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物思いNo.32:飲んだ日本酒を延べ10000種類を記録して思うこと

日本酒を飲む際にその銘柄と味の印象をメモするようになって、先日その数が10000種類を超えました。
大台に乗ったことを機に、自分の中で飲んだお酒を記録する意味や思いを整理してみました。

■なぜ記録するようになったか

日本酒を意識して飲み始めたのが、2013年でした。

ありがたいことに、日本酒に興味を持ち始めた時とほぼ同じくして、お酒のことをいろいろと教えてくれるお店にも出会いました。

その中で、
・日本酒を、量を飲むよりは様々な種類に触れる楽しさを知ったこと
・同じ銘柄でも、スペックの違いによってまるで別のお酒になること
・お酒を飲んで酔った時の自分の記憶だけで把握しておくことに限界を感じたこと

などが記録を始めたことの理由でした。

■記録・カウントの方法や遍歴

元々は、アプリ「sakenote」を使用していました。
現在はどうなのでしょう?自分のiPhoneで再度インストールしようとしたところ、うまく使えなかったのですが。
銘柄の検索などはやりやすいのですが、一方で、
・同じ酒蔵を複数登録ができない
・同じ酒蔵・銘柄の写真が3つまでしか保存ができない
・メモは結局直接手打ち
という部分が個人的には使いづらいところでした。

当時にはすでに飲んだ日本酒を記録するアプリがいくつかありましたが、それらを使うよりは、「自分が欲しい情報だけをまとめるのなら、自分で作った方がいいいのでは」、「この作業は、もしかしたら半永久的になるのでは」という発想に至りました。

欲しい情報は
・飲んだ日付
・酒造名
・銘柄
・スペック、説明
・飲んだ場所
・味の感想
・自分なりの5段階評価
・備考(情報の補足など)

でした。
これだけあれば、いつ、どこで、どんなものを飲んだのかはほぼ特定できます。
ただ、必ずしも飲んでいる時にゆっくりと記録できるわけではなく、例えば日本酒のイベント中のような、短期間で多くの種類をメモすることも想定しました。
となれば、“出先ではスマホで手早く。時間がある時にゆっくりとパソコンで整理”ができる方が好都合でした。
そこで利用することにしたのが、Googleのスプレッドシート
「Excelとほぼ同じで使い勝手がわかる」「自分の欲しい情報を整理して狙って記録ができる」「パソコン、スマホどちらからでも使用できる」。
自分の条件に適合する便利なツールでした。

ここでもう一つの課題。
お酒の写真をどうするか。
文字で書くよりも、一目瞭然なのが写真。やはりこれは残しておきたい。日本酒のラベルも恒久的なものではなく、変化があるということも知った矢先でした。
これは、当時まだ始めていなかった、Instagramを始めることで解決しました。
いまでも、アルバムがわりに機械的な投稿が続いています。
まぁ、テンプレート文章+スプレッドシートのメモをコピペしてすぐに投稿できるようにしてるので、本当に作業なんですよね、あれ。

ともあれ。
オリジナルのスプレッドシートを作成し、過去にsakenote上で記録していたもの+スマホ内の写真で遡れる範囲でメモを改めてリスタート。
たぶん本当はもっとたくさん記録があるのですが、遡れないものはスプレッドシート移行時に泣く泣く切り捨てました。
おそらく200−300種類くらいのメモは切り捨てているのでは…。
完全にスプレッドシートに移行したのは、2016年頃からでしょうか。
最も古いメモは、2012年5月5日、旅行に行った時に飲んだ日本酒です。
足掛けおよそ10年くらいで10000種類ですか。10000種類/年くらいのペースですね。

なお、カウントの方法として、
・同じ銘柄、同じスペックだとしても、飲んだ日付、場所が異なれば、別カウント。
・味が把握できる量を飲めば、カウント(お猪口一杯くらいでもわかればOK)
というルールづけにしています。
そのため、同じ銘柄が複数カウントされています。悪しからず。

■記録をして感じること、意味

「これまでどれくらいの数を飲んでいるんですか」と時折聞かれます。
その時に、数字で答えられます。
そして、たいていの場合引かれます。
ただ、数字で示したとて、「だからなんなんだ」という話なんですよね。
まぁ「数字で見える」って、好きな人は好きですから、話題として使えるようにしていますけども。
これだけの数を飲んだ、ということは自分の中ではメモをとっていたことで判明した一つの副産物、結果論でしかないんですよね正直。
また、どうしてもこの話題をすると、「どうだ、これだけの種類を飲んでいるんだぞ」と相手へのマウントチックになってしまうのは否めない。別に数でマウント取る気もなく、偉いわけでもないのですが。
確かに、一般人からすれば多い方だと思いますけどもね。
しかし、飲食店、特に日本酒専門店などの方、それこそ酒蔵の方であれば、私の経験などはるかに上回る数を飲んでいるわけです。
所詮自分は井の中の蛙です。

あとは、「それだけ飲んでいるのですから、さぞ詳しいのでしょう」というイメージを周囲にも与え、それが自分にふりかかってくる、というのは実感します。
それに応えられなかったら本末転倒です。そうならないように日々勉強しているわけですが。
たまにいらっしゃいますね。「話を聞く限り、ずいぶんといろいろと日本酒を飲んだ経験を重ねているようだけど・・・?」という方。
まぁ、飲んだからとて詳しくなるかどうかはまた別なのですが、それを加味してもなお「???」な方もいらっしゃいます。

■それでも記録をする理由

自分の中での位置付けは、
・過去の体験の「見える化」
・同銘柄同スペックのものを飲んだときの味わいの変化の比較の容易化
・テイスティングコメントの自己練習
・日本酒の情報提供を行うときのソースとして他者還元
・ただの酒飲みでない、知的好奇心を行動に昇華できる人アピール
(これは果たしていいのか悪いのか)
というあたりでしょうか。

自分の曖昧な記憶よりも、客観的な記録でお話ができるのは、他者へ伝える時には大事かな、と。「あぁ、この銘柄はあの時に飲んだな」「これは初めて飲む銘柄だな」と思い出せば、だいたい味の印象も覚えています。

■最後に

その酒蔵数と銘柄名を掛け合わせれば、到底世の中にある日本酒全てを、生涯のうちで飲むことは不可能です。
自分が出会えた日本酒くらいは、せめて真摯に向き合いたい。
基本にして原点はそこですね。

ではでは。

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