見出し画像

休日に元利用者と再会した

休日にあるイベントに行った。
かつては毎年開催されていたイベントだ。
 
 
コロナ禍になり
中止になっていたので
今年は三年ぶりの開催となる。

 
そのイベントは元職場の近くで
もしかしたら元職場の誰かが来るかもしれないと期待していた。

そしたらまさかの
元職場で外出してやってきた。

 
全事業営業ではないし
施設に残った方や事業もいたけれど
それでも
たくさんの利用者に再会することができた。

 
「ともかさん!」

みんなは私を覚えていてくれた。
それが嬉しかった。

 
マスク越しでも
ワンピースを着ていても
髪をほどいていても
ちゃんと分かってくれた。

 
「結婚したの?」

なんて聞かれるのも懐かしい。

 
「じゃあ俺が彼氏になろうか?」

という台詞も懐かしかった。

 
見知らぬ利用者もたくさんいた。
年月を確かに感じる。

引率していた職員は見知らぬ方だったので
挨拶と自己紹介をした。

 
「噂は色々聞いています!」

…一体なんの噂だろうか。

 
思ったよりみんなは長くいたので
特定の利用者と話した。
それはもうガッツリ話した。
私も笑ったし、利用者もまた笑った。

 
その瞬間が尊く、楽しかった。

 
他の事業の利用者とこんなに話したのはいつぶりだろうか。
もしかしたらこんなに話したのは初めてかもしれない。

色々と教えてくれた。
それが嬉しかった。

 
また
別の利用者はマイペースで
私が話しかけてもさほど反応はしなかったが
帰り際に「持っていて!」とゴミを渡してきた。
他に利用者も職員も近くにいるのに

それが嬉しかった。

ちゃんと私だと認識していたのだと思った。

 
「コロナが落ちついたらまた会いに行くから!ボランティアに行きたいんだ!」

私は利用者の前でも言った。

 
今は動けない。
偶然しかない。
だけどいつか必ずまた会いに行きたい。

 
私は結局
利用者が帰るまでそこにいた。
みんなとハイタッチをした。

そして最後まで手を振った。
利用者も手を振った。いつまでも。いつまでも。

 
 
いつものことながら
みんなといる時はよく話し、よく笑うのに
一人になると切なくて泣けてくる。

 
こんなに大好きなのに。
好きな気持ちでいっぱいなのに。
我ながらこんなに活き活きとしているのに。

どうして私はここを去ったのだろうか。
自分の気持ちは分かりきっているのに
どうして手を離すしか道はなかったのだろうか。

 
ずっと一緒にいたかった。
ずっとずっとみんなと時を重ねたかった。
一緒に年をとりたかった。

それなのに。

 
 
あの日離した手を
今は利用者の姿が見えなくなるまで振り続けている。

神様がいるなら
どうかまた会わせてほしい。

 
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982478199&owner_id=6889089
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?