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クリスマス会飾りつけ

ある日、クリスマス会が近づいている為、利用者と折り紙で飾りを作るように言われた。

 
担当は私と前施設長。利用者は重度の利用者がたくさん。
始まる前から胃が痛い。

私は折り紙が苦手だし
前施設長も苦手だ。
おまけに職員体制の都合で利用者が多すぎる。

 
前施設長から、飾りを作る担当と飾る担当に分かれ、それぞれ利用者を見ようと提案され
私はすかさず飾る担当を申し出た。

利用者と一緒にテープで折り紙飾りを飾っていった。
壁面のツリーは段々賑やかになってきた。

 
一方前施設長は折り紙に苦戦していた。
立体的な作品が完成するはずだが、利用者と共に折るには難しすぎるらしい。

折り紙の鶴で難易度が高いと思う私は完全に戦力外だ。

 
ツリーに飾りを飾ったものの、まだ飾りは足りなかった。

私は折り紙に靴下や星の絵を描き、利用者に切るように伝えた。
利用者は折るより切る方が得意だ。

私が前施設長と仲が良く、かつ折り紙が得意だったらまた違っただろうが
明らかに連携は上手くいっていなかった。

 
手先が不器用だが、やりたがりの某多動利用者は
立体的な折り紙が難しすぎてやる気をなくしていた。
かといって難易度を下げた輪つなぎ作りにはやる気を示さなかったので頭を抱えた。
どうしても立体的な折り紙がやりたいらしい。

 
最初に難易度が高いものを提案した職員の落ち度だよなぁと内心思いながら
私は飾り付けをしたり、ハサミで折り紙を切るよう利用者に伝え続けた。
BGMのクリスマスソングに合わせて利用者と歌ったり、踊ったりした。

 
途中で前施設長が呼ばれ、リーダーとバトンタッチした。
リーダーは手先が器用だが、立体的な折り紙の折り方を一目見て「…読むだけで面倒くさい。」と折るのを放棄し、難易度を下げた飾り作りを利用者に提案していた。

私はリーダーが好きだし、リーダーは気配りができる方なので
前施設長が部屋から離れてからは連携して楽しくできた。

仕事はつくづく人間関係だと思った。

 
 
前の職場には大きなツリーがあって、利用者が帰った後に職員が飾り付けをした。
いつもツリーを二つ飾っていた。キレイだった。

部屋の飾り付けは100円ショップで買ったり、簡単な飾りを利用者と作って飾ったりした。

あの日々が遠く、懐かしい。
あのクリスマスには永遠に戻れない。
私は思い出を抱えながら歩くしかない。

 
毎年クリスマスは忙しない。
職場のクリスマスが終わらないと、プライベートでクリスマスは楽しめない。

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