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神のDB(015)

(015)いろいろいろいろいろだぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nf93d22556b0e

後のお話:https://note.com/daikiha/n/na6e9bbf320f1

☆⇒/⇒走⇒+激⇒/⇒帰×


会社が終わった。
会社辞めたい。

朝のこともあり、ボクのテンションは駄々下がりっぱなしではあったけど、どうにか仕事は無事、終了した。
会社辞めたい。

特にその後、上司に呼びつけられることもなかった。上司もいい加減、彼女を相手にしなくなったのか、それともそもそも彼女も上司に言わなくなったのか。
会社辞めたい。

今日もとりわけ会社の同僚から呑みの誘いもなく、帰る。会社には呑み友達はいない。なので、こんな愚痴りたい日は、なんとなくじれったいというか、胸がむかむかする感じがして。。
会社辞めたい。

と、4回ほど心の中で連呼してしまうほどの今日この頃だった・・・・会社辞めたい。

ちなみに、こんな日の週末なんかは、真っ直ぐ家に帰り、家呑みをしてしまい、ご近所のご迷惑にならない周りに聴こえない場所(主にお風呂)で力一杯の大きな声で『会社なんか辞めたるわぁぁああ!世の中全部壊れちまえぇぇぇぇえええ!このぉぼけぇ!!!!』と叫んでしまうなんてことがあったり、なかったり。。で、あったりしちゃうのです、現実は。。。は!は!は!。。。はぁ~ぅううぅぅ。

ま、そんな心の重みはちょっと心の脇に置いといて。(よっこらしょ、重いぃぃ)
しかしまぁ、なんていうか結局、いつもと変らない日常です。
ボクはてっきり、会社までますみが一緒にくるもんだと思っていた。
家を出るとき、ますみにそのことを聞くと
『護衛は何時も通りよ。レジスタンスの仲間があなたを護っているわ。あなたはこれまで通りの生活をすればいいの。ただし、昨日のような神仕の攻撃はあるものという覚悟は持っておいて。』
と、ちょっと脅迫+αな要素を付けてくれて説明してくれた。
うーん、そうなると護衛の人って凄いんだなぁ。
今までの生活はレジスタンスだの、神仕だの知らない状態だったけど、今は事情を知ってしまったボクに全然気付かせないんだから。ボクは今日、会社の中でも、外でも結構周りを気にした。あの人がレジスタンスの人じゃないか、この人がそうじゃないかって、ちょっと人間不信な状態になっていたと思う。まあ、こうして周りを注意してみていると、世の中、色々な人がいるもんだ、と気付かせてくれる。

ずーっと携帯ゲームを立ったまま熱中してやっている三十路の男性やら、
おにぎりをバックから出してなんの躊躇なく食べている20代の女性やら、
ぶつぶつ言いながら電車の中をあっちいったりこっちいったりして時たまわめく50代の男性やら。
ふむふむ、世の中、病んでますな、あはr(^~^*)
そんなこんなで、無事、お家に帰宅。『ただいまぁ~』っと、ドアのチャイムをならしてもまったく反応がなかったので、いつもと同じく鍵を開けて部屋に入るとテーブルに一枚の紙があった。

『ご飯なし。クエリで食べて。変態へ。』


☆⇒/⇒走⇒+激⇒/⇒帰⇒飯

さて、愛のある置手紙をみたボクは、心の声を押し殺すために壁に頭を30回ほどぶつけた後、お腹が空いたこともあり『Restaurant & Bar Celye(レストラン&バー「クエリ」』へ向かった。

カランコロン

ドアを開けると、目の前のカウンター越しにこちらに気が付いたマスターが笑顔で立っていた。
『いらっしゃいませ。おや、大樹様。改めていらっしゃいませ。』
『こんにちは、マスター。』とボクはマスターに挨拶を言いつつ、ドアを閉めて、不意に入り口左側のトイレに目を向けた。すると、
『あれ?マスター。トイレのガラス、どうしたんですか?』
そう、綺麗なステンドグラスが特徴だったお店のトイレのドアに、段ボールだろうか、ステンドグラスがあった部分に上から貼られていた。
『ああ、それはちょっと荷物をキッチンに搬入するときに誤って割ってしまったんですよ。いやいや、なんとも』
と、非常に残念そうに少し苦笑いをしながらマスターが答えた。
『ありゃ、それは残念ですね。凄く綺麗なステンドグラスだったのに。ちょっとショックです。』
『はい、私もです。しかし・・・・まあ、いいです。そのお陰で、っと。』
『うん?そのお陰でって』『いえ、なんでもありません。些細なことですので、と、大樹様。今日は如何致しましたか?』
っと、マスターは話をボクに振ってきた。
『あ、まあ、家に帰ったらますみの置手紙があって。今日はここでご飯を食べろって。』
『そうですか、わかりました、どうぞお掛けくださいませ。』
と、マスターがカウンターに促したので、ボクもそちらの方を向いたその先に先客が居た。そう、見慣れた人が。ボクが勤める会社の、ボクの席の真ん前に座っている、女性が・・・。

『はい?』

なぜ。

まず、その疑問符が頭によぎった。
続いて

なんで?

と、またもや疑問符。そして、

『円谷さん?』
と、ボクはカウンターに座っている女性に声を掛けていた。

『はい。こんばんは。鳴沢君。そこに立っていると店の邪魔になりますから、早く座ったらどうですか?』
と、ボクの会社の同僚、円谷円(つぶらやまどか)さんはボクにそう言った。

混乱。
まず、ボクはこの状態に陥っていた。
なんで、どうして。これまでこの街で彼女にあったことはなかった。なのになんで、今日、それもこの店で。
そんな状態のボクに、不意にマスターがボクに声を掛けた。
『大樹様。私からご説明させていただきますね。彼女は、おっと名前はもう知ってますね。円さんは私たち同様、レジスタンスです。2年前から大樹様の会社に潜入していただき、大樹様の護衛をお願いしております。』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?

な、
なな、
ななななんあああああああああああああああああああああああああああああああ

なんですとぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!

『うそ!って、うそ。ほんとで』『はい、真実です。』『って、被せて答えちゃってますよ!。あうあ、そうなんですか。いや、えっと、はあ、びっくりしました。』
混乱しきっておろおろしているボクを、マスターは微笑みながら、円谷さんはあきれた感じで見ていた。
『鳴沢君。落ち着いて、うるさいです。店の迷惑になります。』『いえいえ、円さん、今は他のお客様がいないですから、存分に慌ててもらいましょう。面白いですし。』
落ち着きはなった言葉と、聞き逃せない言葉をそれぞれ言う円谷さんとマスター。って、この野郎(T_T)。

それからまだ混乱しているボクにマスターが夕ご飯を作ってくれた。
メニューは、大きなハンバーグと目玉焼きに色が黒に近いデミグラソースがたっぷりかかったロコモコに、トマトと玉子のコンソメスープ、そしてレタスを中心に、聖護院ダイコンや聖護院カブに京人参、京くわいやミズナといった京野菜が中心のサラダ。ドレッシングには白味噌をベースにアンチョビが隠し味に入っている白味噌ドレッシングで、とてもコクのあるおいしいサラダになっている。
『大樹様、どうぞ、お召し上がりください。おかわりもありますので、ご遠慮なく。お飲み物はビールでよろしいでしょうか?』『あ、はい。』『かしこまりました。少々お待ちください』
と、マスターはビールグラスを片手にビールを注ぎにいった。
ボクはビールが来るのを待ちながら、横目でふたつ先のカウンターの席に座っている円谷さんをみた。
・・・・・・・・・・気まずい。
いろいろ。いろいろいろ。いろいろいろいろいろいろと、あれやこれやのことがあり、気まずい。
でもって一番気まずいのは『大樹様、どうぞ。』っとマスターがビールをテーブルに置いた。
『ありがとうございます。マスター。』『いえ、冷めないうちに召し上がってください。』
『はい、いただきます。』
と、ボクは色々な思いを振り切るかのように最初にビールを一口、ごくん、ぐび、ぐびぐび、ぐび、
『ぷふぁぁぁ。おいしい。』
それからさっそくロコモコに。
大きなハンバーグをスプーンで切って、下にあるご飯と、周りに添えられている千切ったレタスやスライスされたタマネギ、そして小さく角切りされたトマトと一緒に、デミグラソースと一緒にスプーンですくい、口の中に。
うーん、『おいしい。マスター、このロコモコ、凄くおいしいです!ソースが最高ですね』『はい、ありがとうございます。』
と、マスターが微笑みながらグラスを拭きつつ言った。
パク、パクパク、とロコモコを食べ、その後にサラダのカブをぱくり!うーん、これもうまうま!ドレッシングが合いまくりに、野菜がおいしい。ぱくっ、このクワイは一度蒸しているのか、凄く甘い。なんか体にいい感じがしてくるサラダ。
おいしいなぁ、と思いつつスープをスプーンですくい、ずずうぅぅ。うーん、これまたなんとも言えないおいしさ。
今日のロコモコやサラダに凄くあったスープ。トマトのすっぱさがお口の中をさっぱりにしてくれる。うまうま。

と、ぱくぱく無言で夢中に食べているボクに、
『最近、見せてくれなかった顔、してるわね。鳴沢君』

円谷さんの声に食べる動作が止まる。
スプーンを咥えつつ右の円谷さんを見るボク。そこには、『やっぱり、あなたはそんな顔が似合うわね。』と、少し微笑みを浮かべた円谷さんがいた。

本当に久しぶりにみた、彼女の笑顔。
ボクが、そうボクが告白するきっかけとなったその惹かれる笑顔がそこにあった。
間抜けにもずっと円谷さんの方をただ見ていたボクに対し『鳴沢君。今まで、失礼な態度を取って、ごめんなさい。』と、頭を下げた。『あなたに対しては、近づ、離れずの距離をとる必要があったから、いろいろと誤解を招く行動を取ってしまったわ。でも、これからは私達のリーダーとして、仲間として、』と、顔を上げつつ彼女は、

『鳴沢君、今後もよろしくね。』

と、円谷さん、もとい円さんは微笑みを浮かべながらボクに向かって言った。
ボクは誤解していた、彼女のことを。
彼女はボクのことなんかなにも思ってくれていないんじゃないかって、そう思っていて、ボクは凄く気まずい思いをしていた。
そうかぁ。そうなんだ。ボクのこれまでの態度に対して邪険にしていたのではなくって、
『円さん、こちらこそ今まで失礼なことをしてきてごめんなさい。これから、よろしくお願いします。そっかぁ。ボクの正体が救世主だったからワザとボクに対して疎遠な態度をとっていたんですね。』
『いえ、それとは関係ありません。あなたには興味ありません。純粋に』と、円さんは瞬時に真顔になって即答した。


・・・・なんとも素直なSな御言葉、痛み入ります(・_・、)ホロッ

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nf93d22556b0e

後のお話:https://note.com/daikiha/n/na6e9bbf320f1

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