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結局、AIって何なのか?

はじめまして。だいすけです。
2023年に入り、ChatGPTやNotionAI、Stable Diffusionなど、多くの生成AIが登場し、ビジネスに大きな影響を与えています。
そして、AIの進化に関して、様々な憶測が飛び交っており、その中には、本質を突いたものもあれば、嘘の情報もあります。
そこで、この記事では、改めてAIの概念を書いていこうと思います。
AIの進化に過剰に反応せず、適切に対応していくには、AIの基礎論理を知ることが大切です。
ここでは一般的に流用しているAIの仕組みを、ざっくりと書いていこうと思います。

AIの定義

まず、AIとは何かを定義します。
簡単に言えば、AIとは、「大量のデータ分析に基づいて、人間と同じように振る舞おうとしている機械」です。
そもそも、AIを動かしているものは大量のデータです。
AIとは何かを一言で表すと、「大量のデータから法則性を導き、同じ属性の未知の問題に対して最適だと思われる解を与える」ものです。
具体的に、画像認識を考えてみましょう。
AIに犬の写真を認識させたいとします。
このとき、まずはデータが必要になるため、大量の犬の写真を用意します。次に、AIマシンの中に、その犬の写真の中に特徴量と呼ばれる数値を与え、それを何枚も学習させます。
するとAIはその中からおおまかな法則性を導き、次に犬の写真が来たときに、高い確率で犬と答えられるようになります。
つまり、大量のデータから導いた法則性を、次から次へと流れてくる写真に当てはめていき、ほぼ当てはまったものに対して「犬」と答えます。
これが、AIの本質です。

AIの仕組み

では、そのAIを動かす仕組みは何でしょうか。
主に2つの流派があり、古典的な手法機械学習です。
古典的な手法とは、知能獲得のためには学習ではなく理的な連鎖で十分であるという記号論的な考えです。
つまり、あらかじめ人間が機械に細かなルールを与え、機械はそれ通りに動いていくモデルです。
これは、全て人間がルールを機械に記述していく手法ですが、全てのルールを人手で記述することが困難であることが分かり、現在は機械学習に主流を奪われました。
では、機械学習とは何かというと、物事の特徴を機械が自分で学習するシステムです。
学習させたいデータの特徴量は人間の手で決める必要があります。
そして、その中でやり方3つあり、教師あり学習、教師なし学習、強化学習です。
教師あり学習とは、あらかじめ正解を何枚か与えて学習させるシステムです。
教師なし学習とは、その逆で、正解を与えずに特徴量だけでAIソフト自身が分類を試みる学習スタイルです。
強化学習は。ある特定のタスクに対して、報酬と罰を与えることによって、それに特化した学習を行うものです。
そして、機械学習の中に、ディープラーニングがあります
これは、ニューラルネットワークと呼ばれるネットワークを利用して学習するスタイルです。
ニューラルネットワークとは、人間の脳の神経経路を模倣したもので、人間も機械も分解すれば0と1の信号で出来ているとする機械論的な考えから生まれたものであります。
そしてディープラーニングとは、このニューラルネットワークを何層も重ねることにより、人が特徴量を記入しなくても、AI自らデータの法則性を学習するものです。
近年のAIの急成長を支えたシステムがディープラーニングであり、この技術が発展することで、社会に対して大きなインパクトを与えることになるであろうと言われています。

AIの種類

では、AIの技術の本質が分かったところで、AIにはどのような種類が存在するのかをまとめていきます。
AIの種類の分け方として、大きく3つの方法があります。

1つ目は、専門性と汎用性の分類です。
よく言われるものとして、特化型AI汎用AIがあります。
特化型AIとは、専門性を意味し、ある特定のタスクはこなせるが、それ以外のタスクに関しては全くこなすことが出来ないものをいいます。
例えば、囲碁のAIソフトは、囲碁でチャンピオンを倒すことが出来ても将棋では素人にすら負けるというものです。
現在のAIはこちらに属しており、企業で実装されているAIは全て特化型AIです。
一方、あらゆるタスクをこなすことが出来るAIを汎用AIといいます。
文字の通り、この場合は、囲碁でも将棋でもそれぞれのチャンピオンを負かすことが出来るというものです。
現在の研究では、後者の開発に莫大な資金が費やされており、これが現実に可能になれば、様々な仕事の在り方が変わることは想像に難くありません。

AIの別の分け方として、強いAI弱いAIという分け方があります。
特化型と汎用型の分け方が、専門分野に特化するかすべての物事をやれるようにするかの違いだったのに対し、この分け方では、人間を模倣する努力をするかしないかで分けられます。
つまり、人間のように意識をもって物事を実行するAIを強いAI、そうではなくて、あくまで意識なくタスクを実行するAIを弱いAIといいます。
特化型AIと汎用型AIの違いが「何ができるAIなのか?」であったのに対し、強いAIと弱いAIの違いは「人間に似ているか?」です。

そして最後に、専門分野で分ける方法があり、大きく4つに分けることが出来ます。
それは、画像AI音声AI言語AIゲームAIです。
画像AIとは、画像認識を専門にするAIで、画像や映像の中で特定の対象物を見つけ出すことを得意とします。
これは警備会社などで実装されており、AIの最も得意とする分野です。
音声AIとは、人間の音声をAIが分析し、それにふさわしい応答を返すものです。
例としてはアレクサやペッパーなど、人間の発話をもとに、その内容を分析して、適切な答えを返すものです。
言語AIとは、人間が書いた文章を分析し、タスクに応じて答えを出すAIです。
今話題のChatGPTはこの技術を応用されたものであり、自然言語処理という技術が深く関わっています。
最後のゲームAIとは、ある条件のもとで、相手に勝つことを最優先としたAIで、具体例としては囲碁や将棋があります。
どのAIもデータを分析するという基本操作は変わりませんが、アウトプットが状況に応じて異なるものです。

すべてのAIに共通する能力

ここでは、あらゆるAIに共通する能力についてみていきます。
AIが人間に勝ると言っても、何がどれくらい勝るのかが曖昧であるのが現状でです。
下の図で表す通り、AIはコンピュータが基礎になっており、そのコンピュータはアナログ機械が基礎になっています。
AIは、アナログ機械とコンピュータが持つ能力に加えて、AI独自の能力を持っています。

機械の特徴を表すベン図

アナログ機械が得意とするものはルーチンワークです。
ルーチンワークとは、スタンプを押す、紙を切るといった、いわゆる知性を必要としない作業のことです。
これは昔の第1次産業革命のときから、人々の仕事で使われるようになってきました。
コンピュータが得意とするものは、記憶と計算です。
アナログ機械がルーチンワークだけだったのに対し、コンピュータはそれに加えて膨大な記憶と瞬時の計算ができます。
そしてAIは、それら3つの能力に加えて、分析、予測の2つを加えたものです。
分析とは、大量のデータから法則性を導き出すものです。
AIはデータがないと機能しないので、大量にデータを与えることによって、そこから共通点を導き出し、与えられたデータが何であるのか、どこに特性があるのかを把握します。
そして予測では、その分析したものを基に、未知のタスクに最適な解を与えます。
この予測が、画像AIの時は画像生成になったり、言語AIの時は雑談として呼ばれたりします。
つまり、名前はバラバラですが、やっている行為は分析と予測の2つのみなのです。

ちなみに、AIは思考という作業、つまり考えるということを行っていません。
あくまで、与えられたデータを無機質なままに分析し、そこで見つけた共通点を「機械的に」様々な形でアウトプットしているだけです。
そのため、例えばチャットボットが気の利く返信をしても、それはAI自らが返したものではなく、あくまでデータを分析して確率的に考えてもっともらしい返信をしたに過ぎません。
今日の過剰なAIに関する報道から、「AIが意識をもって思考している」という誤った認識をしているものが多くみられますが、AIの本質を考えるとそのようなことはあり得ません。

さいごに

これが、現在のAIを構成する基礎理論です。
もちろん、これはざっくりとしたもので、本当はもっと複雑です。
しかし、これらはAIを理解するうえで、一番本質的な考えです。
しっかりと基礎を理解したうえで、AIソフトの活用や対応を考えていきましょう。

私の記事は、主に技術の進化や産業革命、AIの進化、人類の未来など、IT系の人間が暇つぶしに考えていそうなことをまとめていきます。
極力、エビデンスをもとに話しますが、一方で、完全に空想の世界を書くことがあるかもしれません。
技術や人類といったテーマに興味がある方は、ぜひフォローをよろしくお願いします。

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