【完全版】地方高校生の東大理三受験記
Writer: Koki
現役で東大理三に合格したので受験勉強に関することなど語ります。小中高と地方の公立だったので珍しい方でしょう。塾に通い出したのは高校2年の冬からです。所詮試験に一回受かったに過ぎない人の言葉なので参考程度に留めて聞いて欲しいし、以下に書いたことを実践して成功しなくても責任は負いません。もともと合格体験記書く用のメモだったので文章は大目に見てください。
1.基本的なアドバイス
まず私が大事だと思ったことを3つ書きます。
1.思考停止しないこと
最適な勉強法や自分がいま何をやるべきかなどとは自分で模索するべきだ、というのが私の持論です(誰かに聞く、ネットで調べるなどの情報収集も含めて)。とりあえずこの塾に入れば大丈夫とか、この参考書を使えば大丈夫と思いこんでしまうことは危険だと思います。あくまでも大事なのはその教材から何を学ぶかです。ちなみに今言った「塾」から鉄緑会は除きます。鉄緑会のことはよく知らないので他の方に聞いてください。
またこれは勉強の内容にも言えて、安易な解法パターン化主義や裏技に逃げず、それらが成り立つ背景も含めて基本や原理からしっかり考えることが実力に繋がると思うし、なによりもやってて楽しいです。たとえば、なんで受験頻出の二項間漸化式は二次方程式を置くことで解けるのかみたいなことです。
2.失敗を有効活用すること
よく言われることですが、模試の復習と結果の分析はしっかりやりましょう。模試やテストの結果が悪かったということは、裏を返せばその分だけ間違った問題の復習やその後の学習で効率よく実力が伸びるということでもあります。
また、分からなかったところをメモしたノートを作って直前に見返していました。
巻頭に漢字、数学の解法ポイントノート
巻末にケアレスミス集
真ん中(メイン)に間違った、抜けていた内容
という感じの形式にたどり着きました。参考にして下さい。
3.勉強以外も頑張ること
何言っているんだろうとか、いいこと言おうとしてるなと思われるかもしれないですが、結構重要だと思います。センター試験本番で98%(過去最高)取れたのは部活や習い事などで何度も舞台に出て舞台度胸を付けたからだと思っています。
続いて補足的に少し書きます。
模試について
大学別模試(東大模試など)は受けることをお勧めします。予想問題も兼ねているので、模試の問題にあやふやな点を残したまま本番を迎えるのはやめたほうがいいです。
過去問について
過去問をやらずに取っておくことは、東大受験生に関して言えばあまりおすすめしません。試験本番の練習がしたければ、有名予備校の東大模試の過去問が書店とかで買えるからです。現役生なら実質無限にあります。
たまに「過去問やっても入試に出ないから意味ない」という類の主張を見かけますが、個人的にはこれに賛同しかねます。漠然とした理由ですが、東大が最も求めているものは結局入試問題に出ると思うからです。特に現代文は過去問が最良の教材です(by林修)。何より合格者最低点が出るので自分の現在地を知ることができます。
その主張に0.01理ぐらいを認めるのであれば、後述しますが「過去問は秋の時期に実力を測り伸ばす目的でやる」「直前期は予想問題とかをやって的中したらラッキーと思っとく」のが無難なのかなと思います。
2.科目別対策
数学
まずはチャートや4STEPという参考書で基礎を固め、基本的な解法を体に染み込ませることが必要です。一対一対応の演習は基礎から入試レベルの橋渡しをしてくれ、お勧めします。
過去問演習をする段になったら、
・なぜこの解法で解けるのか(解ける原理)
・なぜこの解法を選択すべきなのかや解法の背景
を意識して、解けなかった問題の思考プロセスをノートにメモしてストックするのがいいと思います。「入試数学の掌握」がこれに関しては詳しいです(二次試験までに終わりませんでしたが…)。
あと東大数学に関しては、試験開始後5〜10分は全ての問題に目を通し、どの問題を先に解くべきかや解答の大まかな方針を考える時間に充てました。
英語
海外に住んでいた経験もあり、得意でした。普通に学校の授業を受けながらYoutubeで興味のあるチャンネルを10個ぐらい登録して上がり次第見る、洋楽の知らない単語を調べるなどしてたら気づいたら高2の3月で英語107点取ってました。
私が現役合格できたのは英語が早期に完成していたおかげがかなり大きいです。おかげで数学や理科に力を入れて伸ばすことができました。
高校3年生になってからは過去問を10年分やったぐらいです。あと風呂の中でTed-edとか再生してリスニング対策をしてました(1つ4〜5分なので丁度良い)。順番は先輩方を参考にして4B 5 4A 3 2AB 1A 1Bで解きました。
いずれにせよリスニングをペースの指標にするといいと思います。
国語
東大特進の林修先生の講座おすすめです。私にとっては必要十分でした。現代文に関しては何を言おうと彼の受け売りに過ぎません。
古文漢文は、1、2年のうちに知識系(単語、句法など)は覚えてしまった方があとあと楽です。ちなみに高校3年で全くやらないとそこそこ忘れます。
詞をよく書いていたので、作詞する中で言葉選びやニュアンスの違いに自然と注意を払い、ものを書いて表現するという行為が身近になった気がします。(国語だけではなく数学や英文和訳にも通ずることです)
物理
そこそこ得意でした。東進の苑田先生のハイレベル物理お勧めします。
最近の傾向を考えるなら、直近の過去問を解き尽くしてしまったら昔の東大の問題より最近の京大の問題で演習するのがいいと思います。(穴埋めとかがあって大問あたりの分量も多く今の傾向に近いため)
化学
一番足を引っ張っていて完成と言えるレベルになったのは、二次の2週間前くらいでした。。
東大特進の化学をお勧めします。テキストは覚えるべき知識や、パターンとして頭に入れておくべき実験などが載っていてとても役に立ちました。化学の新研究は辞書代わりに使いました。僕の場合これに載ってないことは受験に出ないだろうと一種割り切ってました。
地理
センターに使ったので書いときます。まずセンターで得点を期待して地理選ぶのはやめましょう。90点越えは私にとっては絵空事です(当日まぐれで到達してしまったわけですが)。
私が地理を選択したのは二次の勉強に時間を割きたかったからと単純に好きだったからです。地理はマークの問題を解いたり、友達とわいわい問題出し合ったりして勉強しました。あとセンター前日の夜やることに困ったら地理のデータブックとか眺めると思わぬところで役立ちます。
2年秋〜冬休み
修学旅行が終わり、受験に向けて頭を切り替えました。
数学でプラチカを速度重視でやってましたが、数学的な議論が疎かになってしまい、失敗でした(念のため、プラチカが悪い訳ではありません。私の使い方に問題があっただけです)。そして12月に東進に入りました。東進を選んだのは、全国レベルの講師の授業を受けられるので、地方生であることのディスアドバンテージを軽減できるかなと思ったからです。
2年3学期
東大同日 D
習い事と兼部をしていた部活と学校のテストと塾に忙殺されていました。勉強はたぶん東進の講座をやっていた時期だと思います。ただここで同日模試を受けたことで東大特進の特待が取れました。これは大きかったです。
3年春
学校で数3が終わったのはこの時期です。学外では東進で取っていた講座を必死になって消化していました。余談ですが、東進の講座を受けて気づいたのは「良い授業≠分かりやすい授業である」ということです。難しくともそれを理解するための過程の努力が糧になります。
高校最後の学祭は全力を注ぎましたが、一応全く勉強しない日が続くのは避けました。
3年夏〜8月模試
河合 A
駿台 C
東進(8月) C
夏休みは、主に東大特進の講座をやっていました。数学、物理は過去10年を避けて過去問も始めました。河合は数学が大当たりしただけのまぐれなのでこの時点の実力は良くてBかC判定相当だと思います。駿台のC判定でけっこう落ち込みましたが、今考えるとこの時期の現役の判定は(とくに私のような追い上げ勢は)そこまで深刻に捉えることでもなかったなと思っています。河合に関しては、まぐれといえど「A判定取れないわけじゃないんだ」という自信になりました。
3年秋〜11月模試
河合 A
駿台 A
東進(10月) B
ようやく化学、物理の高分子や原子分野が学校で終わり、受験に必要な全範囲が終わりました。個人的にこの時期に最も伸びたと思います。
最も大きい伸びの要因として、この時期に過去10年の過去問(特に数学、理科)に多大な労力を費やしたことが挙げられると思います。時間を測って解く→答え合わせ→解けなかった問題をマークし解けるまでやる→似た型の問題を次解けるように知見を蓄える
を繰り返していました。
模試はどちらとも、失敗した教科もあったもののA判定を取ることができました。自分の実力で取った実感があり、このあとの受験勉強にだいぶ余裕を持つことができました。
12月〜センター試験
11月の模試が終わり、入試数学の掌握や東大特進の講座、京大物理などを解いて、テストの点数が「解ける問題を解く能力」と「時間さえかければどれだけ多くの問題が解けるかの能力」の2つで決まるとすれば、後者を伸ばすことを意識しました(11月模試前や本番直前は前者を伸ばすことを意識していました)。なお2年生のときに一通り終えていた地理はこの時期からちょいちょい始めました。
私がセンターの勉強を本腰を入れて始めたのはセンター10日前です(学校では12月の授業はほぼセンター対策だったので特別にやる必要があまりなかったです)。1日に1年分を解き、数学や国語は追試の問題を使ったり-10分の時間でやったりと少し厳し目の条件でやりました。これで苦手だったマーク数学もある程度克服できました。
ちなみにZ会の予想問題を直前にやったところおそらく800点を切って(途中から怖くなって自己採点をやめてしまいました)絶望しました。つまり直前に悪い点数を取ってもそんな気にしなくてよいということです。
センター前には
・生活リズムを試験当日に合わせること
・体調管理
に気を遣いました。これは当然二次試験でも同じです。あと前日に下見に行った方がいいと思います。私はセンター試験の下見で場所を大幅に間違えていたことが発覚し、前日に命拾いしました。
二次試験前
東進 D
センター終わってからはひとまず残りの過去問と、秋に解いて間違った問題の解き直しをやりました。あまり時間を気にせず解いた結果初っ端の東進の模試で大失敗してしまいましたが、まんべんなく悪かった訳ではなく数学、化学だけががくんと低かったので至急この二教科で対策を講じました。
模試後は
1日目 国語数学テスト形式
2日目 理科英語テスト形式
3日目 弱点補強
をずっと回してました。ちなみにこの時使ってたテストとは、臨海セミナーのテストゼミや模試の過去問です。この時に気をつけたのは、長時間手をつけない科目がないようにすることです。
ここでテストの勘を取り戻したことにより、東大形式の問題で安定して300点取れるようになり、2,3回に1回は1科目欠けても理科三類に合格できるくらいの点を取っていました。
あと週一ぐらいのペースで学校に行き、先生に面接の指導をしていただきました。友達とも顔を合わせることができていいリフレッシュになりました。
二次試験本番、個人的にお菓子とイヤホンは試験会場に持っていって助かりました。お菓子は糖分補給、イヤホンは終わった後周りの人の会話が聞こえるとメンタルがやられてしまうのでです、。
長く拙い文章をここまで読んでくれてありがとうございます。受験を控えている方や受験生を支えている方がここから少しでも何かを得てくれたのなら幸いです。
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