った理由は3つあります。
自分の力で誰かの人生に影響を与えられる会社だと思った。
私の力を最大限に活かすことが出来ると思った。
これからの時代に、求められる会社だと思った。

この想いの背景をお伝えしていきます。

まず、ひとつ目の「誰かの人生に影響を与えることができる」に関しては、自分自身の顧客体験を通して感じたことです。
自身の経験を通し、こんなにも深く人の人生に関わる会社があるのかと衝撃を受けたことと共に、こんなに人から涙を流して感謝されるような仕事をするって一体どんな気持ちなんだろう?と思いました。
そして、自分自身のキャリアを振り返った時、今までネームバリューのある仕事や大きな仕事に就いてきたつもりであっても、それは「会社にブランド力があった」からだったことに気付きました。
もちろん仕事は一生懸命でしたし、一緒に仕事して良かったと思ってもらえるように努力をしてきたつもりですが、「私という人間じゃなきゃダメ」とまで言われるほどのことはなかったと思います。
そして、ついた仕事の規模の大小ではなく、一人の人間として、裸一貫で人に与えられる影響や、起こせる出来事に挑戦してみたいと思うようになりました。
そして、Daiyuという会社だったらどんなポジションでも、「人の持つ影響力」が求められている会社じゃないかと直感で感じました。

画像9

《結婚式を終えてからずっとDaiyuのことは頭にあり、求人募集などもチェックしていた》

そして、ふたつ目の「私の力を最大限生かすことが出来る」と思った点。
これは、なんともおこがましいのですが、そう、感じてしまったのです。
恥ずかしながら私は幼少期から、得意なこととそうじゃないことの凸凹の多い人間でした。
好きなことや得意なことは時間を忘れて没頭できるのですが、その代わり周りの人がすんなり出来るような当たり前のことが出来ないということが多くあります。(実際、学生時代カフェでバイトしたところ仕事が出来な過ぎて、半年でクビになりました)
自分が必要とされない、むしろ周りに迷惑をかけているんじゃないか?と思う環境で仕事するのはアルバイトであってもキツいことでした。
その経験を通して、仕事というのは自分の能力をどう世の中に「お役立てできるか」まで考え、自分で活躍するステージをつくることが大切だと思っていたのです。
そうした中で、どうしてDaiyuでなら活躍できると思ったのか?というと、結婚式後にお手伝いで行ったフェアモデル役を務める経験がきっかけになりました。
これから結婚式をご検討のお客様に、先輩花嫁としてスピーチをさせていただいたのですが、その時自分が話したエピソードに見学者の方やスタッフの方が涙をしてくれるということが起きました。
本当に自分がよいと思うもの、誰かとこの気持ちを共有したいと思うもの、それらが届いたと思う瞬間がすごく嬉しかったのを今でも覚えています。

画像10

《当日フェアを見に来ていた代表の宮腰とも話せる機会があり、そこで「Daiyuに来たら?」というスカウトもいただく。自分の中で点と点が線になったタイミングだった》
もともと、お客様としてDaiyuのスタッフのことは「一人一人個性溢れる方ばかり」だと感じていました。
ここでなら、自分が自分らしく得意なことを活かしていけるのではないだろうか?と未来を描けたことが転職へ踏み切れた決定打だったと思います。

そして、みっつ目の「これからの時代に、求められる会社」だと思った理由についてお話しします。
何度か話題に触れましたが、これまで私はファッションイベントの仕事をしていたので、何よりも「トレンド」が重視される業界にいました。
ファッションショー、都内に次々と開発される話題のショップやホテル、レストランのローンチ。そして、旬な女優、タレントさんを巻き込んだPR。
華やかで楽しく、人に夢をお届けする素敵な仕事でした。
一方で必ず「次の新しいもの」を求め続けられる世界でした。

世間からのブームというのは驚くほど短いもので、想像以上にめまぐるしいものでした。そして、たくさん生産しては、一気に消費され、いらなくなったら忘れられていく世の中の流れに、どこかさみしさも感じました。

そんな風に思う気持ちがあったから、鎌倉という自然と歴史ある土地、「萬屋本店」のいつ来ても変わらないあたたかさ、人の心を感じる接客に強く魅了されたのだと思います。
萬屋本店の建物は築90年の日本家屋をリノベーションしており、自動ドアもエスカレーターもありません。
婚礼に使用するお皿は、一皿一皿が職人さんの絵付けした金沢の久谷焼。
婚礼衣装の着物は30年以上前から代々大切にされてきたものや、数少ない職人さんしか作ることのできない一点物を取り扱っています。

それは、いつ来ても、ずっと変わらないのです。

ここにあるものたちは流行るか?売れるか?という目線ではなく、それが本物かどうか?ずっとおすすめしていける価値があるか?という基準で厳選されています。
「昔風だから落ち着く」といった単純なことではなく、人の手により生み出され、人が手をかけて大切にしてきたものを受け継いでいるから、あたたかさを感じたのだと思います。

流行に乗らない、というのはビジネスを行う上で大変難しいことだと思います。その一瞬でも、人が飛びつくことが分かっていれば、利益になる。
そうした目先の利益に手を出さず、本物だけに削ぎ落すことは言うは易し行うは難し。
その難しさを、転職した今でもひしひしと感じます。

しかし、そんなふうに、その難しいことに挑戦するからこそ、これからの時代に求められると感じるのです。

また、今は結婚しても、結婚式を挙げない「ナシ婚層」が増えているといわれています。
しかしながら、私は自分の結婚式の体験を通し、こんなにも「人と人との心の繋がり」が感じられる瞬間はないと信じています。
モノやコトでは満たされない、「心の豊かさ」が求められる時代にこそ、必要とされるサービスなのではないか?と感じるのです。
結婚式の本質を伝えれば、世の中に必ずこの価値が届くと私は思っています。

こんな風に、この企業の挑戦に私も人生を賭けたいと思いました。
自分が信じた先の5年後、10年後、どんな景色が見えるのだろうか?
そんな風にワクワクしたことが一番の理由です。

以上が、私が花嫁から転職した理由です。
実際に入社して3年、良いことだけではなく、たくさんの壁にぶち当たったり、想像と違うこともありました。
毎日がチャレンジで、トライ&エラーの日々です。
でも、「自分の直感を信じて良かった」
この一言に尽きる日々を過ごしています。


この記事が参加している募集

自己紹介

転職してよかったこと