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年内最後の出張販売予定

12月は出張販売が3回の予定だった。

 
毎年私の職場では冬季限定グッズを作って販売するので
その販売を第一目的として出張販売の予定を三回入れた。

三ヵ月以上前にその三つの出張販売は決まったのだが
12月が近づくと状況は変わっていた。

 
例年、11月の出張販売から冬季限定グッズを販売するのだが
今年は例年より量を増やした関係もあり
10月の出張販売の時から売り出した。

 
例年冬季限定グッズのデザインを変えているのだが
自信満々なのは上だけで、現場はデザインや生産数に納得していたわけではなく
実際販売を開始すると売れ行きは伸び悩み、私達は頭を抱えた。

何故なら上は、売れ行きが悪いのは営業不足と捉えたからだ。その自信はどこから来るのか問いたいぐらいだ。

 
例年、冬季限定グッズは出張販売先、委託販売先、ネットや電話やファックス注文、直接注文で購入できるのだが
ネット注文の予約締め切り日の時点で在庫はおびただしい数であった。

 
ネット注文締め切り後に12月の出張販売はたて続けにあった為
売ってこい、という圧は強かった。

 
出張販売は職員が当番制のはずだったが
最近は私の比率が高く
12月は全て私が行くことになった。

別件の仕事もたてこんでいたため、HPは減る一方だったが
仕事はやるか辞めるかなのでやるしかない。

 
 
まず、12月最初の販売は某公的な場所だった。

何回か販売に行った場所だったが、主催側からのルールが厳しくなったことに加え、販売に行った利用者が色々あり、販売はドッと疲れた。

 
冬季限定グッズは売れるには売れたが、他の福祉施設も冬季限定グッズ販売には力を入れており
去年ほどの売上には届かなかった。

 
更に、購入者はほとんどが施設関係者…身内だった。
つまり、一般の方には冬季限定グッズの見た目なり金額なりが引っ掛かり、購入には至らなかった。

 
10月から様々な場所で販売してきたわけだが、一般の方のウケが12月に入っても未だに悪いことは、出張販売では痛手だった。

 
 
その販売の次の日も別場所で出張販売だった。

出張販売は通常3日以上あけ、準備にあたるわけだが、今回は翌日に出張販売が入り、バタバタした。
職員の休みが重なったこともあり、サービス残業も余儀なくされた。

 
販売は一日だけでも心身疲れるし、次の日も販売、しかも週6勤務となると体力は温存させたかったが
どちらも私が販売担当では、私が準備をやらざるを得ない。
前日、サービス残業により、帰宅は遅かったし、出張販売当日は準備により早出出勤だった。

 
翌日の販売場所は某道の駅だった。
天気に恵まれたのはよかったが、天気に恵まれすぎ、各地でイベントを開催していたことが裏目に出た。

 
道の駅にはお客様自体ほとんどいなかった。

冬季限定グッズはお客様の数の割には売れたが、やはり購入したのは施設関係者だけだった。

販売場所を変えても一般の方が買わないという事実は私を病ませた。

 
 
落ち込むまもなく、その翌週は先週とは異なる某公的な場所での販売だった。

職員が体調不良により一週間休んでおり、その分のフォローに加え、クリスマス会準備や販売(準備)に追われた。

 
その日は最近私ばかり販売で負担なのではないかと心配してくれた保護者が
善意でボランティアとして来てくれた。優しすぎる。

 
「他の職員じゃ気を遣うけど、真咲さん相手だと一緒の販売が楽しくてね。」

忙しい中、時間を作ってくれて、差し入れまでくれてありがたかった。
ボランティアとして来てくれたのも初めてではなかった。

 
冬季限定グッズの売れ行きを伝えると、保護者は目を見開いて「そんなに売れ残ってるの!?真咲さんばっかり販売で責任あって大変じゃないの!」と本気で心配してくれて泣きそうになった。

既にたくさん買ってくれているのに、売上協力で更に買ってくれて私は頭を下げ続けた。

 
12月最後の出張販売では、主催者が告知で「完売必須の冬季限定グッズ」と紹介文を書いてくれていて
私は力なく笑った。

完売必須ならどんなによかったか。

 
だが、保護者と利用者の頑張りもあり
冬季限定グッズは予想以上に売れた。
途中で持ってきた分が完売し、追加で職場から持ってきてもらったくらい好調な売れ行きだった。

12月の3回の販売で一番売れ行きがよかった。

 
年内最後の販売は保護者の優しさに触れ、売上もよく、めでたしめでたし、なはずだった。

 
 
…はずだった。

 
結局、出張販売で完売にはほど遠かった為、急遽様々な人や場所に営業を余儀なくされた。

  
クリスマス会の飾りつけをしたり、準備をしていても
常に冬季限定グッズの売上がちらつく。

 
公的な場所での販売が年内最後の出張販売の予定だったが
連日様々な場所や人へ営業することになったし
高齢者施設やスーパーでも出張販売の予定が次々に入った。 

現場は人手不足で、仕事はたまる一方だった。

 
その某スーパーの販売場所は日陰だった。

その日は気温も低く、風も強かった。
お客様も素っ気なく、販売に対してあまりいい反応はされなかった。

やはり買うのは身内ばかりで、一般の方には売れなかった。

 
私は一緒にスーパーで販売をした職員と途方にくれた。
クリスマス会の前日にまで、何故こんな風に販売をしているのか。

正直、クリスマス会どころではない。
だけど利用者は楽しみにしているし、やるしかない。

 
ただただ負担は増えていく。

冬季限定グッズがまだ完売しないので急遽別日にも同じスーパーで出張販売が決まった。
誰も行きたがらず、私がまた行くことになった。

 
クリスマスの日、私は朝早くから日陰で冬季限定グッズを売る。
先日、お客様からウケが悪かったのが分かりきっている場所で、売れるわけがないものを一人で販売をする。

 
なんてクリスマスだろうか。
特別手当てでももらいたいくらいだ。

 
年内出張販売は今日が最後の予定だが
今日も売れなかったら
職員が自腹を切るしかないのだろうか。

 
事務仕事がたまる一方で、さばけない。

クリスマス会が終わっても、年内は毎日行事で仕事が終わらない。
来年も(私担当)行事が増えて、来年になっても楽になる気配はない。

 
今年は秋~冬にかけて仕事がしんどい。
例年はクリスマス会が終われば楽になるのに。

 
来年のクリスマスは暖かい部屋でみんなと笑って過ごしたい。

今年のクリスマスは…今日は風邪を引かないで過ごせますように。どうか、どうか。

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