桜の過ぎた季節
気づけば、5月になっていた。何かしなきゃ、と思いながらもなんとなく気分が上がらずにだらだらしていたらひとつの季節が終わってしまった。
日本の季節の中で、いちばん好きな季節である桜が咲く季節は、ばたばたしているまでにあっという間に花を散らして次の季節へとさっさと移行してしまった。薄情なものである。
満開の頃よりも、散り始めてしまった頃合いがいちばんうきうきする。そこはかとないわびしさがあるけれど、同時に少し気分が高揚したりする。そこには相入れない感情がないまぜになっている。
なんとなく、毎日noteを書くようになってから一月余りが経ってしまった。書きたいことは頭の中に渾然とひしめいているのだけれど、それをまた文字に起こそうとするとひどく億劫。
自分が知り得たことで、他の人に対して何かためになるようなことを伝えようとするのだが、長くは続かない。だからこうして今も頭に浮かんだ言葉をつらつらと書き殴っている。
桜の季節ははるか遠くに過ぎ去ってしまった気がする。ふと、さくら餅が食べたくなる。ほんのり薫るさくら味の生地の中に餡子がたっぷり詰まっている。わたしはつぶあんよりこしあん派。口当たり滑らかな方が好き。
そして、お餅を包み込むように、少ししょっぱい柏の葉。これだけあれば、その日一日満たされた気持ちになる。ただただ、さくら餅が恋しい。
あの日は、そういえば夕焼けがとても綺麗な日だった。
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