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なんで西野さんがおもしろいかというと

けんすう

2019年3月20日 元芸人さんで、最近まで絵本作家だといってた人が、今年は漫画家になると宣言し、町を作るために美術館の土地をかっていて、その上で、五反田に会議室を借りて内装工事をしはじめました。あ、今はラオスの奥地にいます

古川 健介さんがリンクをシェアしました。

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マンガサービス「アル」(https://alu.jp)のけんすうです!

あらすじ
西野さんのエンタメ研究所をお借りして、マンガサービスの成長話を書かせていただいております。
エンタメの中身を作らずに、エンタメを売るお手伝いをするサービスなので、また違ったコンテンツがお楽しみいただけるかなと思っております。
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今回は、Webメディアをやってたときの失敗談についてです。

アルをやる前には、nanapiというWebメディアをやっていました。
○○のやり方、みたいなのをたくさん集めたサービスです。
WikipediaのHowto版を作ろうと思ったのですね。

で、、、最近話題になっている「いかがでしたか?」で終わる質の悪い記事とか、一時期、炎上しまくったキュレーションメディアとか、あれの原型を作ったのはたぶん僕たちなんです。

まず、いかがでしたか?なんですが、初期のnanapiで多用しまくってたやつです。
なんかハウツーだけを書くと短すぎて収まりが悪かったのですね。

初期の記事はこんな感じでした。


さらに、当時クラウドソーシングとかがあまりはやっていなくて、「クラウドワークス」とかもまだ生まれていなかったのですが、nanapiでは「nanapiワークス」というクラウドソーシングサービスを自前で作り、お金を払ってコンテンツを作るということをやっていました。

500円とか払って一般の人たちに記事を書いてもらいまくる、ということをやったのです。
この手法は日本で大流行しました。
様々な新興メディアが生まれていき、結果的にキュレーションメディア問題にいきつきました。

僕たちは、他のサイトからパクるということは当然禁止していたのですが、500円を効率的に稼ぐとしたら、情報は他社のものをとってきたほうが利益率がいいよね、と考える人が多く出るのは当然で、審査が甘いメディアなどではそういうことが横行し、結果的に日本のWebメディア全体を巻き込む事態になってしまったのかなーと。

前述の「いかがでしたか?」は、nanapiでそういう記事を書きまくった + クラウドソーシングの記事を書くときに字数でのノルマがある、というのがかけあわさって、今、大量に生まれてしまっているのだと思います。
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このnanapiのケースでの反省点をいうとすると、僕らは
- いい記事をたくさん書いてたくさんの人に見てもらう
と割と無邪気に考えて実行しちゃっていたのですね。

結果として、ユニークユーザーが最大で2400万 / 月くらいまであがりました。結構な規模です。
しかし、それをやったことで「同じ仕組みで、質を落としたものが乱立しまくって、最終的に全員損する」ところまで想像できていなかったんです。

お恥ずかしい話「質の高い記事を作り続けていれば負けない」と思っていました。

それが、手法を真似されまくり、より審査が甘くて楽にお金が稼げるサイトにライターはいってしまい、キュレーション問題で、社会問題にまで発展して、、、ということになってしまいました。

良貨を作り続ければいいよね、と思ってたら、悪貨が出てきちゃって、全員が駆逐された、みたいな話です。

なので、今回はとにかく、自分たちがやる思索がどう影響していくのか、ということを緻密に考えています。

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問題はビジネスモデルです。

これはWebメディア全体にいえるんですが、今って
- 記事がバズると10万PVとかいく- そうすると、3万円くらい広告費が入る
みたいな形なんです。バズっても3万円とかです。

そうすると、ビジネス的には
- とにかくコスト安く書く(数百円~数千円)- 当たる確率が高い記事しか書かない- ネタは他社のと同じでもいい(ユーザーはそんなにかぶらないから)
というのが合理的になります。

要は、Aという会社が書いたAppleの新製品のネタを、そのまま文字だけを変えて、安いライターが適当に書く、とかですね。

これをするとどうなるか。
多様性が全然なくなります。

インターネットって、自由度が高く、スペースの制限がないので、ニッチなものが増えてコンテンツの多様性が増える、、と思われていたのですが、逆だったんですね。

多様性が減る。
1記事がバズったからといって、わざわざそのメディアの他の記事まで見る人は少ないから、毎回1記事1記事の勝負になってしまうんです。

一方で、紙の雑誌とかは、500円で売ることによって、コンテンツ全部で課金できます。
すると、新人ライターに、マニアックなコラムを書かせたり、おもしろ企画をやったりさせてたりする余裕ができます。

売れる企画があれば雑誌は売れるので、サブとして、変化球も入れ込める。

言い換えると、1記事ごとに広告を稼ぐビジネスモデルのWebメディアは多様性を失っていき、1発で課金して全部を買わせる雑誌は多様性ができる、ということかなと思っています。

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なんで西野さんがおもしろいかというと、単純で「サロンで直接課金をしている」からです。

広告モデルだと、番組が毎回視聴率をとらないといけなくなるので、多様性がなくなります。
つまり、西野さんが、毎回視聴率をとるために、無難なグルメ番組のレポーターとかをする必要が出てきてしまいます。

直接課金をしていると、西野さんが全体的におもしろい活動をしていればOKなので、コンテンツの幅が広がります。
たとえば、メインコンテンツの「えんとつ町をつくる」がウケていれば、はしっこのほうで全然別のコンテンツをやっても、収益は変わらないので、チャレンジができます。

というか、みなさん、麻痺していると思うんですよ。
僕も、そろそろいわないといけない、と思っているんですが、一度冷静に考えてみてもらっていいですか。

「元芸人さんで、最近まで絵本作家だといってた人が、今年は漫画家になると宣言し、町を作るために美術館の土地をかっていて、その上で、五反田に会議室を借りて内装工事をしはじめました。あ、今はラオスの奥地にいます」って冷静に考えると、意味わからない!

そんな芸人さん、いなかったわけです。
テレビで視聴率をとって広告費を稼ぐビジネスモデルの中で、出演する、という仕事の仕方の芸人さんでは、全く出てこないコンテンツです。

しかし、西野さんが生み出すコンテンツの多様性はめちゃくちゃ広くなっている。
多様性が広いほうが、絶対楽しいんです。
おそらく西野さんはこのことにずいぶん前から気づいていたんですよね。

直接課金をしているほうが、絶対におもしろくなる、という考え方です。

というので、ビジネスモデルを失敗すると、コンテンツ自体を多様性がない袋小路に追い込んでしまう可能性があります。

アルではそのあたりを解決したいなーと思っているのですが、完全に長文になりすぎたので、ここらでいったんやめます!

お読みいただきありがとうございました!



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