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それは恋に似ている

夕方、一人で仕事をしていると
リーダーがやってきた。

 
「お願いがあるんですけど、給料計算確認してもらえますか?代わりに、今真咲さんがやっている仕事、俺がやりますから。」

そう言われた。
給料計算は基本、二人でやらなければいけない。

 
私は私でこう言った。

「代わりに、私もお願いしていいですか?印刷機やパソコンの設定が直せなくて。」

 
リーダーがまだ送迎に行っている間
私はそれで四苦八苦していた。
別室にいた新施設長はパソコンや印刷機に詳しいし
むしろイジったのは施設長だと分かっていたが
私は新施設長を頼れずにいた。

 
「すぐに直せると思いますよ。」

そう言ってリーダーは颯爽と事務室に行き
本当にサッサと直してきた。さすがだ。

先日はラミネートの機械の調子が悪かったが、ちゃっちゃと直してくれた上、私のやりたかった分をラミネートしてくれた。紳士だ。

 
私はリーダーに頼まれた仕事をやり
リーダーは私の先程までの仕事をやった。

部屋には二人きりだ。
リーダーと二人きりは最近あまりないし
私はどうしたってテンションが上がるし
色々話したり、聞きたくなる。

 
そんな私に付き合ってか
リーダーもよく話したし
話ながらさり気に私の近くに席を移動したものだから
内心ギャー!という気分だった。

 
二人で仕事をしながら
あれこれ話すのは
なんて幸せだろう。

 
雑談から、リーダーが私より3cm身長が高いと分かった。よかった、少しでも身長低くて。

 
「ブラックな俺、出しちゃったな。」

ある話をした後
リーダーが言う。

 
もっと見たいと思った。
もっと見せて欲しいと。

 
色んなリーダーを見たいし
色んな面を知りたい。

 
 
帰り道、私はニヤけが止まらなかった。
あぁ好きだなぁと思った。
リーダーが好きだ。

私はリーダーが好きなんだ。

 
それは憧れでもあり
恋に似ている。

 
既婚者で子どもが大好きなリーダーも好きだし
リーダーが私より他の人と仲がよいことも知っている。

 
関係は
これ以上になることはない。
感情も
膨れ上がりはしても、行動には影響はあり過ぎはしない。

だって私はただの同僚だから。

リーダーと付き合ったり、リーダーに別れてほしいわけではないから。

 
ただ、今の職場で信じられる人がいて嬉しい。
話しやすい人がいて嬉しい。
話を聞いてくれる人がいて嬉しいのだ。

 
帰り道、私はGReeeeNの「オレンジ」や「愛し君へ」を聴いては
胸震わせる。

 
リーダーがいなきゃ、私はここに今いないかもしれない。

ありがとう、リーダー。
大好きよ。

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