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ことの葉 【弥生/短歌】


ライラックキャメルショコラにペールブルー
いろとりどりの夢を背負ひて


真新し駅舎建つ町春の空
重機見つめる幼子乗せて


暖かな雨の日待ちて旅立った
あなたの名前華の字の咲く




ライラックキャメルショコラにペールブルー
いろとりどりの夢を背負ひて

ランドセルは本当にカラフルになった。
子どもたちは、私たち大人よりも柔軟に、「従来通りの」とか、「世間の常識」に囚われないところで育っていけると思う。
男の子の喜ぶオモチャとか、女の子におすすめ絵本とか、そんなくくりをしてるのは、大人の方。
常識 が必要になる場面はもちろんあるのかも知れないが‥
誰のため、何のためかを、忘れずにいたい。
学校ももっとレインボーでいい。
夢を抱いて入学・新級する子どもたちが、差別や偏見で苦しむ場所であってはいけないと、強く思う。

上5文字にライラックが入っているのは、偶然か、もしかしたら無意識下にこの歌杯が浮かんでいたのか‥。


真新し駅舎建つ町春の空
重機見つめる幼子乗せて

数年前まで、次男は、道路で工事が行われているのを見つけるたび(自転車を)停めてくれと頼み、心ゆくまで観察していた。
お気に入りの歌はもちろん「はたらくくるま」「ジューキーズこうじちゅう」。
上の句だけで俳句でも成り立つかな、と思ったけれど、どうしてもあの頃の次男のことを詠み込みたくなった。
なので、幼子を乗せているのは自転車なのだ(車なのか何なのか説明不足だけどこれ以上どう改稿?していいか分からなかった。どなたかアドバイスいただけますか‥!)。
工事中のおじさんからは、「ぼっちゃん、この仕事は辞めとけー、きっついぞー。」との言葉をいただきました。
重機はたらくくるま、めちゃめちゃお金かかるらしい(教えてくれた)。
いまや工事現場を通りかかっても、「ほら!ブルドーザー!かっこいいよ‼︎」なんて一生懸命指差してるのは私だけで、ちょっと寂しい‥。


暖かな雨の日待ちて旅立った
あなたの名前華の字の咲く


この春、叔母を見送った。
その前からしばらく容体を崩していたそうで、病院にいること、面会もきびしい状態であることは聞いていたが、前夜から春の雨の降り出したある日の朝、連絡を受けた。
小柄で、いつも笑顔で、可愛らしい叔母だった。
「ピンクが好きだったから」と、祭壇はピンクや白の花で飾られていた。
春の花いっぱいに囲まれて。
私も、お別れをする時はこうだったらいい。
ご住職が授けてくださった名に華の字があった。



#ライラック短歌  参加します!



⭐︎追記⭐︎
ライラック杯 勝手につる賞 に選んでいただきました!
普段頭が固い私、自由な空気と言っていただいて(多分その自由さは、短歌の世界でまだまだ初心者故だとは思うのですが)嬉しかったです‼︎
人に見ていただくこと、感想をいただけることって、嬉しいものですね‥!


さらに、くーや。さんは短歌からすてきな詩を創作されています🌸
思いがけず、他の方に届いた作品が別の作品のイメージの元になる姿を見せてもらうことができて、とても嬉しいです。


⭐︎追記②⭐︎
勝手におはようつねちゃん短歌賞 に、「真新し〜」の歌を選んでいただきました!
その後駅舎は完成し、私は通勤でそのピッカピカの駅を利用しています。

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