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日本酒イベントレポート:第19回和酒フェスin中目黒/ボランティアスタッフとして

第19回和酒フェスin中目黒に参加してきました。
今回はその様子をレポートします。

■イベント概要

2022年7月23日(土)、24日(日)
第1部(試飲会) 13:30~15:45(2時間15分)
第2部(試飲会) 16:30~18:45(2時間15分)

公式サイトより

日本酒を飲み始めてから、意識して日本酒のイベントにも行くようになりました。
和酒フェスはそのきっかけとも言えます。
自分のメモを振り返ると、最初に参加したのは2016年9月10日、汐留で行われた第4回

第5回以降では中目黒でやるのが定番な感じになっていますね。
今回が第19回ですから、汐留でやっていた頃を知っている人は、運営の人以外ではだいぶ少なくなっているかもしれません。
私ももちろんはじめはお客さんとして行っていましたが、唎酒師の資格をとって以降、日本酒のイベントを手伝うことも増えたことで知人を通じて和酒フェスのボランティアの話をいただきました。
過去にも数回入りましたが、今回も1日目にボランティアで参加したので、その様子をまとめたいと思います。

■当日を迎えるまで

ボランティアスタッフにはメールで事前に自分がどこに担当になるかが連絡がきます。
(実はボランティア希望と申し込んだのは募集から結構遅かったので、そもそも受付が無事にされているかもちょっと心配でしたが、無事に案内が来てなにより。)
今回振り分けられたのは、酒蔵応援ブース、熊本県の河津酒造さんの担当でした。

ただ、自分の担当が判明したのは3日前の7/20でしたので、酒蔵の予習の期間はもう少しほしかったところ。
また、私はお客としてもスタッフとしても和酒フェスには何度も参加しているので、おおよそのイメージはついていますが、初めてボランティアスタッフとして入る人にとっては不安になる部分もありそうです。

■現地の様子、雰囲気

会場への集合時間は10時45分。
大型のテントなどを設営する段階から参加する場合はもっと早い時間からになります。

まずはスタッフ同士の顔合わせや、自分が担当する行う内容の確認。
使用するお酒をトラックから下ろし、各ブースへ移動。その後、個々の酒蔵ブースの準備となります。

担当酒蔵の酒をまとめてます

ブースにはテーブルが一つあり、それをどう使うかは工夫次第。
サポートさせていただく蔵元の営業担当の方と一緒に相談しながらディスプレイししました。

お酒の説明があるボードと、実際の酒瓶をお客さん側に近いところに置き、お客さん自身からよく見えるようにセッティングしておきました。
ちょっとしたことですが、「自分が参加者だったら、こうだとありがたい」のひとつです。

私自身もそうですが、飲んだ日本酒の写真を撮りたい、瓶をゆっくりと見たい、という人もいます。
その時に、注ぐ用のお酒とは別に、展示用のものがあると非常にありがたいのですよね。
スタッフが注いだ日本酒の瓶を「写真撮らせて」とスタッフへ一言断りを入れることに抵抗がある人もいますし。
また、注ぐ用の瓶で写真撮っている間は他の人にお酒を注ぐのが完全に止まるので、ブース前での渋滞の一因でもあります。
まぁこれは日本酒イベントでは切っても切れないものではあるのですが…。

イベント開始後は、お客さんの希望に合わせてひたすら注ぎます。
時に来る、
「おすすめは」
「甘いのは」
「辛口ください」
「この食べ物とあうのは何か」

などなどの質問にも適宜対応します。
幸いにも、お客さんの足が途切れることはほぼなく、第一部・第二部と駆け抜けました。

ビル風でよく鳴り響き、結構いい雰囲気をだしていました

また、お話を聞いたところ、河津酒造のお酒は
・ほとんどが県内消費であり、県外への出荷も九州が主。
・東京で買うならネットショップがおすすめ。銀座のくまもとアンテナショップでたまにあるかどうか
とのことでした。
つまり、河津酒造のお酒が飲める和酒フェスはかなり貴重な機会とのこと。
和酒フェスだと参加常連な酒蔵さんのイメージだったのですが、確かにほかの東京のお店などではなかなかお目にかかれません。

また、河津酒造さんの酒粕を使った酒粕マスクも、今回隣にブースを出していただいており、商品サンプルを提供いただいていました。

そのため、
お酒を飲む

「この酒蔵の酒粕を使った化粧品があるんですよ」

お渡しする
という素敵な動線ができました。
中には、美容品としての酒粕マスクは元々知っていた、という方もいらっしゃいましたので、
「あ、この酒粕マスク知っている」

「この酒粕、ここの酒蔵のものなんですよ」

「えっ、じゃあ飲んでみようかな」

というパターンもありました。

第二部まで終了後は、2日目をふまえた片づけ、掃除をして撤収です。
最後に交通費とお土産の日本酒(四合瓶1本)をいただき、解散になったのは20時過ぎた頃でした。
ほぼ終日立ち仕事、自分の持ちうる日本酒の知識や情報、接客経験は無償提供、実質的な拘束時間は10時間ほど。
ボランティアといえど、ここから感じることは人それぞれでしょうね。

■取り扱った日本酒

●Pop Fresh 酒スパークリング 純米無濾過

毎年一つ以上は新しい商品の開発に挑戦しているとのことで、こちらは蔵の若手(二十代!)がチャレンジで醸したもの。
味わいの特徴はそのヨーグルト感。ガス感と共にするすると入っていきます。

●フィジーイーパッション 純米吟醸 原酒

こちらは4種類の清酒酵母をブレンドして使用した日本酒。なんといってもその特徴は香り!
全体としては果物系で、トロピカルな香りが飲む前、飲んでいる途中、飲み終わった後と様々に変わります。
時間が経ったり、温度が変われば違った印象を覚える、不思議なお酒でした。
今回はできませんでしたが、ソーダ割にしてもなかなか面白そうです。

●花雪 純米吟醸 原酒 全量ふくろ搾り

酒蔵のある熊本県の阿蘇地区は、冬場は積雪があるとのこと。
その雪景色の中に舞う花びらのような淡く優しい甘さ、身体に染み込むようなイメージでつけた名前とのこと。
甘辛を表す日本酒度で言えばマイナス20にもなりますが、その甘さがくどくないのは、同時に含まれている酸度3を超える酸味のおかげ。

●七歩蛇 純米吟醸 全量ふくろ搾り

七歩蛇(しちほだ)とは、日本に伝わる妖怪で、手のひらサイズ(12cm)ほどの小さい蛇。見た目は龍そっくりであり、この蛇に噛まれると7歩歩く前に死んでしまう、と言われているそうです。
その美味しさで止まらず飲んでしまい倒れてしまうようなイメージでつけた名前とのこと。
甘さは控えめながら味のキレ方は素晴らしく、食中酒としては和食からエスニックまで幅広く合わせらそうな懐の深さが魅力です。

●手摘み梅 日本酒仕込ゆるり梅

自社の梅園の梅をスタッフ総出で手積みし、日本酒で仕込んだ梅酒です。
かなり濃厚な梅の味わいで、リピートする人が多かったです。

●番外編:和らぎ水(仕込み水)/弱軟水

今回は仕込み水もご提供いただけました。

梅酒と和らぎ水

取り扱ったのは以上の日本酒4種、梅酒1種、仕込み水、の全6種でした。
日本酒については全体として非常に味の幅も広く、かつコンセプトがわかりやすいので、
・泡(Pop Fresh)
・不思議/変化球(フィジーイーパッション)
・甘口(花雪)
・辛口(七歩蛇)
というフレーズでそのまま接客対応できることは非常にありがたかったです。

■飲んだお酒リスト

ちゃっかりと合間を縫っていろいろとテイスティングしていました。
詳細はこちら↓から。

■終わりに

日本酒のイベントをいち参加者としてではなく、その中で働くということは毎回いい勉強になります。
お客さんでも日本酒に詳しい方もいれば、馴染みのまだ少ない方もいて、自分の歩んでいる日本酒ライフの縮図のようです。
自分の立ち振る舞いも見直すことにもなりますね。

ではでは。

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