「他人を応援すればするほど、自分が得をする」というシステム設計
2020年1月10日 パートナーを具体的に勝たせて、ついでに自分も勝つ
おはようございます。
昨夜、蜷川実花さんから「ここで呑んでるから、今から来てー」とリンクが貼られていたので、飛んでみたリンク先が『スペインのサッカー育成組織について延々と説明しているWikipedia』だったキングコング西野です。
どこだよ!
さて。
数年前、映画『えんとつ町のプペル』の企画をスタートさせる時に、スタジオ4℃(アニメ制作会社)さんと、電通さんと、吉本興業に言ったのは、
「10年後は違うと思いますが、少なくとも“今”は、僕が日本で一番、人を巻き込む能力に長けています。これから、多くの方が『ん?』と疑問を持ってしまうような施策を仕掛けることになると思いますが、それら全ては『思いつき』でやっているものではありません。必ず全員を勝たせるので、広告戦略に関しては、一旦、僕に全権委ねてください」
という、傲慢極まりない言葉でした。
そして、「この条件を飲んでくれないと、僕は、この作品をやりません」とも。
結果、その後に手を組むことが決まった東宝さんを含め、皆さんの御理解をいただいて、たとえば、制作中の3Dモデルを公開したり、映画『えんとつ町のプペル』のカバー曲を(オリジナル楽曲の発表前に)YouTubeにアップしてもらう企画が打てたりしています。
3~4日前にスタートさせた「カバー曲企画(映画の曲をカバーしてくれたら、西野がRTするよ)」では、再生回数1万回を超える配信者がポコポコ出てきて、こうなってくると、ここからは「映画プペルの曲をカバーしてYouTubeにアップしたら再生回数が稼げるのね」という人が増えてくると思うので、映画公開までには、総再生回数は1000万回は超えると思います。
かけた広告費はゼロ円です。
ポイントは、「YouTuberやアーティストの支援(認知度拡大のお手伝い)をしながら、映画『えんとつ町のプペル』という『自分の活動』にポイントが入っている」ということで、少し下品な言い方をすると「他人を応援すればするほど、自分が得をする」というシステムを設計することが重要だと思います。
昨日お話した挑戦するサロンメンバーのベーシックインカムの話ですが、昨日のうちに打ち合わせの場を設けて、とりあえず2020年9月まで、ブロードウェイチームに毎月50万円の活動支援金をお渡しすることが決まりました。
「ベーシックインカム」というの名前はパワーワードで、議論を生む為のフックで、実際のところは、「投資」に近いです。
見返りは、お金ではなく、「『西野亮廣エンタメ研究所』がブロードウェイに仕掛けている」というブランドです。
やはり、ここでも「他人を応援すればするほど、自分が得をする」という環境に落としこんでいます。
大切なのは以下の2点です。
①「西野と絡んだら取り分が大きくなる」という状況を作る。
②「今回の取り分は、西野と絡んだらから大きくなったんだ」という自覚が持てる相手としか組まない(=フリーライドの自覚が無い人とは距離を置く)。
この上で、『原作・脚本』として参加させていただいている今度の舞台『えんとつ町のプペル』(@ネルケ)のスタッフさん達を見たときに、「収益のお手伝い」がしたくなってきました。
「ちゃんとした人達だなぁ」と思ったのと、本当にシンプルに作品が素晴らしかったので、「いい作品を生んだ人には相当の報酬があるべき」と思ったので。
すぐにマネージャーの須藤君に連絡して、
・物販コーナーで絵本(サイン付き)を売ること。
・絵本の収益は全額ネルケさんに入れること。
・絵本の在庫は全てコチラが買い取ること。
…の3つを伝えました。
ネルケさん的にはノーリスクでグッズ収益が入るという状態です。
在庫の買い取りに関しては、どうせ、僕らは先々で被災地やスラム街の子供達に絵本をプレゼントするので、僕らにとってもノーリスクです。
一昨日、稽古を見学させてもらって、心の底から感動し、ネルケさんを勝たせたくなってきました。
今朝、我慢ならず、1月21日の神戸公演(初日)のチケットもとっちゃいました。
神戸でも、東京でも観たいし、作品が成長していく過程も観たいので。
「パートナーを具体的に勝たせて、ついでに自分も勝つ」ということを今年は更に徹底していきたいなぁと思っています。
現場からは以上でーす。
【追伸】
1月21日は神戸、2月1日は東京で、舞台『えんとつ町のプペル』を観に行きます。
会場ロビーをウロウロしておりますので、見かけたら、気軽にお声がけください(*^^*)
2020年1月11日 「許されない社会」を僕は望みません
薄々お気づきかもしれませんが、3日前に稽古の見学に行ってから舞台『えんとつ町のプペル』に激ハマリしているキングコング西野です。
さて。
そんなこんなで、自分の中で『えんとつ町のプペル』熱が高まっております。
東京公演を観るだけでは我慢ならずに、追加で神戸公演(1月21日)のチケットも取っちまいました。
新幹線に乗って、神戸に行きます!!
さてさて。。
今日のお話は話そうかどうか迷ったのですが、僕たちの挑戦する意味(その根元)に関わることだし、なかなか表ではお話しできないことなので、僕の独断でお話ししたいと思います。
今年の秋にオフブロードウェイで上演を予定しているミュージカル『Pouplle of Chimney Town』の件です。
実は、このミュージカルの主演には、俳優の「小出恵介さん」の名前があがっていました。
ご存知の方も多いかと思いますが、大阪府青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検され、後に不起訴となったわけですが、イメージダウンは免れず、所属事務所との契約は解除。
かれこれ3年近く、表舞台からは姿を消しています。
個人的な付き合いは一切ありませんが、「ニューヨークで語学の勉強をしながら、俳優として再起をかけて頑張っている」という話は聞いています。
もう言っちゃいますが、プロジェクトリーダーの小野さんが通っていた演劇学校の友人なのだそうです。
再起をかけて頑張る小出さんの姿を見て、「小出さんでやりたい!」と小野さんから申し出がありました。
これに対して、大人(特に吉本興業)が煙たい顔をするのは容易に想像がつきます。
それは「やり直しをかけている人を見捨てる」といったイジワルな理由ではなく、「小出恵介さんを起用することで始まるであろうネガティブキャンペーンから、『西野亮廣』と『えんとつ町のプペル』を守る」という優しさからです。
とくに、今年は(もう何年も準備をしてきた)映画公開の年でもあります。
「ネガティブなイメージが付くのは、なるべく避けたい」という判断は責められるものではないと思っています。
しかし、これは本当に僕個人の考えなのですが…
たしかに、小出恵介さんは本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。
被害者の方、被害者のご家族、ファン、スタッフ、それこそ吉本興業にも迷惑をかけたでしょう。
ただ、現在進行形の犯罪者ではありません。
不起訴にもなり、社会的制裁も十分すぎるほど受けて、罪を償い、再起をかけて頑張っています。
一度過ちを犯したら帰ってこれないような「許されない社会」を僕は望みませんし、何より、「臭い臭い」と忌み嫌われながらも上を見ている今の姿こそが「ゴミ人間・プペル」そのものじゃないかと思っています。
いつまでも鳴りやまない世間の批判は、俳優であれば、板の上で見せたもの結果で黙らせればいいと思っています。
その為には「チャンス」が必要です。
スタッフさんから「小出恵介さんの名前があがっているのですが…」と渋い顔で相談された時に、「いいじゃん」と返しました。
心配したのは英語の方で(ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』は全編英語)、僕や作品のネガキャンに関しては何の問題もありません。
僕は、そんなもので潰されるほど弱くないです。
ミュージカル『Poupelle of Chimney Town』においての僕の役割は「原作・脚本」であって、僕がトップでハンドリングしているプロジェクトではないので、この後、キャスティングがどうなるかは知りませんが(蓋をあけてみたら、別の人が主演になっていることもあるでしょうが)、舞台制作の裏側で、こういったやりとりがありました。
キチンと罪を償った人がやり直せる世界が好きです。
これは、今回の作品に限った話ではなくて、僕が仕掛ける全てのプロジェクトに共通する理念なので、こうして皆様にお話しさせていただきました。
現場からは以上でーす。
【追伸】
ブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』は全編英語です。
ブロードウェイまで観に来られる方は、その前に、日本語版の舞台『えんとつ町のプペル』を観て、事前にストーリーを入れておくことをオススメします。
この舞台、本当に、メチャクチャ最高なんです(何回言うねん)。
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この記事は1年経過したのでサロンメンバーに公開許可された投稿です。
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