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子どもの語学教育 英語,外国語

自分が親になってみて驚いたことのひとつに、周囲の親御さんの「幼児語学教育への関心の高さ」があります。

英会話スクールに英語幼稚園…最近は、「語学はとにかく早期にはじめる」ということがトレンドみたいですね。

母国語以外の言語学習を開始するに最適な時期については、既に多くの先生方が様々な説を唱えていらっしゃいます。
まずは母国語の習得に専念すべきだ。
いや、今はとにかく早く始めるほうがよろしい。などなど。

私は出産前まで語学教育に携わる仕事をしていたわけですが、そんな私が個人的に一番大切にしていることは、「子どもの知る楽しみを奪わないこと」「未知の言語と慣れ親しむワクワクを大切にすること」です。

子どもの”知る楽しみ”を大切に

突然ですが、「キテレツ大百科」というアニメ番組をご存知ですか?
あの番組のエンディングテーマが「はじめてのチュウ」という曲で、あの曲こそが私の語学への関心を開いてくれた扉でした。

というのも、あの歌は、サビで唐突に英語の歌詞が挿入されてくるんですよね。

I will give you all my love だったけかな。

当時幼児か小学生であった私は、この「はじめてのチュウ」のメロディーがかかるとテレビの音声と共に口ずさむのですが、英語の歌詞のところに差しかかると「アイ、ふふ~んふ、ふっふっふ~ん」と鼻歌に切り替えざるを得ませんでした。英語が読めない。

「I(アイ)」は、わかる。アルファベットの読みそのものだもんな。

次はなんだって?

どうして「w」は「だぶりゅ」って読まないの?
英語って何モノなの?中学校に行くようになったら、この歌も歌えるようになるの?って、未知との遭遇にわくわくしたものです。

これが、私が生まれて初めて英語に興味をもったきっかけです。

ですから、小学生でヘボン式ローマ字を、中学校1年生で英語を習い始めた時には、もう本当にワクワクしてたまりませんでした。
中学校の初めての英語の授業の時の興奮した気持ちは、今でも忘れることができません。

若くて優しい女の先生。
この先生がまた本当にカッコいい英語で話すんだわ。
「w」は「ウ」と発音すること。
その他の母音や子音とくっついて単語をつくり、訓練すればある程度規則的な読み方が可能になること。
そんなことをひとつひとつを知っていくことが、楽しくて仕方がなかったことを今でもはっきりと覚えています。

だからこそ私が一番大切にしたいと思っていることは、子どもの「知る楽しみ」を奪わないこと。
大人の不安であまり先取りしないで、子ども自身の「知りたい」という欲求が十分に育つまでは、あまりグイグイ導入しないようにしたいなぁと思っています。

環境だけ整えて、あとは待つ

そんなのんびり派の私ですが、子どもの語学への関心を支える支援として今から始めていることが1つだけあります。
それは「関心を育む環境だけ整えておく」こと。

うちの子どもはとにかく絵本が大好きなので、彼女の本棚には外国語の絵本も混ぜて置いておくようにしています。
洋書は定価で買うと高いので、わが家はブックオフをヘビーユース(笑)
ディズニーのシリーズや仕掛け絵本も、1冊あたり数百円で購入できるのでよく利用しています。

洋書の素敵なところは、文字がただ英語で書かれているということだけじゃないんです。
絵のタッチも日本のそれとは異なることが多く、装丁も独特。なんか匂いも違う気がする(?)。

私が子どもの頃にも、やはり本棚に英語の絵本がいくつかあって、表紙の絵を眺めているだけで、海外への憧れが募ったものです。
あのワクワクを、娘にも感じてもらいたい。

また、年中くらいになると、私は母親に「英語で読んで」とせがみ、そのリズムの美しさや、独特の発音に興味をもつようになりました(一応言っておくと母はただの主婦でカタカナ英語。多分ところどころいい加減に発音していたと思われる)

ピーターパンは"Peter Pan"って書くのか。
”ピー”だから”P”の文字で始まるのね。
でも"eter"って何?
と、ここでもまたモヤモヤと、英語学習への憧れが募る。
私の場合はそうでした。


英語だけが外国語じゃない

環境づくりのもう一つのポイント。
外国語って、別に英語だけじゃないんですよね。
世界には7,000前後の言語が存在すると言われているのに、なぜ日本人は英語にばかり熱心なのか。

世界にはたくさんの美しい言語があるのだから、日本の子ども達には、どの言葉に関心をもってもらってもいいと思っています。

そんな私の願いに答えてくれた素敵な絵本がこちら。

買い物には常に慎重な私が、妊娠中につい衝動買いしてしまった1冊です。
公式HPから本の紹介文の一部を引用しますね。

外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。
本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。

https://www.sogensha.co.jp/special/honyaku/

言葉を知ることは文化を知ること。
歴史や信仰…他者が大切にしているものに想いを寄せたり、リスペクトある態度で世界を広げたりしていくこと。これが語学を学ぶ醍醐味だと私は思う。

私は”語学=武器”だとかいう言い方があまり好きではなくて。
受験で優劣を競ったり、ビジネスのシーンでタフな交渉を有利に進めるだけのために習得するのはあまりにも悲しい。
闘い、己の優れたるを誇示するために学ぶべきものではないと思うのです。

他者を知り、他者に学び、よりよく生きていくための入り口 ー それが言語学習であってほしい。

…というのは、あくまで親の願望で…(笑)
結果、どうなるかは未来のお楽しみです。

★画像はこ まつさんの作品をお借りしました。


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