歩きかたのクセが強いのか、いつも靴のかかとが外側からすり減っていく。 スニーカーを履いていても同じだけど、とくに革靴は減りが早い。 安物なので、かかとが削れると中からプラスチックの部分が露出する。 雨の日はつるんと滑りやすくなって、非常にあぶない。 新しく靴を買い、かかとを削りながら外を歩くことは、今まだできない。 30過ぎたいい大人の持ち物にしてはかっこ悪いけど、玄関に並ぶ靴たちの かかとを見ると、自由にかかとを鳴らせる日々が早く来いと思う。
今回もいっぱい悩みました。そのうえで選んだ2作品を紹介します。 〇日野光里さんの「手紙」「物書きになっているか?」「ずっと同じものを好きでいるか?」 子どもの頃の自分に、ちゃんと夢を実現させているよと答えられているのが うらやましいと思いました。 小学校の時の私、大人になってもパン屋にはならなかったよ… 〇米光一成さんの「手紙」主催者、かつ先生の作品を紹介するのはアリなのか、と思ったが 日野さんの作品とともに響きました。夢に通ずるテーマだからか。 今がんばれていない、でき
前職で、始業15分前から顧客への手紙を書く全社員参加の業務があった。(学校みたい) A4便せん2枚にテンプレの文章を写すだけでも15分以上かかるのに、私は1時間弱かかっていた。効率は悪いけど、送る相手に合った内容をそのつど考えた方が、反応がいい気がしていた。 そもそも業務として手紙を書くことが少し変なのだろうけど、世の中には フォーマットが固まりきった文面や手紙が多いと感じる。 自分の手を使って紙に書くのなら、コピー&ペーストではつまらない。
優柔不断で選びきれなかったので、今回は3つになりました。 ①柳澤亜美さんの「部屋」現実か夢か。自分とまわりの空間の境界がどこにあるのか。あいまいになってしまうような感覚をおぼえました。こういうショートストーリーを書きたい。 ②わたなべひろみさんの「部屋」「自分の部屋が安全な場所とは限らない」って考えると、すごい怖い。 というか、この世に絶対安全なんてないってことを思い出しました。 ③ezoryさんの「部屋」私も、家に出たクモやヤモリは大事にするタイプです。飛ぶ虫やGを駆
ある日、部屋の中に穴があいていた。大きさはお盆くらいの穴。 初めて見たときは壁で、時にフローリングや机にも穴があいていた。 この穴はのぞくたび見える風景が違う。真っ黒で何も見えないこともあれば、誰かの顔があらわれ会話することもあった。見たことのない物語や遊びにも触れられた。朝目覚めれば穴の前に食べものと水が置いてあるので、食事の心配もいらない。 最後に部屋を出たのはいつだったか、もう思い出せない。 この穴が、私の暮らしのすべてを埋めてくれる。
〇愛月(ラブムー)さんの「遅刻」 学生時代、まわりの女子のひと言がきっかけになって 無駄にがんばれるようになることってあるなぁ、と思いました。 リエットさんみたいな先輩とのひと時が1ミリもなかったので、 よりあこがれる。 〇深川岳志さんの「遅刻」2最後の親子のかけ合いが好き。この部分だけでももう、楽しそう。 普段から仲が良いんだろうなーとうらやましくなりました。 エッセイでなければならない、という縛りはないはずなのに、 自分はなんだかネタ系エッセイになりがち。次はフィクシ
前職場にいた頃。電車では始業に間に合わない時、近所の駅でタクシーをよく拾っていた。片道で2,000円弱かかるが、家賃光熱費と夕飯、たばこにソシャゲくらいしかお金の使い道はなかったので、遠慮はなかった。慣れたドライバーは、行き先を言わずとも会社近くまで運んでくれる。 家族のために出稼ぎにやってきた沖縄の人、競馬の3連単で1000万の配当を取ったことがある人など、タクシーの台数だけ人生があった。それがわかっただけでも、高い出費ではなかったと思う。
父がずっと音楽関係の仕事をしていて、幼少期から音楽ライブに家族で行くことが珍しくなかった。覚えているのはエリック・クラプトン、GLAY、ウルフルズなど。 ライブはたいてい夜なので、いつも眠かった。がんばってステージを見ようと思っても、観客が皆立っていて何も見えない。いじけた私は会場の座席で、時には楽屋で寝ながらライブの終わりを待っていた。 大人になって、好きな音楽とアーティストが増えていくたびに「もったいないことしてたな」と思う。
〇桔梗屋【三浦 英崇】さんの「コレクション」 家を破壊しかけるほど本を集める人は本当にいたんだ…と思った。 天井が抜ける前に対処できたようでよかった。 〇日野光里さんの「コレクション」 うんこの投稿おもしろかった!読んでいるとうんこの3文字が別のものに見えてきた。宝石鑑定士のように、手袋をつけてピンセットでうんこを拾う日野さんの姿を想像してしまった。(そんな描写はありません) 気軽に投稿できて、気軽に他の人の文章を読める。 「短文バトル」続けてがんばっていきたい。
中学2年から大学卒業まで録りだめた、TBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」MD120枚が捨てられない。太田さん・田中さんのトーク、おもしろかった投稿、読まれた自分のメールを毎回切り出し、保存している。 社会人になってradikoやレコーダー付ラジオが登場し、忙しくても毎週放送を聞き逃す心配はなくなった。でも、何度も聴き直すこともしなくなった。 時間にゆとりがないと、自分は何かを愛し続けられないのか。なんだか認めたくなくて、今日もMDを再生している。
まずはじめに、おすすめ投稿締め切りすぎてごめんなさい… 皆さんの投稿のなかから、2つ選定しました。 〇ezoryさんの「徹夜」 昔のチャット、掲示板。今ではソシャゲでのネット交流の思い出がとても共感できた。本当に中身がないやり取りなんだけど、ネットの知り合いだからこそ話せる内容や楽しみって、あると思う。 〇与儀さんの「徹夜」 音の表現が独特、「へぶへぶう」って音は自分には聞けないと思った。 感覚が研ぎすまされて普段気にかけない音も気になってしまう、寝たいのに眠れない夜
大学3年生の時、論文を徹夜して書いた。 当時、充電やネット環境が整い、夜騒いでもOKな場所がなかった。 4人の男女が選んだ作業場は、渋谷のラブホテルだった。 2部屋を借り、1部屋を作業場、もう1部屋を仮眠室にする。 ベッドの上で資料を読みあい、一台しかないノートPCで書き進める。 提出は翌朝だ。ひとり、またひとり寝落ちしていく中で、 最後まで書き上げた。 この時書いた論文が、のちに学内の懸賞論文に入賞する。 それがラブホテル生まれの論文とは誰も知らずに…。
幼稚園の時、一度盗みをはたらいたことがある。 母親のサイフからこっそり小銭を抜いて、自分のサイフにしまう。 ちょうど当時は、初めて自分用のサイフが与えられて嬉しかったころ。 家事を手伝うともらえるお駄賃を大事に貯めてみたら、と与えられたのは 『セサミストリート』の絵が入った透明な丸ポーチだった。 とはいえ幼稚園生なので、自分でおもちゃやお菓子代を払うことはない。 なぜ小銭を盗ったかというと、自分のポーチがお金でいっぱいにできて ただただ嬉しかったから、だけだ。お金持ちにな
〇転職市場でも目立つ「労働時間削減」の取り組み 今月、東京国際フォーラムで開催された『マイナビ転職』イベントへ行った。120社以上の企業ブースを眺めていると、残業時間や休暇取得についての説明がやたらと目に入ってきた。 「月残業30時間内」「年間休日120日以上」「5日以上連続休暇取得可」などの表記を見るたび、私が以前勤めていた職場とのギャップに驚く。 いくつかブース担当者の話を聞いてみても、新卒・既卒に関わらず求職者の「働く時間」へのこだわりは高まっているという。 長時
かつての職場の後輩が、転職先で遅くまで働いていると聞いた。 もともとの職場ではともに朝まで作業をすることも少なくなかったが、 まさか転職した後も同じような働き方になるとは。 なぜ今も働きすぎてしまうのかを知りたくて、会って話を聞いてみた。 〇初めてだらけで、ハードワークに今回話を聞いたのは28歳の女性。将来「地方創生」に関わるため、 WEB・SNSを用いたPRやマーケティングを学べる環境に移りたい、 というのが転職の動機だった。 いまの会社に入ったのは1年ほど前だが、最初
無職になり二か月が経つ。仕事を辞めて、一日のたばこ量が倍になった。 在職中は一時間に一本の(それでも多いけど)のペースだった。 家にいる時間が増えた今は、とめどなく吸ってしまう。 今は別に納品と時間に追われていない。職場の人間関係のストレスもないのに、なぜたばこが増える一方なのか?ある時思いついた。 「自分は沼にハマりやすい、依存しやすいタチなんじゃ?」 このnoteでは「仕事中毒」と呼ばれるワーカホリックを、個人の嗜癖という視点から考えてみる。 〇そもそも「沼にハマる