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医療、福祉系の非営利組織の資金調達①はじめに

この記事は、事業立ち上げ準備〜創業3年目くらいの方向けの内容です。

資金の種類

まず、資金の種類ですが、

・自己資金

・助成金
・補助金
・融資
・会費
・寄付
・クラウドファンディング
・ビジコン
・休眠預金など

のように様々な種類があります。
非営利組織の資金調達においては、その事業を行う上で
・なぜ資金が必要なのか。
・なぜ、それをあなた(たち)が行うのか。
・行った結果、どうなるのか/なったのか

最低限、そのような説明責任が必要です。
説明がめんどくさいと思う方は、初めから自己資金で行うのをオススメます。

説明責任は、初めは大変だと思います。
しかし、そのプロセスが事業の自身の成長に、きっと貢献します。

これまでの資金調達について

僕の最初の資金調達は、2012年に遡ります。
そこから、融資、助成金、補助金、寄付、クラウドファンディングなど
様々な種類の資金調達をして参りました。

・助成金:フランスベッド(2014)、ジャパンプラットフォーム(2014〜2017)、石巻市地域づくり基金助成金(2015〜2018)、トヨタ財団(2016〜2017)など
・補助金:宮城県震災復興基金
・融資:七十七銀行、石巻信用金庫、日本政策金融公庫
・ビジコン:ダイムラー・日本財団イノベーティブ基金
・クラウドファンディング:good morningなど

多くの方のご支援のおかげで、事業をここまで継続出来ています。

私たちの法人の活動では、資金面で大きく分けて2種類に分けられます。
1つ目は、事業収益によって事業が成立する活動です。
2つ目は、受益者負担が難しい領域の活動です。
当初から、1つ目の事業収益をしっかり立てながら、2つ目の
事業を育て、価値提供していこうと進めて参りました。
この2つ目の事業を育て、広げていくのに、様々な資金調達だけではなく、
人やモノ、コトのご支援も頂いてきました。

非営利組織に於いて、自分たちだけで目指す成果や変化を出すことが難しいということがほとんどです。
いかに、一緒にその領域を開拓するパートナーを見つけていくか、協働を進めていくかも、非常に重要です。ですが、この記事では割愛します。

一体、お前は何者

僕自身は、いわゆる普通のサラリーマンから、東日本大震災がきっかけで2011年10月にサラリーマンを離職。
その後は、個人事業主を経て2012年31歳の時に一般社団法人を創業しました。

全く、経理や、労務など分からず、もちろん資金調達についても、素人でした。
しかし、そんな状態からでも、様々な経験を経て、上述のような様々なご支援を頂き事業を継続してきました。

なんでこれを書くか

2つの理由があります。
1つ目は、社会を支える担い手の重要性と緊急性が高まっていること。
世界中で進む分断や格差の増大に対して、既存の公助だけでは困難だからです。
2つ目は、高齢化や貧困、格差などによって、健康格差が増大。しかし、それを支える医療や福祉領域の専門家が不足していること。この2つです。

これらは、さらに、covid-19によってさらに深刻化してきています。
従来は、やはり非営利組織の情報も東京や大都市に集中していました。
そのため、大都市の非営利組織の方が組織規模も大きく、
地方の支援も担うという形態が多かったです。

しかし、covid-19によって、それは不可能となりました。
幸い、デジタル化が10年進んだと言われるように、
地域による差が減ってきています。

そして、資金にも地方へより届きやすくなっていると感じています。
これまでよりも、非営利領域において医療や福祉職の役割が求められている時です。
その際に、出来るのであれば僕と同じ失敗をせず、質が高く、より迅速に受益者負担が難しい方々の支援して欲しい。

そう思い、この記事を書きました。

間違った資金調達は事業を衰退に

お金がないと事業は続きませんが、何でもかんでもお金があれば良いというわけではありません。

事業を衰退に導く資金調達_目的がお金になっている 

資金は、目的の達成のための手段です。
それがいつしか、補助金や助成金がないと事業が続かない
という設計になってしまう。
こんなことが、実は身近に沢山あります。

これは、事業を衰退に導く最悪の打ち手です。
よくある商店街活性化の補助金なんか、その際たる例です。
活性化しないから補助金を使って、商品券を配ってお客さんを集める。
そして、商品券がなくなると、人が来ない。

本来は、平時の価値提供ができていないから生じています。
 
価値提供できる手を打たない限り、いつまで経ってもお客さんは来ません。
そのため、資金調達するなら、未来につながる打ち手にしなければ意味がない。
資金調達がないと続かない事業設計になっているとしたら、要注意です。

資金調達で最も重要な3つのポイント

・なんのために必要とするか?

当たり前ですが、自己資金以外で調達する場合、他者にその必要性が伝わらなければ、資金調達は実現しません。そもそも、なんのために必要なのか、客観的に伝わる情報は必要不可欠です。その上で、熱意が必要です。ロジックがないと伝わらないですが、ロジックだけでは人は動きません。

・誰とするか?

その事業を作り上げるパートナーは誰が良いか。
それぞれの資金の特徴があります。
例えば多くの人と作り上げる事業であれば、寄付や会費、クラウドファンディングが考えられます。また、自治体と一緒に作り上げるのであれば、自治体の助成金や補助金が考えられます。
困りごとや社会課題の解決の打ち手に、誰とパートナーになるのが良いのか、考えましょう。

・資金調達後の1年後はどう変化しているか?

その資金を経て、1年後どのように未来や社会は、そして事業は変わっていきますか?そのイメージを明確にすればするほど、活動が具体化され、必要とされる資金やパートナーが明確になります。事業は、イメージしないと形になりませんが、イメージ以上にはなりません。イメージを明確に持ちましょう。そして、現状を踏まえ、イメージとの差をどうやったら埋めていけるか、謙虚に見つめ直しましょう。
1年後、どう変化するか。そのために、どのように計画を立て、必要とする資金はいくらか。

医療、福祉系の皆様の非営利組織の成長と発展は、日本の世界の未来を大きく支える存在になると信じています。

ご活躍を心より期待しております。

共に頑張りましょう。そして、成果にこだわっていきましょう。

サポート有難うございます。難病の治療や入院費に当てさせて頂きます。勇気頂き感謝です🙇‍♂️