栃木県子ども総合科学館(栃木県宇都宮市)
栃木県宇都宮市には子ども総合科学館という場所がある。
巨大なロケットのモニュメントが特徴的な場所だ。
栃木県民は幼稚園、小学校の頃、何らかの行事で行ったことがある人が多いだろうし
家族と一度は行ったことがある人がほとんどだと思う。
私は仕事でも何度も行っている。
そんな、私が生まれた時から馴染みのある子ども科学館が、2023年1月~2025年9月30日まで休館することになった。
建物老朽化に伴い、大がかりな改修工事をするらしい。
一時期、名前がわくわくグランディ科学ランドに変わった時も寂しかったが
リニューアルに加え、1年半も休館は更に寂しい。
子ども科学館はその名の通り、科学にまつわるもの等が体験できたり、展示されているのだが
プラネタリウムも併設されている。
プラネタリウムも、貴重な新しい機械を導入し、座席をバリアフリーにしたりと大幅に変えるらしかった。
時代の流れとはいえ、思い出が薄れるようで寂しかった。
そこで私は、休館になる前に子ども科学館に行っておこうと思った。
休館の約一ヵ月前の12月のある日、私は久々に子ども科学館に来た。
大人になってからはプラネタリウムのみ行くことが多く、子ども科学館自体に行くのは10年以上ぶりだと思う。
入り口には記念撮影用の今日の日付が書かれたものが置いてあった。
子ども科学館とプラネタリウムの入場券を買い、受付にて渡す。
入り口の扉の先はホールになっていて、近隣の学童が作った折り紙作品が展示されていた。
また、来年の干支の龍やお掃除ロボットもあった。
お掃除ロボットはかつて館内を動き回っていて、目の前に立ちふさがると「どいてどいて、掃除の邪魔よ。」と言った。
それを言わせたくて邪魔をしていたのが懐かしい。
そんな掃除ロボットは今は動き回らず、音に反応してリアクションをするくらいしかしない。
ロボットといえば、オセロゲームロボットが好きでよく対戦していた。
姉が私より好きで夢中になって勝負していたが
もう今はそのロボットは壊れていて動かなかった。
ほかにも、記憶にあったロボットや展示のいくつかは故障中で、なんとも侘しかった。
体力測定装置など懐かしいものがあり、それを久々にやった。
私が来ない10年の間に新たに変わった写真が撮れる機械や地球環境を考えるエリアなどができていた。
土曜日に行った割に、人がまばらだった。
年々来客者数が減っていたらしいし、そこにコロナも重なり、来客者数は更に減ったらしいが
ロボットなどは壊れているし、人は少ないしで、寂しい気持ちになりながら2階に上がった。
個人的には子ども科学館は1階より2階が好きだった。
2階には暗闇の部屋やななめの部屋などがあるし、音の実験や目の錯覚を利用した遊び等体験型のものがたくさんある。
ピタゴラスイッチみたいな装置も好きだった。何回もハンドルを回して球の行方を楽しんだ。
圧をかけると、木が引っ込む装置も好きだった。よく自分の形を作った。
人が少なかったため、ゆっくり見て回れた。
あぁ懐かしいなぁ。
これ好きだったなぁ。
一つ一つ見ていると当時の記憶が蘇る。
この館内の何がどこまで残るかは分からない。
私はパチッパチッと写真を撮っていたが、他にもそんな大人がいた。
同じ目的で来ているのかもしれない。
私はボールプールが大好きで、姉と親がとめるまでずっと遊んでいた記憶がある。
ボールプールは何年も前になくなってしまったが、ドレミの階段はまだある。
ドレミの階段も好きだった。
試しに階段を上ってみたら、ドと共にミシッと嫌な音がした。
体重や年齢制限が書かれていなかったが、危ないと思い、やめておいた。
子ども科学館を一通り見た後はプラネタリウムに移動した。
私はチコちゃんに叱られる、のプラネタリウムの回のチケットを買った。
前の職場の私の事業部では、チコちゃんが流行っていた。
私は見たことがなかったが、あの口癖を真似る利用者がいた。
思い出しては思わず微笑んでしまう。
今の職場に転職してからは仕事で子ども科学館には来ていない。
最近の思い出は前の職場の思い出ばかりだ。
星を見ると思い出す。
退職前に利用者と手を繋いで見上げた星空を。
プラネタリウムは泣ける内容ではないのに、一人涙が込み上げる。
星の話はためになる話だった。
星は動いているから、いまから何百年も先には、今と星座の形が変わってしまうらしい。
変わらないものなんてない。
生きていたら、色々変わることは避けられないのだ。
プラネタリウム後は敷地内を歩いた。
遊具も私が子どもの頃好きだったものはなくなっていた。
今の遊具もまた、リニューアルと共に一新するのかもしれない。
願わくば、シンボルのロケットは残っていてほしいが、どうなるかは分からない。
売店は昔から変わらないが、いつの間にかレストランは潰れ、フリースペースになっていた。
ロータリーにキッチンカーがいくつか停まっていたが、あまり賑わっていなかった。
この状況を変えるためには、やはり大がかりなリニューアルは避けられないのかもしれない。
改めてこうして見て回ると、子ども科学館は昭和で止まっているような印象を抱いた。
今まで何回子ども科学館に行っただろうか。
10回以上なのは間違いない。
家族、友達と行き
幼稚園、小学校で行き
社会人になってからは仕事でも行った。
色々な人との色々な思い出をありがとう。
リニューアルは1年半後だ。
きっとリニューアルしたらまたあの頃のように人がたくさん来て盛り上がるだろう。
私もきっと来る。
そして新しい思い出を作る。
また行ける日になるまで………またね。
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