見出し画像

神のDB(022)

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nd550f1401ac9

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n0f817cb5c029

->

《半年前:2012年11月26日土曜日、午後4時》
あの夜の次の日の午後、
初老の男性、参謀の高野さんという人から事情を聞かさせたボクは、病室に集まったレジスタンスの幹部メンバーに対して、
これから「救世主」として「神のDB」を破壊し、神からの解放を実現するために、
共に戦う仲間のみんなに無理なお願いを「二つ」した。

『人を殺さないこと』

正確に言えば「極力」という枕詞が付く。

そして、もうひとつは

『ボクの命より自分の命を優先すること』

その時、ますみは少し辛い顔をしていた。でも、直ぐ元の表情に戻って、
「いいわ。それがあなたの、このレジスタンスの「誓い」であるなら、私達レジスタンスは、従います。救世主、あなたに。」
と、ますみは言って、床に跪いた。

するとマスター、京耶さんを筆頭に、その場にいる他のレジスタンスの皆さんも跪いた。そして

『『誓います!』』
そこにいた皆が、誓いを立ててくれた

->現在

《現在:2012年2月4日土曜日、午後2時》
『ふぅ!』
ガキィ!!シュッ!!キィン!カ!ガガッ ガキィ!!!
『うぉ!この!って、』

ボクとますみの剣撃がまじわる。
ボクはますみのスピードに必死に喰らい付く。油断すると見失う早さだ。
そして、剣撃が、早い!あの大きなソードをいとも軽々しく振り回し、使いこなしていた。

ちなみにますみのバカでっかいソード(剣)、実はとてつもない有名な「聖剣」だったそうで。。。

「デュランダル」
刃渡り3mはあろうかという巨大な剣。
フランス叙事詩『ローランの歌』に登場する英雄・ローランが持つ聖剣と伝えられ、「不滅の剣」とも言われている。ローランの主人であるフランス皇帝シャルルマーニュが保有していた「ジョワユーズ」と、アーサー王に仕えし英雄トリスタンが保持していたイギリス王家の宝剣「カーテナ」と同じ素材から生み出された剣と伝えられており、様々な聖遺物が埋め込まれている、などなど、様々な伝承が有り余っている伝説上の創造物なのだが。。。
。。。。。。どういうわけか、実在しているようで。
なんでもますみがもっている「デュランダル」などの「聖剣」を含めた歴史上の「聖武具」は、「神を護る」武具ではなく、神との戦いにおいて「神を滅ぼす」武具として開発されたものらしい。
なので、歴史上の英雄が所持していると伝えられているのは、英雄たちが「神との戦い」に挑んだレジスタンスを含めた様々な人々を題材にしているから、だとか。

そんなこんなで現在、まだ寒さが強い土曜日の午後2時、聖剣「デュランダル」を所持している我らのレジスタンスの第一遊撃隊 筆頭騎士様、

『ダイキ!集中力が甘いわよ!』
祠堂ますみ様は、手加減無しにボクのほうに突っ込んでくる!

瞬間、ボクは「アクセス」する。

フゥン ブゥン  ピ・ピ・ピ・ピ ネットワーク⇒接続⇒起動
ウン-----ン、「ID取得完了」
ウィン「パスワード設定:********」
ピpi「登録完了・・・・OS起動開始・・・・・アプリケーション起動・・・・・・・ネットワークアクセス開始・・・・接続確認」
ウィン「神のDBにアクセスします・・・・・ID、パスワード入力・・・・・・・・・認証終了」






ウィン「マイフォルダ⇒フォルダ「武器系統」⇒フォルダ「刀剣」⇒フォルダ「長剣」⇒プログラム:抜刀術にアクセスします」

ソードを「ポケット」にしまう。
腰を落とす。
タイミングを図る。
ますみとの間合い、1メートル50センチ。

ぶあぁあ!!

全身が。。。。奮い立つ

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!』
ますみを見る、瞬間、ボクは「抜いた」

ウィン「マイフォルダ⇒フォルダ「基礎系統」⇒フォルダ「判断」⇒フォルダ「反射神経」⇒プログラム:見切りにアクセスします」

『だから甘いって言ってるでしょ』

声がする。でも目の前にますみが、いない。
足元に影が出来ている。。。。上!

『はい、一本』
ゴツン!☆

。。。訓練は、午前中から始まり、もう5時間は続いていた。

『ふぅ。うまく「マイフォルダ」を使ってアクセスしているわね。いい反応速度よ。さて、今日はこの辺にしましょう。』
ますみの終了宣言を聞いて、ボクはその場に崩れこむ。
『うひゃぁ~、終わった~、終わった~、ボクはもうたてましゃぇ~ん』
『なに情けないこと言ってるのよ。いい加減、そのヘタレた根性、直しなさい。死ぬわよ。』
っと、情けようもない優しいお言葉を今日も頂く。
う~ん、これでも最初の頃に比べたら結構ついていっていると思うんだけどなぁ。
最初は体力作りからだったし、マラソン20キロ、なんて当たり前のように言われた時は、正直、逃亡計画を頭の中で立ててしまいましたよ。それが最近は当たり前のように20キロ、毎日走っているし。

『うい~、ますみさま~、そんなお優しいお言葉だけでなく、飲み物をくださいませ~』『もう、しょうがないわねぇ、はい、投げるわよ』っと、ますみは近くに設置されているベンチに置いてあったかばんから水筒を出して、こっちに投げてるれる。
『さんきゅう~』
とボクは言うと水筒の蓋を開けて、そのまま飲み口から飲む。爽やかなレモン風味の冷たいお水。いつものますみお手製ドリンクだ。ボクのお気にぃでもあるこのドリンクを、ますみはいつも作って持ってきてくれる。

『ありがたいねぇ~』
と、ボクがいうと少し頬を赤らめているのか、『なに言ってんの、バカ。』っとそっぽ向くますみ。そのまま遊歩道沿いにある芝生のところに行って座った。う~ん、こういう仕草はかわいい。まさにツンデレの貴重な「デレ」シーンだ。

まあ、今年になってから護衛名義だった共同生活も、その必要がなくなった、と判断されて一緒に住むこともなくなったけど。ますみは、レジスタンスの人達の中では一番一緒にいる時間が多い。
あの11月、レジスタンスのメンバーで初めて出逢ったますみ。
神仕に初めて襲撃を受けたあの2011年11月18日の金曜の夜。
それがますみとの初めての出逢い、そして初めて知った「裏の日常」。
全てが変ったその日から、いろいろなことがあった。
不審に思い、
不安に思い、
好意に思い、
恐怖に思い、
否定をし、傷つけて、そして逆に慰めてくれて。

今ではこんな人間不信なボクの一番信用しているレジスタンスのメンバー、いや、仲間だ。


だから、そんなますみからは、やっぱり期待してしまう。
そう!そうそう!そうそうそうそうそう!!
来週はそう!! 愛の告白のあま~い、あまー!い、バレンタインデイ!!!

て・な・わ・け・で。
『そういえばさぁ。』
と、ここでボクが仕掛ける。

『なによ。』
ますみがこちらを向いた瞬間!
『来週は、バレンタインデイ、だね。』
と、満面の笑みを向けながら言う。

『で?』


・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・にゃぁ

たっぷり13行の点線を使ってのボクの深層心理(最後はネコ化で決着)

『うん、まあ、その~・・・・・・・・なんでもない』『そう』

・・・・・・・ヘタレ決定。(チュドーン!玉砕)

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nd550f1401ac9

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n0f817cb5c029

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?