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大手アパレル企業のVFコーポレーションがシュプリームを$2.1Bで買収など:11月にM&A(テック系+$1B以上)を実施した3件について
明日、更新予定だった米国主要VC投資調査noteですが、調達件数が少なかったため来週分に合わせて更新します。
代わりに今月(2020/11/29時点)にM&A(テック系+$1B以上)を実施した14件の中から、個人的に気になった3件について簡単にまとめました。画像が見づらいですが拡大してご覧ください。
※各メディアやリリースからまとめていますが、抜け漏れ等、完璧ではないことを予めご了承ください。また、数字の不備やスペルミスなどあった場合は、Twitter(@daikiqn)までお願い致します。
お知らせ
7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。
米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめています。スタートアップやベンチャーキャピタル、投資家の方などの参考になれば幸いです。
< 11月にM&A(テック系+$1B以上)を実施した14件 >
以下、企業名・買収金額・買収先で記載しています。
・BlackRock $1.05B Aperio
・Nasdaq $2.75B Verafin
・Deutsche Borse $2.28B Institutional Shareholder Services
・Baidu $3.6B JOYY(1/3)
・PNC $11.6B BBVA USA
・Nexi $9.2B Nets
・Kohlberg Kravis Roberts $1.6B Seiyu Group
・VF $2.1B Supreme(2/3)
・Adobe Systems $1.5B Workfront(3/3)
・American Tower $3.5B InSite Wireless
・Coupa Software $1.5B LLamasoft
・Dr.Oetker $1B flaschenpost SE
・Clearlake Capital Group $3B Endurance International Group
・Stonepeak Infrastructure Partners $8.1B Astound
よく見るとテック系か怪しいのもあるのですが、線引きが曖昧ですいませんw
BaiduがライブストリーミングサービスYYを$3.6Bで買収
参照元/URL:https://www.yy.com/
Baiduは11月16日、事業拡大にあたり動画ストリーミングサービスのYYを$3.6Bで買収すると発表。取引は2021年の前半に完了する見込み。
YYを提供しているJoyyは、中国のライブストリーミング業界のパイオニアと見られており400万人以上の有料会員を擁している。
動画市場で大きな存在である、ショートビデオの国内トッププレイヤーとして知られるKuaishouは6月にデイリーアクティブユーザー数が3億人に達し、Douyinは1月に4億人のDAUを突破。
Baiduのメインアプリは9月時点で約2億DAUを記録しており、買収先のYYは第3四半期に月間アクティブユーザーが約4000万人に達しました。
Baiduの創業者でCEOのRobin Li氏は、「YYはBaiduの大量のトラフィックと、モバイルエコシステムの恩恵を受けることができ、Baiduは動画ベースの大規模なソーシャルメディア開発のための運営経験と知識や、クリエイターネットワークを手にすることができます。」と述べた。
大手アパレル企業のVFコーポレーションがシュプリームを$2.1Bで買収
参照元/URL:https://www.supremenewyork.com/
Vans、Timberland、The North Faceを所有するVFが、シュプリームを$2.1Bで買収したと発表しました。
今後4年間で2桁の売上成長が見込まれる500億ドルのストリートファッション市場に参入するための今回の$2.1Bの取引は、3年前のシュプリームの評価額の2倍以上であり、同社の持つブランド価値がどれほどのものであるかを示している。
ルイ・ヴィトンとコラボした2017年には、評価額が10億ドルという史上初の10億ドル規模のストリートウェアブランドに。
シュプリームがルイ・ヴィトンのコラボレーションを発表して以来、他のディオール、バーバリーなどのハイブランドも、ステューシー(Stüssy)やベープ(Bape)といったストリートウェアブランドとコラボしながら、その希少性を武器に若い世代の消費者需要を牽引してきました。
現在、シュプリームは日本に6店舗、アメリカに4店舗、ロンドンとパリに2店舗を展開していますが、今後は店舗数を増やす計画だと、VF Corpの会長兼CEOのSteve Rendle氏は述べています。
Adobeがマーケティング管理ツールを提供するWorkfrontを$1.5Bで買収
参照元/URL:https://www.workfront.com
Adobe(Nasdaq: ADBE)が、2020年11月9日にマーケティング管理ツールを提供するWorkfrontを$1.5Bで買収することで最終合意したことを発表。
Workfrontは2001年に設立され、これまでに3億7500万ドルを調達した未公開企業であり、そのうち2億8000万ドルが2019年に流通市場で調達した資金であったことは注目に値する。
Workfrontは3,000社を超える顧客と、100万人以上のユーザーを抱え、コンテンツの効率的な管理、マーケティングキャンペーンの計画と検証、チーム間でのワークフローの実行など、マーケティング担当者が日々利用しているサービス。
両社の持つ共通の顧客には、Deloitte、Under Armour、Nordstrom、Prudential Financial、T-Mobile、The Home Depotなどが含まれています。
この買収により、Workfrontの960人の従業員はAdobe Experience Cloudの開発事業へ。また、WorkfrontのCEOであるAlex Shootman氏は、AdobeのゼネラルマネージャーのAnil Chakravarthy氏の元で引き続き、同社の運営に当たる。
Adobeはマーケティングオートメーションの分野で、Salesforce、SAP、Oracleとシェア争いをする中で積極的な買収を行なっており、2018年にMagentoに$1.6B(約16億円)、Marketoに$4.75B(約47億5000万円)に続く今回の買収で、2年足らずで3社に$8B(約80億円)という金額を費やしたことに。
これらは全て、Adobeがこの価値の高い分野でシェアの獲得にどれほど真剣であるかを示しています。
以上です。
個人的に今月のM&Aで一番気になったのは、Supremeの件ですね。
「文化的意義を重視するようになってきている」と記載があったのですが、今後はストリートファッションとしての1ブランドではなく、ストリートファッション=シュプリームという認知・文化的存在へのシフトを意味しているのかなと感じました。
あ、でも、そうなるとすでに傘下にある、VansやTimberland、The North Faceは何ぞ??となってしまうので、文脈の読み違いですねこれは…。
売却にあたり、他ブランドとコラボして企業価値を上げることよりも、大手の傘下として純粋に利益を伸ばしていくということでしょうか?
VFコーポレーションの直近5年の推移を見ると、伸び悩んでいるように感じますが、今年に入って暴落したところから、また少しづつ上がってきています。
株価が企業価値の全てを表しているとは思いませんが、市場はどう見ているのか?を知るのに一番役に立つのが株価だと思うので、ここからどうなるか。
アパレル業界の方はこのM&Aをどう捉えているのか聞いてみたいです。
日頃このマガジンをご覧頂いている読者の方は、海外企業のM&Aについても関心があるはずだと思い、今回は趣向を変えて書いてみました。
僕自身とても楽しかったので、不定期でM&Aについても更新できたらなと。
米国主要VC投資調査noteは、来週分にまとめて12月7日月曜日に更新予定です。
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