額縁に飾られる年賀状
10年以上引きこもっていた人が今年から利用者になった。
少しずつ利用日数や利用時間を増やした。
今のところ行きしぶりは見られない。
表情もとても穏やかだ。
今までは昼夜逆転生活だったらしいが
施設に通うようになり、毎朝決まった時間に起き、夜寝るようになったようだ。
そんな利用者が初めて施設で冬を迎えた。
毎年恒例の年賀状書きをその利用者も行うことになった。
利用者は各自二枚年賀状を作る。
絵を描いたり、文字を書いたり、ハンコを押してそれぞれらしい年賀状を作る。
年賀状を利用者が書き終わり、自宅に持ち帰った次の日(宛名は自宅で書き、それぞれで投函する)
その利用者の親からこんな話があった。
あまりの出来の素晴らしさに二枚とも投函はせず、一枚は自宅保管用にしようと。
そんな話を旦那さんにしたら、「二枚とも出すのは勿体ない。額縁に飾ろう。」と言ったそうだ。
そんなエピソードを聞きながら
夫婦仲の良さや家族仲の良さや親が子を思う気持ちが伝わってきた。
親はきっと嬉しいのだろう。
ずっと引きこもっていた時は先が見えない日々だったろうが
できることが増え、表情も穏やかで
そんな子供の様子が嬉しいのだろう。
私は別の利用者の年賀状支援をしていて
その人の年賀状を見損ねた。残念だ。
額縁に飾るほどの年賀状、見ておけばよかったなぁ。
福祉の仕事はこういった瞬間に出会えたり
人様の生活や人生をよりよくするお手伝いができる。
大変だし責任は伴うが、やりがいがある。
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