映画「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)」ー親との確執は大人になっても消えない

タイトルのとおり映画「マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)」を見ました。

最初に予告編を見て「これはアダム・サンドラーとベン・スティラーが出ているからコメディかな・・・」と思っていたら大間違いでした。

ダスティン・ホフマン演じる彫刻芸術家の父親と彼の娘や息子をめぐるヒューマンドラマで、ドッと笑えるようなエピソードやハラハラするような出来事が起きるわけでもなく物語は割と淡々と進んでいきます。後半に向かうにつれて父親の入院を機に、子供たちが幼少時から抱えてきた父親への不満や悲しい気持ちなどが少しずつ垣間見えるようになってきて・・・。

入院した父親の状態について医者?カウンセラー?が「最悪の事態を覚悟しておいてください。あなたを許します、わたしを許してください、さようなら、などをまだ言えるうちにちゃんと伝えておいてください」と家族に言うシーンがあります。

このセリフは映画の最後でもう一度出てきます。「あなたを許します、わたしを許してください、さようなら」をちゃんと相手に言うって気持ちの浄化のためにものすごく、ものすごく大事なこと。でも、このセリフが出るということは「さようなら」を受け入れたということでもあります。

血のつながった家族でも、いや血のつながった家族だからこそ口に出して言えなかった思い、もどかしい気持ち、あの時こうしてほしかった、どうして〇〇だったの?という思いはどんな家族にだってあるもの。そして、親がいくつになっても、子供がたとえ中年になったって、みんなそういう「荷物」を抱えて生きているんだろうなと思います。

余談ですがわたし、アダム・サンドラーの出てくる90年代から2000年代のコメディが大好物なんですよねー。安定の下らなさがすごくよくて(※誉めてます)、最近の映画みたいにものすごくひどいことが起こったり暴力的になったりする心配をせず安心して見ていられるところが好きです。でもこういう「昔はよかった」的なことを言うようになってくるとわたしももう年ですかね。

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