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婚活パーティー【現実はそう甘くない】

バレンタインデー。

それは女性が好きな人にチョコ等を贈る日。
近年では男性が贈る逆チョコや友達に贈る友チョコという文化も根づいてきた日。

 
バレンタインデーにちなみに、婚活パーティーが開催されるという。

未婚化、少子化、晩婚化が課題となっている日本では
ありとあらゆる趣味や行事が婚活パーティーの口実となり、開催理由となる。

 
12月は仕事が多忙で師走っている私は
寒さによる人恋しさもあり
例年冬は婚活パーティーを頑張りやすい。

ただし、花粉症がひどいため
3月以降はやる気を一旦なくしてしまいがちだ。

 
30代未婚ともなると
一通り婚活も試してきた。

見合い、合コン、街コン、紹介、知り合い、婚活パーティー、相談所、マッチングアプリ。

婚活の経験値や知識ばかり年々増えていく。

 
ここの婚活パーティーの主催はまぁまぁ、ここはいまいちだと分かるくらいに成長、いや衰退した私だったが
その某バレンタインデー婚活パーティーの主催者によるパーティーはまだ未参加だった。

 
今までにない道を歩くと、新しい景色が見えるかもしれない。

私は参加申し込みをした。

 
その某バレンタインデー婚活パーティーの会場は初めて行く場所だった。

福祉施設の隣にあったのでなんとなく気まずい。
知り合いはいないが、同業者にはなんとなく見られたくない。どこで繋がりがあるか分かりはしない。

 
会場に入ると、カラフルな風船や色画用紙、ガーランドで部屋や入口が飾られていて驚いた。
子どもの誕生会レベルで派手だ。

 
今までに婚活パーティーは色々参加してきたが
こんなに飾りつけられているのは初めて見た。 
アットホームな感じがする。

  
受付でお茶を受け取り
指定された椅子に座り、プロフィールカードを書きながら開始を待った。

今日は同世代の人が参加なので期待をしてしまう自分がいた。

 
一人、二人……と見知らぬ男女が部屋に入ってくる。
男女の比率も同じくらい。よいではないか。

 
時間になり、主催者が挨拶した。
いつものことながら、主催者でかつ司会の男性が一番かっこよくて魅力的だ。
主催者へのアプローチは禁止だからもちろんやらないし、多分既婚者だろうが。

今回の主催者は優しく穏やかで明るい感じが好印象だった。

 
まずは全員とプロフィールカードを交換し、話した。
まぁまぁだった。
生理的に嫌な人はいないし、めちゃくちゃ話が弾まない人もいなかった。

 
全員と話したところで第一印象カードに印をつけて主催者に渡す。
気に入った異性は何人いてもいいので
全員のナンバーを書いてもいいし、逆に全く書かなくてもいい。

 
休憩を挟んで別室に移動し
主催者が作ったグループ表に従い
グループのテーブルに行った。
男女混合グループだ。

主催の方々は仮装し、踊り、会場を盛り上げつつ
緊張している私達を若干引かせた。

 
今からやるレクレーションの説明が踊り終わった主催者から始まる。

レクレーションはデートで行きたい場所等お題に沿って何かしら答え
グループ代表者と他の人でシンクロした人数分得点が入るというものだった。

 
ろくに話していない男女だ。
見た目の印象であの人はこんなデートが好きそうだな、と想像し、決めつけるゲームともいえる。

 
私達のグループはなかなか得点に繋がらず、他グループに負けた。
勝ったグループは商品でチョコ詰め合わせがもらえていた。羨ましい。

 
レクレーション後、第一印象カードが主催者から返され
私が話しやすいと感じた異性何人かにとって
私も好印象だと分かった。

 
お次は二回目の、全員と話す時間だ。

 
婚活パーティーはフリートークがなかなかの悩みの種なので
全員と二回話す時間があるというこのスケジュールが私はありがたかった。
そこが魅力的でこの婚活パーティーに申し込みをしたのもある。

 
二回話し、レクレーションでも様子を見て
私はライブが趣味だというAさんが気になった。
某アーティストのファンクラブにも入っているらしい。

 
穏やかで、ライブ好きという共通点もあり
私は最終的にAさんを選んだ。
するとAさんも私を選んでくれ
見事カップリング成立した。

ナンバーを呼ばれ、みんなの前に立ち、並んでお辞儀するのが恥ずかしかった。

 
婚活パーティー後、参加賞のお菓子をもらった。
Aさんとは連絡先を交換し、少し話してその場は解散となった。

 
Aさんは登録名も奇抜ではなく
LINEアイコンや背景も好きなアーティストであり
親近感がわいた。

私も好きなアーティストがLINE背景だったからだ。

 
AさんとはLINEでライブの話をした。

Aさんと仲良くなったら、Aさんの好きなアーティストのライブに一緒に行ったり
逆に私の好きなアーティストをライブに一緒に行くのかと思ったりしたが
LINEはわずか一日で途絶えた。

 
婚活パーティーのカップリング成立とはそんなものだ。
その日の参加者の中で一番話しやすいと感じた、一番好印象だと感じた、ただそれくらいの関係性だ。
趣味が同じでも関係が深まるとは限らない。

それ以降Aさんの好きなアーティストを見ると
Aさんを思い出すようになった。
Aさんはライブを楽しんでいるだろうか。

 
私の婚活は今日も険しい。

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