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ー詩と形而上学ーNo.44
止まれ
波は、確かに線になっていた
消えかけた、道路の止まれに
なぜそうなのかを、質問して
そして、確かに止まっていた
着彩する前の水彩画の描きかけの白い部分が
パースを意識する前に現前した不在の空間が
冬の空の水色を認識する前のブルーの直観が
未完成なまま完成していて、それを鑑賞した
親切な主旋律と交響楽
昨夜は、零下二度まで
冷えてしまったようで
雪の積もったピアノに
視線を交
ー詩と形而上学ーNo.43
傘を差す、ブルー
この冬空の水色を
翻訳しようとして
誰も知らない
国のことばを探していた
この色彩の、にじんだ輪郭を
透き通る、青い温度の余韻を
風に秘められた、果実の予感を
何処かの国では、何と
洗剤のプラスチックの容器から
剥がしてベランダで干したような青
3度の気温を、パレットに並べて
抽象的な、風景画にした
ピンク色のレコードに
針を乗せる
回転し始めた音色と
旋回する旋律
リ
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ー詩と形而上学ーNo.41
GOOD MORNING
抑揚のない声を
ミキサーにかけて
ジュースにする
今日の、搾りたての
かすれた声帯は
おはようございますが
うまく言えない
背景だと思ったら
風景画だった時のような
掴み損ねている
本日の、自分の居場所
頁を開いたら
繰り返される
契りのような、或る永遠性
ありのままの背中を現実として
只、生き延びていくだけでは
干乾びてしまうようなので
植物園の入場券
ー詩と形而上学ーNo.39
花束
百万通りの感傷が
癖になり
ワイシャツの皺
裸になった襞
唇を通り越して
半音階の♯となった
そのまなざしは
魂の真ん中の
脆弱性を攻撃した
ウォーターハウスの
絵画の濃紺
裸体
飾ろうとして
極めて透明に
無邪気な無色になった
なにもいらない
革の手帖も
氷点下の陽炎も
たてがみをゆらした
燃える馬を見た
俄に透き通った
凡庸なわたしの血
たっぷりと、お飲み
一際、燃え盛
ー詩と形而上学ーNo.38
SUMMER SWEARTER
半年前は
サマーセーターで
それに
理由を
探していた
通り抜ける
うつろうことを
恐れない
Ethicsで
田園を飛び立ち
都市に至る
一本の
糸のような
必然性で
一貫性が
あるようだ
どうやら
あなたとの間に
枯れなかった
向日葵
朝六時の
初冬の気配
誰もいない
それが似合う
ひろがる
青い塵
首都圏から
遠く離れた
美しい街の
踏切に
ー詩と形而上学ーNo.37
或る、雨について
或る、雨について
語ろうとしている
この白雨が
概念ではないことを知った
わたしの傘は
どこへいったのだろう
バスに乗り
列車に乗り
飛行機に乗り
南半球の最果てまで
旅をしておくれ
ボリビア辺りの
紺碧の
その空を
観てくればよい
雨は、要りますか
宿命のような雨は
ベランダで
金魚鉢が
鳴いている
かつての
青い季節のままで
冷えて
蒸発して
乱反射して
交