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神のDB(029)

(029)キュンです萌える展開の開始ですぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n495e1d3666cd

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n8b6772939245

->《2週間後、2011年12月9日金曜日》

人と関わることはとても難しい、とボクは思う。
人の心に気を使って言葉を選んで、
人の仕草に気を使って振舞いを気遣って、
いつも人に「気」を使うのが、正直、辛いと感じる。

どんなに人の仕草や、言葉や、表情を注意深く観察したって、人の心なんて、わからない。
相手がボクのことをどう思っているかなんて、わからない。
そんなことに精神をすり減らすのは、馬鹿らしい。
なんてことをいつも、思っていた。

だからボクはよく、平日に仕事を休み、ひとり自転車で街めぐりをする。
結構楽しい。
ストレス発散。
興味津々。
気を使わなくていい。
などなど。
理由は色々ある。

お昼時のお店めぐりなんて特に魅力アップ。
普段は仕事で触れ合えないお店が営業しているのがいい。
定食屋さんのしょうが焼き定食やら、
てんぷら屋さんの黒天丼やら、
うなぎ屋さんのうな丼やら、
洋食屋さんの煮込みハンバーグやら、
お魚専門店のお刺身てんこ盛り定食やら、
自転車をゆっくり走らせながらホンに魅力的なラインナップに喉を鳴らしまくっている。

夕方はこれまたお店の装いも変って、
呑み屋さんのもつ焼きやら牛スジ煮込みやら、
鰻串屋さんの鰻串やら、
おでん屋さんのいろいろな定番ネタから変りネタまで、
ビールと日本酒(この時期は熱燗だね)もあれば幸せ一杯。

お昼から夜までずっとめぐっていても全然飽きない。
自転車だから何処にだっていける。
ホンに自由気ままに、自分勝手に過ごせる「気」楽な時間。
魅力的、あー魅力的なひとり自転車めぐり。

だから、全然、まったく、これっぽっちも、
『ひとりでなんて、なんて淋しいヤツよね』
寂しくなんて、、、ないやい(・_・、)ホロッ

『ますみさーん、こころがー、傷つくー、「なんて」をー、枕詞として掛けてくれてまでー、強調するのはー、言葉のー、ナイフでー、き・ず・つ・くのーーー』『ウザイムサイ』バキぃ『あうぉ!』
これまた鈍いあっぱーで。。顎に鈍痛がくる・・

『ああ、ダイキ様、大丈夫ですかぁ?ますみさん、少し手加減してくれないとぉ、ダイキ様、痛い痛いですよぉ』
『大丈夫よ、唯。峰打ちだから。』『あ、そうなんですかぁ。それなら安心ですぅ』
いやいや、全然、峰打ちでないよ、普通に痛いよ、ますみさん。
それに、全然、安心でないよ、ダメージあるよ、河合さん。

さて、そんな暴力沙汰がさらりと風の如く過ぎ行くこの場所は、一見、只の喫茶店にしか見えないお店だけど、実はレジスタンス日本支部でもあったりする。
なぜボクがここにいるかというと、あの2週間前の襲撃があってからも、ボクはますみとその仲間であるレジスタンスの皆さんに警護される身であることは変わりなく、警護の一環として一日に一回は必ず、この喫茶店もといレストラン&バー「クエリ」に顔を出す約束をしている。
あれから2週間毎日、欠かさず続けている。
ますみが言うには、「神側の状況を把握するまで」は続ける必要がある、らしい。
まあ、ボクとしては日々の生活に過密的なスケジュールが詰まっているわけでもないので、不都合はないんだけど。。
『あ!? 何、見てるんだぁ、ですかぁ。救世主さまぁ。』
・・今日も睨み&因縁付けされていますなぁ。

なぜかこの子、確か近森君、っていったかなぁ、毎回逢う度にこの状況である。
うーん、何かしたかなぁ。ボク。
えーと、
うーんと、
あーと、
・・・あるなぁ、記憶ある。
確かこの子だよなぁ。朝にボクを追い回していたの。痴漢扱いで。
まあ、毎回、何とかあの手この手使って逃げ切れていたんだけど・・・まさかレジスタンスの人だったとは。

『だめだよぉ~、仁君。ダイキ様にそんなこと言っちゃぁ。何もしてないでしょ~。ダイキ様、すみません。仁君、悪い人じゃないんです。無礼なだけなんですぅ。どうかお許しください』
と、ぺこり(*- -)(*_ _)と頭を深々と下げる女の子、多分、女子高校生の河合 唯さん。
気にしてないよぉ、っていいながら頭をかくボクは思う。
そう、この子もだ。
毎回、朝にぶつかって、あんなムニィなことや、こんなムギュなことしちゃって泣かしてしまった子、である。
あー、
うー、
おー、
・・・すんごい罪悪感、彼女の目が見れない。
この子も、レジスタンスの人なんだよね。
もう、あの時からボクの周りにはレジスタンスの人々がこんなにも、いたんだ。
いや、京耶さん、マスターの言ってたことからすると、もっと以前から、いや、ボクが生まれた時から、この人達はボクを影から護っていてくれてたんだ。
・・今なら、実感できる。

そんな思いにふけっているボクに
『ダイキ、明日の予定は?土曜日だし会社お休みでしょ?どうせ予定ないでしょうけど。』
ナチュラルな全否定の問いかけをしてきたますみ様。
『おいおい、馬鹿にしてもらっちゃぁ、困る』『馬鹿にしているわよ。』『なぁ。。って被せるなや!傷つく暇もないわ!あるよ!予定ぐらい作ればあるわい!!』
ゼェハァゼェハァと息を切らせるボクを怪しむように目を細めてボクを見るますみ。
『で、なにするのよ、ひとりで?』
自然と「独り」と決め付けていやがるのがまた自然と傷つくが・・・ここは無視。
ぼくは少し胸を張って、ますみに言った、いや!言ってやった!

『自転車で街めぐり』

『・・・・・』
沈黙。。。。
。。。。なぜ沈黙。
ますみが、
いや、店全体が音をなくしたような静けさに包まれる。
『ちょっと、ますみさん。』『・・・なによ。』『誤解してません?嘘ついてませんよ、ボク。』『そんなこと言ってないでしょ。だれも』
と、一息置いて。。
『ダイキが自分のありもしない見栄やプライドで、無い筈の予定を無理やりさっきの話題から作ったはいいけど、さらに自分の寂しさを誇示してしまったと後悔して、本当はもっと違う予定を言えばよかった、と思っていても何も思いつかない遊びと雑学の少なさに悩み苦しんでいるなんてことはこれっぽっちも、』
と、またも一息置いて。。
『思ってないわ。』言いながらボクのほうから目を背けるますみさん。
『って!なに一旦、目を逸らしてからそんな哀れみに満ちた瞳、チラチラこっちに向けているんじゃ!あんまりボクを馬鹿にするとその爆乳、もう一回り膨れ上がるぐらい揉みしだいちゃるぞい!!われ』(シュッ!パコーン!)『嫌よ、痛いじゃない』『あぽーん!!』お盆が顔にヒット!!(それも横水平向き)
おお、これは痛い、効く。特に角が目にきたぁぁ・・見えん。目が開けられにゃい。。

カウンターで目を押さえながら、のたうちまわっていると、
『あの!!』声がした。
『それなら、私がお付き合いします。。私、明日、用事ないですからぁ。そのぉ、ダイキ様。自転車の街めぐり、に、付いて行っても、いいですかぁ?』
あー、
あーー、
ああーーーーあ。。
優しさに溺れるー
ボク、溺れて死んでしまう~、うれし涙で。
『うん!!もちろんだよぉ。是非是非~。ボク、案内しちゃいますよ(ニコ)』『あんた、さっきひとりで巡るのが良いって言ってなかった』
ボクは飛びっきりの笑顔で答えた。(無視)

いやいや、しかしながらこんなかわいい女の子とデート、なんてホンにラッキーですなぁ、
なんてことを考えているとは露ほども思っていないだろう河合さんと(ますみからの攻撃には十分な注意を払いつつ)幸せな気持ちで話していていると、
『オレもいく!』
なーんて大音量な野太い声がするんだなぁ、これが。
いつの間にかボクと河合さんの直ぐ横に、これまた仁王立ちしている近森君がいた。
・・・あり?
あー、
まー、
そりゃー、
そー、
だよー、
ねー。

・・・やっぱ、河合さんだけじゃないよねぇー。付き添いの人~。

こんなやり取りで、ボクの休日の予定が決まりましたです、ハイ(--)。


->《2011年12月10日土曜日》

さて、師走の出だしから好調な寒さを惜しげもなく振りまいている冬さんは、
この晴天のすっきりした本日も例外なくきっちりと凍える寒さを振りまいていやがりました今日この頃。

時間は午前11時。

きっちり防寒対応万全な格好であります わたくし、鳴沢大樹はマンションの前にマイ自転車(水色の3段階変速付きママチャリ、使用期間そろそろ10年越し)と共にいた。
そして、
『おはようございますぅ~、ダイキ様。』

と、可愛らしい声と可愛らしい淡いピンク色のコートに身を包んだ河合さんが挨拶しながらこちらに向かってくる。
『お待ちになりましたかぁ?』とこれまた少し眉毛を八の字にした困り顔が溜まんない表情付きで尋ねてくればぁ~『全然、まってないよぉ~』と自然と笑顔で答えるもので、

『ういっす!!救世主様!』
と、ドスの利いた声とドスの利いた革ジャンとジーパンに身を包んだ近森君が挨拶して、
『・・・・』これまた無言の睨み節な顔が溜まらん表情付きでガンつけてくればぁ~『・・・・・』と自然と表情が固まるもので・・・

『もう、仁君!なんでそんな怖い顔してるのぉ?ダイキ様がびっくりしてるよぉ~。もうしわけございません、ダイキ様。仁君、失礼な態度をとってしまって』
ぺこぺこと頭を下げる河合さんとその後ろで「ふん!」と鼻を鳴らす近森君。
・・・・朝からギャップが激しいというか、なんかこの前から気になっているこの感覚・・・あ。

『ね、河合さん。』『はい?』と、謝っている体制から顔を上げる河合さん。
『あのね、お願いがあるんだけど。』『はい?』と、今度は首を傾げる河合さん。(って、なにやってもくぁわいいなぁー、この子!)
『この前から気になっていたんだけど、ボクのこと、ダイキ様って畏まった呼び方、辞めてほしいんだ。そうだなぁ、・・・ダイキでいいよ。』ますみもそう呼んでるし。最初からだけど。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暫くの沈黙。からの、3度目の『はい?』

(がばぁ!!)
とたんに河合さんは体を上げて両手をこちらに向けながら、
『いえいえいえいえいえいえいえいえいえいえ!ダイキ様!めっそうもございません。私ごときのものがそんな呼び捨てなんて!』
慌てた表情で手をバタバタしている。うん、これもかわいい。

『あー、うん、じゃあさぁ、ボクも河合さんって呼び方、辞めるよ。』『え?』
少し驚いた表情をする河合さんを余所に、ボクは少し考える。
『うーん。そうだね。じゃあ、・・・・・唯、さんでいいかな?』『あ、・・・はい。』
河合さん、改め唯さんは少し驚くような、期待してたような表情からちょっと残念そうな表情に変ったけど、すぐ笑顔になった。
『じゃあ、ボクのことも様づけしないでね。』『え!』唯さんはびっくりしたような顔をした。あー、きゃわいいなぁーー。美少女はびっくり顔もかわいい。これ、世の理。
『いえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえいえ!、めっ、めっそうもございません。ダイキ様に対してそんな無礼なこと、わたし、わたしはぁぁぁ・・』
ささっきの2倍慌ててるなぁ。。ん?なんか顔色悪くなって震えてきてるぞい・・。あーこれは~

『大丈夫?唯さん。』
と、ボクは唯さんの頭に手を添えて、少し撫でてあげる。
『あ、・・・・・え。』

『あのね。そんな大げさに考えなくていいんだよ。ボクは唯さんともっと普通に楽しく居られれば良いなぁ、って思っただけなんだ。せっかく今日は、初めて一緒にお出掛けするんだから。だからね。普通の呼び方のほうが気負わなくていいかなぁって。ね。』
唯さんは頬を赤らめ、すこしびっくりしたような表情で上目遣いにボクを見つめている。。。。。。。。。あ、俯いた。
うーん、大丈夫かしらん。
と、思案していると、『ダイキ。。さん』
あれ、なんかかわいらしい小さな声がする。これはぁ。。
『唯さん?』とボクが声を掛けたとたん『ダイキさん!』おお!!唯さんいきなりの顔上げ&大きな声!!
『はいいいいい!!!』思わず返事するボク。うん、ビビリ。
あ、っとした顔をする唯さん。『ご、ごめんさないです!いきなり大きな声だしちゃって。。大丈夫ですか?』心配してくれる唯さん。
眉毛が八の字になっちゃってぇ~、あん、くぁわいいいいーー、これ、世の理。今日、このパターン何回やるんだろう。

でも、『うん、大丈夫だよ。ありがとう。』『いえ、すみません、ダイキさま。』と、あ、っとした表情をしてから『ダイキ。。さん。』と言い直してくれた。
『うん、ありがとう』ボクは自然と笑顔になっていた。

『ダイキさぁんん!!』『うわぁおおお!!!』

横からこれまた鼓膜に刺激する元気ハツラツな声!!!
横には逆八の字の眉毛になってボクを睨みつけている近森君。うおー、迫力あるー。。ヤンキーの世の理~。
『とっとと行きましょうや。ダ・イ・キ・さ・ん』『・・・・・はい。』言うこと聞かんと殴られる、殺される。これ、直感。

そんなこんなで楽しい?お出掛けの開始でーす、ハイ(--)。

前のお話:https://note.com/daikiha/n/n495e1d3666cd

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n8b6772939245

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