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2022/10/03 ギフテッドの苦悩 (2)

さて、昨日の続き。ギフテッドの苦悩を書き表すのは非常に難しい。

昨日の最後に書いた例から。3つあるセールス戦略の選択肢から1つを選ぶ会議。ギフテッドはAが成功することが見えている。BとCを選べば損失が出ることが見えている、というもの。

あえて「分かる」ではなく、「見えている」という表現にしたのには意味があった。

正常な人の場合、複雑なことについて判断を求められると、これまでの経験や知識に基づいて理論的に思考を行う。これをしたらどうなるか、次にどうなるか、さらにどんな結果につながっていくか、といったように、順を追って将来を予測していく。かかる時間は人それぞれとはいえ、考えていく過程で将来の結果を「導き出す」または将来が「分かる」ようになる。

ギフテッドの場合は、そもそもこのプロセスがないのだ。論理的な思考を介すことなく、将来の結果が「見えてしまう」のだ。

「見えてしまう」って何だよ?

例えば、スーパーに行って卵を1パック買って帰ってきている途中の自分を想像してほしい。

レジ袋の中には1パックの卵が入っている。帰り道に歩きながら袋をブンブン振り回して歩くだろうか?

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