胸熱 音楽鑑賞 day59
5/11 (Sat.)
#66日ライラン day59
ゴールデンウィークの最終日、私たち家族は、中学生の吹奏楽部合同演奏を聴くために、隣市の音楽ホールへと向かった。
夫の勤務校の吹奏楽部、夫は顧問ではないが、普段からまじめに頑張っているという、二人しかいない三年生の部員が、その演奏に参加すると言うのを観に来た。
演奏会場は、玄関ロビー外のオープンスペース。すぐ横が商業施設ということもあって、演奏エリアをぐるっと大勢のお客さんが囲んでいる。
保護者はもちろん、私服姿の同級生らしき子たちもいっぱい。
連休最後の日が本番ということは、部員たちはそれまでの祝日も週末ももれなく練習や準備に費やしてきたのだろう(そして顧問も)、その晴れ姿を、学校以外のところに駆けつけて見届けてくれる知り合いや友だちがいるって、どれだけ嬉しく心強いことか。
最初は、ユーミンセレクション。
『春よ、来い』『優しさに包まれたなら』『ルージュの伝言』‥名曲が続く。有名な旋律が新鮮な響きで流れていく。
魔女の宅急便で「なんか聞いたことある」と言っていた長男が、曲が変わって「これは知らん」と私の顔を見る。『真夏の夜の夢』だった。そりゃ知らんよね。ドロドロしたやつよ。それにしてもユーミンってすごいなぁ。
しかし長男は飽きっぽい。タイパに馴染んだ令和の小学生、いや、次男は比較的集中して鑑賞できるからこれは個人の資質の問題なのだろう、せっかくの生の演奏、一度しかない本番なのに、少しでも知らなかったり興味が薄れると途端に落ち着きがなくなる。
夫が一生懸命鑑賞しているのに、隣で静かに聴こうとしている次男にちょっかいを出し始める。ほんとに。腹が立つ。
ユーミンメドレーが終わった。
「終わった?もう帰る?」帰らん!まだあるから!
演奏メンバーが入れ替わる。合同演奏なので、他の学校の部員たちが位置について次の曲を始める。
千と千尋メドレーだった。これまた名曲揃い。どこを切り取っても美しくて、楽しくって、そして切ない。久石譲の音楽は日本人のDNAに組み込まれてる気がする。
『ボイラー虫』が流れてくると長男が膝をたたいてリズムを取り出した。目の前にいた、全然知らないちっちゃい男の子も、お父さんの周りをぐるぐる回って踊り出した。ホッとした。
再び、演奏形態が入れ替わる。
プログラム最後なので、社会人(OB)も加わっての演奏になるらしい。
「長男、次が、パパが見に来た中学生のお姉ちゃんたちの、演奏するやつ。今日はこれで最後やから。そこまでは絶対見よ。絶対、長男の好きなやつやから!」
そう、その曲は、ゲーム好きな長男なら間違いなく大好き、お気に入りかつ名曲。
『英雄の証』だった。
前奏からワクワクする‥
ろくにゲームをプレイしていなくても、ここから、何かとんでもなく熱いことが始まる予感がする。
まずタイトル。
「英雄」にほど遠い自分でも、胸を張って何かに立ち向かってやろうという気がしてくる。
そして「証」である。性別も、使う武器も、闘う戦場も様々だけれど、誰が英雄なのか、何が英雄を証明するのか、それは自分で掴み取っていくしかない。
音色が変わる。英雄も常に戦いに勝ち続けるわけではない。目の前で何度モンスターに敗れ、担架で運ばれていったか‥(注・ゲームの話)。
曲の中程で、メロディが長調に変わる。この、ふと訪れる心の平安がいいんだろうなぁ。英気を養い、準備を整えて、英雄たちは再び熱い闘いの場へと戻っていくのである。
私たちも、いざ、ゆかん!
#なんのはなしですか ?
音楽の話ですよ!
演奏している人たちは、かっこよかった。
中学生も、社会人も、指揮してる先生も。
あなたたちは英雄だ。
長男も、踊りながら帰ってきた。そして、帰って早速「モンスターハンター」のソフトを手に取った。
きみも英雄だね。
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