見出し画像

ソムタムタイの話

私はソムタムタイが好きだ。ソムタムタイはタイ料理で、青パパイヤのスライスをベースにナッツ、エビなどを混ぜたすっぱ辛い和え物とでも言いましょうか。

で、なんでこれが好きになったのかっていうのを思い返せば、出会いがまた変なところで出会っていた。

時は1997年、場所は韓国・ソウル。当時私はソウルに留学間もないころで、語学堂という韓国語の学習施設で韓国語を学んでいた。

学んでいたということは韓国語のコミュニケーションもおぼつかない状態。

さらに今とは違ってインターネットの黎明期で、スマホもなければ、パソコンも図書館で触れる程度。ケータイ電話はなく、ポケベル全盛期だった。

そんな環境で、語学堂に通っていたいろんな国の人と友達になったのだが、その中にタイ人の友達もできた。

ある日、このタイ人の友達が、「私の(タイ人)の先生がいるので、その人の家に遊びに行こう」というのだ。

断る理由もないのでついていくと、タイから韓国語教育者養成の研究生のような形で韓国にいたタイ人の女性宅に招かれた。

ネットで気軽に翻訳できる時代ではないので、おぼつかない韓国語が最も通じるコミュニケーション手段という今となっては信じられない環境で時間を過ごしていたのだが、そこで彼女が出してくれたタイ料理がこれだった。



写真はタイ料理店のものですが。

当時は調べる手段もないし、写真もケータイで撮れるわけでもなく(写真とはフィルムを現像するのが一般的だったって言ってわかるのは40代~くらいでしょうか?)、「味」だけが記憶に残っていた。とてもおいしく、今まで食べたことのない味だったので、「なんていうかわからん料理だけど、すっぱ辛くておいしいタイ料理」と記憶されていた。

それから15年くらいたって、初めてバンコクに行ったときに偶然出されたのがソムタムタイ。食べた瞬間「あっ!これはあの時食べたあれだ!!」と周囲の人が不思議に思うくらいの大興奮状態。料理の名前から材料などあれやこれや情報をもらって、ようやく15年の空白が埋まった瞬間だった。

それからというものタイ料理を食べるときは無条件で注文するようになっている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?