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ayaorchestra
歩行者天国
銀座の歩行者天国は酷く居心地が悪くて、私は何だか落ち着かない。そうは言っても二十代の頃は着物好きな女友だちと二人で着物を着て、よくあちこちへ出かけたものだった。 銀座の歩行者天国へ出かけたのも、ちょうどその頃だった。
当初は出かける予定にはなかったのだが、友人がまだ帰宅までには時間があるということで、根負けして出かけたように記憶している。
歩行者天国にはそれは様々な人々がいた。若者 や外国人カップル、夫婦、友達。そんな人々は大概が洋服だったが、その中に着物を着た人たちの群れが私の目に飛び込んで来た。
私の女友達は翌々話を聞くと、この人たちのイベントに参加したかったのだったという。この集団のメンバーも実に様々で、若者から老人まで着物も紬からお召し、アンティークまでバラエティに富んだ面々だった。
私はこういった着物の会のような集団に出会したことがなかったので、少し緊張していた。そんな私に、老人の男が不躾に声をかけて来た。と言えば聞こえはいいが、早く言ってしまえば私に難癖をつけて来たのである。もっと酷い言い方をすれば説教して来たのである。
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