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マーケティングや営業で「数字の理解に強く」なる方法

おはようございます。
カイロスマーケティングで代表を務めております、佐宗(さそう|@dsasoon)と申します。

マーケティングや営業に関わる仕事をしているなら、数字の確認は日常の業務でしょう。数字を確認することが仕事の正しい判断につながり、そして次の一手を打つことになります。正確な判断と次の戦略・戦術を立てるためには、これが不可欠です。

事業にはPDCAが欠かせません。立てた計画(P)を実行(D)して、実行の結果を確認(C)して、そして改善のための道筋を立てる(A)、という単純な流れではあるものの、これを確実に繰り返すことで、着実に事業が成長することがわかっています。


どんな数字でもグラフにする習慣が重要

数字だけを見ても、よく理解できない生き物が人間です。いや、コンピューターでもないかぎり数字だけを見て、事業の意思決定をできることはごく稀です。

例えば、年次の売上の報告では、このようなレポートになります。

「先月に比べて、12万円ほどの売上増になりました」という報告が添えられることがあります。

毎月の売上が箇条書きではなく、Excelできれいにまとまっている点は評価できます。表でまとまっている売上の情報ですが、ここからビジネスのヒントとなるような情報はすぐにはつかめません。したがって、マーケティングや営業の現場の報告としては物足りないことになります。

仕事における数字(データ)は必ずグラフで視覚化するべきです。

グラフにすることは面倒ですが、報告の手を抜いてはいけません。報告は自分自身のためではなく、上司や同僚の理解を深め、ビジネスを推進するために行うものです。

さて、先ほどの数字をグラフにしてみました。

細かいことを言うと、これでもグラフの表現には改善の余地がありますが、表にまとめた数字の売り上げよりも傾向が見えてきたと思います。

マーケティングや営業の仕事では、変化や傾向を見つけて、それに対処することが重要です。変化や傾向を捉えるためには、数字をデータとして視覚化すること不可欠です。


グラフはどの程度の範囲を見るべきか?

ビジネスには季節変動がともないます。売上が季節によって変動するような事業なら季節変動が大きくなります。それ以外の事業でもある程度の季節変動が存在します。例えば、2月は営業日が少なく、8月や年末年始には長期休暇があります。

マーケティングや営業という仕事では、変化や傾向を捉えるために、主たる要因ではない「ノイズ」を取り除いて本質を見極めることが重要です。季節変動もそのようなノイズの1つの要素です。

そのため、マーケティングや営業のデータを分析するときには、12ヶ月以上のデータ範囲を確認することが推奨されます。これにより、季節変動の傾向を理解することができます。また、前年同月との比較のために、13ヶ月以上のデータ範囲を確認することも重要です。

1年間のデータを見ても、報告においては季節変動についての説明が欠かせません。「毎年12月は営業日が少ないので、その分は季節変動として認められますが、先月に比べて12万円ほどの売上増になりました。」といった説明をすることでしょう。

しかし、「季節変動の要素はどの程度あるのか?」と言う疑問に対する明確な答えはすぐには見つかりません。

ここで、より長期的な傾向を把握するために、24ヶ月分をグラフにしてみました。

上のグラフを見た率直な感想は「なんとなく横ばい」と言うことに異論はないかと思います。

このデータは当方が「適当に捏造」したものですので、季節変動など見えてくるわけもないのですが…


移動平均というマジックを使う

より具体的な傾向を見るために、「移動平均」を使います。

移動平均とは、時間と共に変化するデータに対して、特定期間のデータを平均した値のことを指します。データには、長期的な傾向と短期的な傾向(変動)の2種類があり、短期的な変動は曜日や営業日数、季節や月末月初などの要因があります

移動平均を用いることで、これらの短期的な変動による影響を最小限にして、より長期的な傾向を明確にとらえることができます。

季節変動はおよそ1年周期になります。したがって、12ヶ月の移動平均を用いることで、データの変化や傾向をよりかんたんに理解できるようになります。

先に示したグラフに12ヶ月平均を折れ線グラフとして追加してみました。

その結果、右肩下がりの傾向が明確になりました。

毎月の報告で、「今月は〇〇の影響で、前月から比べて…」などと説明していたのではないでしょうか?毎月、ちょっとだけ都合の良い説明を加えることで、うまく説明の場を立ち回っていたかもしれません。

しかし、このように12ヶ月の移動平均を使ったグラフを見ることで、明らかな減少傾向が視覚化されました。

営業やマーケターとして、今すぐにでも、この減少傾向に歯止めをかけなくてはなりません。


さいごに

数字の視覚化と、12ヶ月の移動平均は、仕事で数字を理解する上ではとても重要です。とにかくビジネスとは、その変化や傾向を見つけて、それにうまく対処することにすぎません。

さて、今回の内容も当方のメルマガでご共有させていただいたものを再編集しました。当方のメルマガは、以下から登録が可能です。


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