地獄から天国から地獄



インターネット黎明期だった当時、


士業でインターネット集客に力を入れてる事務所はほとんどなかった。

僕はインターネット集客に目を付けてひたすらサイトを構築して、


SEO対策を我流で学び、検索結果で上位表示させることに集中した。



気づけば僕のサイトは京都府行政書士会よりも上位に表示されるようになり、

月間の最大問い合わせ件数は90件を超えた。

あれほど暇だった事務所は途端に忙しくなってきた。

丁度その頃、京都駅前で事務所を構える税理士からの誘いもあって事務所を移転した。

京都駅前に事務所を構えたことで信頼性が増したのか、企業からの依頼も増えてきた。

勢いを増した僕の事務所は一人事務所としての売り上げでは京都で一番になるぐらいまで拡大していた。



たった一人で業務をこなし、ホームページを運営して、営業に明け暮れていた僕は、

睡眠時間を削らないと時間が足りなくなっていった。

行政書士の仕事をざっくり言うと、契約書の作成や各行政機関(役所や警察や土木事務所)とのやり取りになる。

彼らはお役所仕事なのでたいてい17時になると営業終了となる。

彼らの時間に合わせて動くとなるとこちらは分刻みのスケジュールになり、

昼ご飯を食べる時間が無い事もしょっちゅうだった。



その頃、僕は悪い友人と出会い、夜の世界を知ることとなった。

遊びたい盛りの20代、勉強しかしてこなかった僕は、華やかな世界に魅了された。

綺麗に化粧して派手なドレスを着た若い女性たちに心を奪われていった。

あっという間に僕は夜の世界の虜になり、週に5日も6日も通うようになり、

何時しか僕は夜の世界に通うために仕事をするようになっていた。



悪い噂というのはすぐに広まるもので、


先斗町や祇園で遊ぶ姿を毎晩のように目撃された。

金遣いの荒くなった僕は、徐々に同業者や他士業から呆れられ、


顧客からも見放されていった。

あっという間にお金は無くなり、同時に仕事も無くなった。

この時に出会ったのが今の奥さんだ。

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