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春は成長の季節だから【再掲】


今回は、ちょうど一年前(の明日)上げた記事の再掲になる。
この時、まだnoteに記事を書くのは2本目だった。
1本目は、書いてネット上に載せるのにおそろしく時間がかかったのに比べ、この記事は自分でもびっくりするくらいスラスラと、書きたいことが浮かんできたことを覚えている。
自分の中で、noteというプラットフォームがパチリとはまった瞬間だったかも知れない。

以下、ほぼ修正なしで、載せてみる。



今日は小学校の修了式だった。

今週に入ってからは、さすがにドリルなどの宿題もなく、うきうきとゲームをしていた長男。
三学期も残り1日となって、さすがにこのまま次の日を迎えるのか、一年間お世話になった先生に何もなし?と聞いてみた。
すると、んー、手紙書こうと思うから、何か紙ちょうだい。と言い出した。

しまった。このまま何も聞かず待っておいたら良かった。
そしたら、彼の方から「手紙書きたいから便箋ちょうだい」と言ってきたかも知れないのに。


私は、こういうところがいつも先回りし過ぎてしまう。子どもの自主性が大事だ、と頭では分かっているのに。
ともあれ、彼は私のコレクションの中から、桜柄の便箋と封筒を選び出した。
下書きするから要らない紙もちょうだい、と言う。毎週の作文の宿題をあんなにめんどうがっていたのに、下書きから始めるなんて、成長したなぁと感心した。

今まで、幼稚園3年間、小学校は(まだ)2年間といろんな先生にお世話になったけれども、皆それぞれに素敵な先生だった。
中でも今年長男の担任をしてくれた先生(A先生とする)は、本当にいい先生だった。
毎日のように学級通信を出して、子どもたちの活動の様子や、学習の取り組みが分かるようにしてくれる。子どもたちの発言やノートも紹介してくれて、自分のを見つけるたびに親子して喜んだり、クラスメイトについて教えてもらったり。
また、懇談や参観の雰囲気を見ても、いつも包容力があって、子どもたちを見守りながら導いてくれる様子が伝わってきた。

長男の通う学校は毎年クラス替えがあり、担任陣も代わるようなので、来年見てもらえないのは残念だけど、またぜひ次男の時も担任をもってもらいたい、そう思わせてくれる人だった。

一気に下書きをして、その勢いで、桜の便箋に手を伸ばす長男。
待て待て、ゆっくり丁寧に書いて!と慌ててまた口を出してしまう私。さすがに内容にまで口を出すのはガマンする。

最後に名前を書いて、封筒にもう一度先生の名前と、裏に自分の名前を書く。



手紙を書きたい、書かなくちゃって思う気持ちは、人生で一体何回あるだろう。
これを逃したら伝えられないかも知れない、精一杯の今の気持ちを、紙にしたためる。

可愛いシールで封をして、ランドセルに一番先に詰める息子。あっ、そんな入れ方じゃぐちゃぐちゃになる!とまた手を出してしまう私。

‥4月からは、まず私が成長しなくちゃいけないのかも知れない。子どもの力を信じられるように。

11時55分。長男が帰ってきた。

ただいまの声にちょっと力がない。
お帰り、お腹空いたよねー、と声をかけると、彼は目をこすって、今日はさー、2年1組が最後やったからさー、何か泣いてる子とかもおって。と言って洗面所に入っていく。
静かに手を洗うとそのまま部屋へ向かい、顔を隠すようにして漫画を読んでいる。

そっか、素敵なクラスやったんやな。
卒業式じゃないのに、そんなに寂しくなるくらい、いい一年だったんだね。と言うと、そやな、と言った後「最後に、みなさんさようならって言う時、誰かがせーのって言って、皆で、A先生、ありがとう!って言った。」と、少し嬉しそうに付け足した。

そんなこともクラスの誰かが考えて、皆でこっそり打ち合わせたんだなぁ。8歳、すごいなぁ。
自分の時はどうだったっけ‥。


最近じゃ少しずつ言うことが大人っぽくなって、生意気になってきて‥前の方が可愛かったのに!なんて思ったりして、ごめんね、長男。

ママもレベルアップすべく、A先生の姿を見習って、がんばります。
春は成長の季節だから。



明日が、今年度最後の登校。来月からは新学年になる。
長男は、今年も便せんちょうだい、って言うかな。
一年経ったが、私は何か成長したのだろうか。

春がきて、少しずつ子どもたちがたくましくなっていくのを実感するたびに、我が身を振り返って思う。


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