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全ての国民に必要とされるAIリテラシー教育とは?

2020年10月、大学入試センターが令和6度実施の大学入学共通テストから出題教科・科目に「情報I」を加え、7教科21科目にする案をまとめているとの報道がありました。

高校の新学習指導要領で「情報I」が必修科目になることを踏まえ、今後、大学・高校の関係団体から意見を聞き、本年度中に報告を公表するということのようです。

この新学習指導要領に基づく最初の共通テストが実施される年度は、今の中学2年生が高校3年生になったときですね。

「情報」と聞いて、以前、転職活動の際に職業安定所の職員の方から「職業訓練でシステムエンジニアやプログラミングが学べる長期高度人材育成コース(2年)というものがあるから進まないか?」と勧められたことをふと思い出しました。

(試験をパスすれば無償で2年間学ぶことができるなんて、今はそんないい制度があるんだ…と)

悩んだ末に、結局、転職活動を優先させました。が今思うと、急がずにそっちの道もありだったかもなぁ、なんて思う時があります。

国民に求めるAIリテラシー

入試に限らず、今やあらゆる産業やビジネスで情報といったAIやデータサイエンスの活用が必須といわれ、世界中で新しい技術やサービスが続々と生まれています。

いわゆる第4次産業革命といわれるこれらの変化に対し、2019年6月には統合イノベーション戦略推進会議決定した『人、産業、地域、政府全てにAIを普及させる「AI戦略2019」』が策定されています。

その中で、数理・データサイエンスをデジタル社会の「読み・書き・そろばん」と位置付け、全ての国民がリテラシーとして身に付けることが目標とされています。

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【高校】
●全ての高校生(約100万人/年)が、データサイエンス・AIの基礎となる理数素養や基本的情報知識を習得。また、人文学・社会科学系の知識、新たな社会の在り方や製品・サービスのデザイン等に向けた問題発見・解決学習を体験
【大学・高専・社会人】
●文理を問わず、全ての大学・高専生(約50万人/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得
●多くの社会人(約100万人 /年)が、基本的情報知識と、データサイエンス・AI等の実践的活用スキルを習得できる機会をあらゆる手段を用いて提供
●大学生、社会人に対するリベラルアーツ教育 の充実(一面的なデータ解析の結果やAIを鵜呑みにしないための批判的思考力の養成も含む)

そして、現在AIの教育改革に向けた年代別の取り組みは下図の通り進められています。

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今後、文理や職種問わず、数年の間にAIの知識をあたり前に身に付けた学生が現れることになってくることが考えられます。

(私を含め、社会人もうかうかしていられません…)

AIリテラシー教材

ちなみに、2017年には「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」という団体が発足しています。

当コンソーシアムは、2017年度政府予算「数理・データサイエンス教育の強化事業」で選定された6大学(北海道大学東京大学滋賀大学京都大学大阪大学九州大学)を中心に数十の協力校によって数理・データサイエンス教育の充実のための取組成果を全国へ波及させるための活動を推進しています。

そして、2020年4月に当コンソーシアムから『全大学生のリテラシーレベルのモデルカリキュラムが公開され、そのモデルを参考に東京大の学数理・情報教育センターでは教材スライドが公開されています。

本教材は数理・データサイエンス教育強化コンソーシアムが公開したリテラシーレベルのモデルカリキュラムの全国展開に向け、東京大学 数理・情報教育センターが開発したものです。モデルカリキュラムに完全準拠したものであり、全ての大学、高専において、学生へのリテラシーレベル教育にご利用いただけます。

必要な用語解説などもあり、こういったようにリテラシー範囲があるのは嬉しいなと思いました。

情報分野は変な焦りはあったのですが、まずは、このリテラシー教材から読み進めて、必要に応じ参考書などを勉強してみようかなぁなんて思いました。

最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。
Twitterもやっています。@tsubuman8

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