チェーンステッチって何?
毎度毎度、前置きが長いでお馴染みの本手記ですが
今回は早速本題に参りましょう。
皆さま、お手持ちのジーンズの裾のステッチはどうなっていますか?
ソファに深く下ろした腰をあげてクローゼットへ向かって下さい。
布団に入っている方は、そうですね、この時期の布団は気持ちいいですよね。あたたかくて。
微睡の中にいる方に布団から出てクローゼットへ向かえとはとても言えませんので、死ぬ気で普段穿いているジーンズの裾を思い出して下さい。
さて、ジーンズは手元にありますか。
裾の内側のステッチを見てください。
クローゼットに向かえず手元にジーンズがない方は死ぬ気で頭の中のジーンズの裾の内側を思い出して下さい。
裾のステッチの形状は上の写真のどちらでしょうか。
チェーンステッチになっている方、おめでとうございます。細部のエイジングまで期待出来るジーンズです。
シングルステッチの方、それは細部のエイジングは期待出来ないジーンズです。(あくまで”ジーンズ”の話です。トラウザーやペインター、それ以外も含む”デニムパンツ”は例外です)
シングルステッチとは工業用から職業用、家庭用まで幅広くある、最も一般的な本縫いミシンで縫った際のステッチのことを言います。
対してチェーンステッチとはユニオンスペシャル社製のミシンで縫った、文字通り縫い目がチェーン(鎖)のように見えるステッチのことを言います。
チェーンステッチで仕上げたジーンズの裾は直線的なエイジングではなく、捻れながらエイジングが進んでいきます。
左のように、斜めに捩れながらのエイジング(アタリ)がジーンズの経年変化の醍醐味とされています。
では、何故捩れながら色落ちするかというと、下の写真をご覧ください。
針が斜めに装着されているのが分かりますか。
現在主流の本縫いミシンは真っ直ぐ装着されているのに比べ、ユニオンスペシャルは画像のように針が斜めに装着されています。
裾を縫う際に針が生地に斜めに入る事で、裾部分の生地にズレが生じます。
それが時間の経過や洗濯・着用を繰り返す事で、色落ちし徐々に捻れとして発生していくのです。
細かい話ですよね…
ジーンズは作られる上で、使うパターンの量も使うミシンの種類も他の服とは比べものにはならないくらい多いので、その分細部まで拘りが詰まっている稀有な衣類です。
そういったところもきっとジーンズの魅力の1つなんでしょう。
さて、先日ローンチされたMr.Ashの新作にもチェーンステッチ仕様のジーンズが2点ありますので最後にそちらをご紹介します。
どちらもヴィンテージライクな圧巻の仕上がりになっていますので、是非チェックしてください。
それではまた。
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