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読書感想文9『第3のチンパンジー』

もう1年以上マガジン運営してるのに、読書感想文がまだ9本しかないとは。

いや、本は読んでるんだけどね、書いてないよね笑

というわけで、今回はみんな大好きジャレド・ダイアモンド教授の名著『第3のチンパンジー』の感想文を書いてみる。

すっごい面白い。もう感想なんてない。すっごい面白いからみんな読めばいい。

そりゃそうだよ、ダイアモンド先生の本だもの。しかも、処女作。原著は1992年に出版されていて、タイトルは The Third Chimpanzee。今回の邦訳書のタイトルは「第3のチンパンジー」となっていて原題に忠実になっているが、実は1993年に『人間はどこまでチンパンジーか』というタイトルで邦訳書は出版されている。

ただ、今回の邦訳書にはこの本がその後の研究により明らかになったことが訳註として追加されていたり、かなり長いあとがきが追加されていたりして当時よりも内容が充実した形での再販といった趣だ。

ダイアモンド教授はこの本の出版後も多くの世界的ベストセラーを出版している。『文明崩壊』や『昨日までの世界』そして、あの『銃・病原菌・鉄』。

もともとダイアモンド教授の学位は生理学だ。あんまりよく覚えていないけれど、腎臓か肝臓の機能についての研究をしていたらしい。でもその後鳥の生態についての研究へと領域を広げ、さらにはその鳥の研究に伴うフィールドワークを展開する中で、近代人の生活様式に染まっていない地域で暮らす人たちの生活に触れる中で文化人類学というか、人類の歴史というか、そういうものに研究領域を広げていっている。なんという好奇心。なんというタフネス。そしてなんという頭脳。ちょっと欲しい。

それにしても、この『第3のチンパンジー』が面白さの一つは、こういった教授のその後の研究につながるであろう萌芽的なものがすでにこの本に垣間見えることだ。

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