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香港、日常とデモが隣合わせ(3)

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ワンタイシンが一番強烈な光景だった。

地面にはこのような落書き。壁にはビラがびっちりと貼られている。ここは有名なお寺があるものの、いわゆる住宅エリア。こうしたエリアは観光客も比較的少ないためか、警察当局もメッセージやビラの除去の優先順位は、他のエリアと比べて低いのだと思われる。

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不買運動を求めるもの。中国本土資本のマキシムが傘下に持つ日本のブランドも不買の対象に。

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香港市民の生々しい声が聞こえてくる。悲痛な訴え。「腐敗政権」や「有権凍結資産」から、香港政府に対する怒りが感じ取れる。英語でメッセージを書いているのも、世界に訴えているためだろう。

ただ、近年は英語を使える若者が少ないのだそう。一つには中国本土による教育への関与から、英語の授業が減っており、それにより若年層が喋れなくなっているのではないか、との背景もあるとみられる。

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6月26日から今に至るまで、毎日何が起こってきたかを示す時系列ポスターも。でも参加者が亡くなった日のこと、香港政府が逃亡条例法を撤回した日のこと、香港理工大の立て籠りデモの日のこと。。。

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デモ参加者は監禁10年の刑に対し、銃を構える警察はお金をもらえる、と言うのを示しているのだろう。正義なのか?と問いかけており、私の心をえぐったポスターだった。

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この付近で発生したもの。英語と中国語、両方で書かれていることから、香港の人々だけでなく、観光客や世界の人々に伝えようとしている。

あるショッピングモールのトイレに行った時のこと。

個室の扉に

「1月1日、2時で〇〇」

と書かれていた。それに別の人が「もちろん行きます。香港頑張れ」と返答のメッセージ。

一瞬何のことか分からなかったけど、これは元日に行われたデモの日時。

トイレでもこうしたやりとりが行われているのか、と思った。鬼気迫るものを何と無く感じた。SNSやメッセージアプリではなく。見ず知らずの会った事のない人同士がこうして香港の自由のために団結している。

もちろん暴動化し、やりすぎな部分も多く窺えるが、元々は自分たちの香港を守るため、中国本土の強大な力に飲み込まれないようにするため、彼らは戦っていることがまざまざと知ることができた。


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