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幸福な生活/百田直樹

本の後ろに書いてある内容が気になり、購入。

 
短編集。
ブラックユーモアな本です。
さくさく読める。
各話のラスト1行(ラスト1ページ)にぞぞぞぞっとする。
後味が悪い。
好き嫌いは分かれると思う。

 
東野圭吾の「夜明けの街で」(……のオチ)
湊かなえの「告白」
新堂冬樹の「吐きたいほど愛している。」

このいずれかが読める、このいずれかのオチを受け入れられた方にはおすすめ。

 
余談だが、「吐きたいほど愛している。」に比べたらかわいいものだ。とても。この吐きたいほど~の本は一種のトラウマで、おそらく私はもう二度と読めないし、読まない。

 
どの話もいいが
一番最初の話の「母の記憶」
二番目の話の「夜の訪問」
のオチがぞくっとする。
特に「夜の訪問」!!

女を舐めちゃあいけない。

 
「ブス談義」は「モンスター」の縮小版かな?

「ビデオレター」は金田一少年の黒死蝶を思い出した。

「残りもの」もオチにやられた。

「そっくりさん」もやられた。まさかオチがそうくるとは。

 
途中でオチが読めるものもあるが、どの作品もラスト1ページがなんと書いてあるかドキドキハラハラ。
私は読んでいておもしろかった。
ネタが分かっちゃうと再読するかは分からない。

 
“幸福な生活”は余計なことを知らないから成り立っているものかもしれない。

特に男と女の関係は知りすぎちゃいけない。
鈍いくらいでちょうど良い。
女の勘なんて働かない方がいいし、知らない方がいいことはたくさんある。

そう思う。



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