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あなたはどのフェーズ?欲求から考えるキャリア志向

これまで、1000人以上のキャリア相談に乗り、100人以上の方々の転職支援をしてきました。
様々な業種、様々な職種の方々と話す中で、多くの「転職理由や動機」を聴いてきました。

そしてこの「転職理由や動機」は一定のパターンと段階があると思っています。今回は、このキャリアにおいて求める事が、経験や年齢を通じてどう変わっていくのか?と言ったお話をしていきます。

【自分のキャリアはこれで正しいのか?】【自分は本当はどうしたいのか?】悩んでる方に届き、自己認識が深まるきっかけを与えられると嬉しいです。

⓪前提として

数多くのキャリア相談に乗ってきた中で、転職理由について言葉は違えど、共通してるのは「何かしらの欲求が満たせていない」という事です。

その欲求を分かりやすく可視化してくれてるのが「マズローの五段階欲求」だと思っています。

今回は「マズローの五段階欲求」に合わせて、3フェーズでキャリアにおいて大切にする「志向性」がどのように変わってくるか?と言う話をしていきます。

①自分志向のフェーズ

キャリアの初期段階においては、キャリアの目的は「自分」へと向く傾向があります。

「〇歳までに〇万稼ぎたい」「好きな事を仕事にしたい」「自分の強みを磨きたい」「出来るだけ働かずにお金を稼ぎたい」「ネームバリューのある会社に入りたい」

自分志向のフェーズでよくある転職理由

20代の方との面談の際には上記の様なお話を伺う事が多かったなと思います。上記の文章だけを見ると、少し「利己的」と言う風に見えてしまうかもしれませんね。

しかし、私は逆に20代前半の方との面談で、「こんな社会課題を解決したいんだ!」という「利他」な目的だけを仰る方には少し疑問を持ってしまいます。

なぜなら、利己的な欲求が満たされていない状態で、利他な目的を持てる人は少ないと思うからです。マズローの五段階欲求でも示されている通り、欲求と言うのは段階を経て成長していきます。

その為、利己的な欲求を持つのは当たり前の事なのです。その前提に立ち、「まず自分は何が欲してるのか?」を明確にする事で、自分志向の欲求は満たしていくことが出来、その欲求を満たすことが出来れば、利他的な思考を持つことが出来るのだと思います。

日本人の場合は、安全欲求までは満たせている人がほとんどかと思います。

もし、「自分の居場所を感じられてない」と感じてるようであれば、組織への貢献を意識して行い、「所属と愛の欲求」を満たしてあげてください。

「評価されてない」と感じてるのであれば、上司の方などと評価ポイントと期待値をすり合わせて見て下さい。

このステップを経て、利他の志向である「自己実現欲求」を満たすフェーズへと進んでいくのだと思います。

②ヒト志向のフェーズ

次に、ヒト志向です。これまで相談を受けてきた中で、最も多い転職理由がこれと言っていいでしょう。

「上司と価値観が合わない」「上司から評価されない」「組織カルチャーと合わない=組織が評価する人物像と自分が合ってないから評価されない」

ヒト志向のフェーズで良くある転職理由

つまり、「自分の居心地の良い姿で(自分らしく)評価されたい、承認されたい」と言う気持ちがあるのだと思います。

人は、「どんな人と一緒にいたい」というより「どんな人と一緒にいる時の自分が好き」と言う考えで、環境や人間関係を選択する傾向があると考えています。

その為、「どんな自分でいる時があなたにとって最も居心地が良いのか?」を考える事が重要です。

フリーランスの様に独立して自律的に働きたいという人が、「競争文化」や「チーム文化」が強い会社に入れば息苦しさを感じるでしょう。

フラットな人間関係を希望している人が、「上下関係」の明確な体育会気質の会社に入れば居心地の悪さを感じるでしょう。

顧客との中長期的な関係性を大事にする人が、「売り切り」型の商材を提供するビジネスモデルの会社に入ったら物足りなさを感じるでしょう。

人間関係に一定の距離感が欲しい人が、毎週飲み会に行くような距離感の近い会社に入ったら逃げ出したくもなるでしょう。

ビジョン等はどの会社も崇高なビジョンを提示します。その全てが究極は「人の幸せ」を願ったビジョンなので、この「ワードセンス」等で会社を選択する事は非常に危険です。

会社選択において、あなたがあなたらしくいる為に一番大事な事は、「自分の在りたい姿=Being」を明確に言語化した上で企業選択をする事です。

上記のような観点で自分にとって居心地の良い状態を改めて問い直してみてください。

③社会志向のフェーズ

上記の①と②を自分自身で明確に言語化&理解して満たせて初めて、この「社会志向」に入っていきます。

このフェーズは、利己から利他への変革です。

私の以前のお客様でこんな事例がありました。

元々、自身のキャリア開発や年収UPを重視して仕事をされてきたAさん。自身の強みは「物事の抽象化力、顧客との関係構築力、仕組化力」である。
その強みを活かして、カスタマーサクセスとしてキャリアを築いてきた。しかし、キャリアを築く中で子供が生まれた。
今の仕事は、強みは活かせて、生活も問題ないお金を稼げているが、「本当にこのままでよいのか?」と思う様になってきた。そこで、自分のやりたい事を見つめなおした時に、「子供の未来のために教育を変えたい」という想いが芽生えた。
そこで教育Techの会社を見つけ、転職をする事にした。

Aさんのキャリア志向の変化

この様に、社会志向と言うのは、「自分の身近な原体験から感じた課題」等から芽生える事が多くあります。人が興味を持てたり、自分事化出来るのは、「自分の身近なもの」や「自分が目で見て感じた事」であることが多いです。

このフェーズに来た方には是非、これまで人生で感じた不を問い直して見て欲しいと思います。「子供の頃に感じた不は何か?」「どんな世の中や社会だったら理想か?」などを考えてみると良いでしょう。

④まとめ

いかがだったでしょうか?

今回お伝えした志向性は、「どの段階だったら良い/悪い」と言う話ではありません。ほぼすべての人が欲求の階段を上っていく中で、「自分はどのフェーズにあるのか?」を自分に嘘なく、自己理解をする事がキャリア開発においては最も重要です。

その自己理解に合わせて転職するも良し、転職しないも良し。まずは自分を捉えなおすことから初めて見て下さい。

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