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基礎のきそ:金融リテレシークイズ(6)債券と金利を学ぼう(回答編)

こんにちは。日米の証券アナリスト資格を持つだいだいです。「債券と金利を学ぼう」もこれが最終回になります。さて、あなたの回答はどうでしたか?

問26 100万円を借りました。借入金利は複利で年率20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高が倍になるでしょうか。

A. 2年未満
B. 2年以上5年未満
C. 5年以上10年未満
D. 10年以上
E. 倍にはならない

答えは、B. 2年以上5年未満 です!
なお「72の法則」は、お金が2倍になる年数がすぐにわかる便利な算式(「72÷金利≒お金が2倍になる年数」)です。この算式に当てはめて計算すると、「2年以上5年未満」になります。

下記の複利の計算式で計算することもできます。(^はべき乗)
元本 X (1+利率/100)^(年数)=複利で借りて返却しない場合の残高 
これで計算すると
100万円 x (1+0.2)^4 = 207.36万円になりますので、4年で倍になることがわかります。

問27 100万円を10年間、複利で年率5%で運用できたとします。10年後にはいくらになりますか?

(税金・手数料は考慮に入れないで、1万円以下を四捨五入します)

A.  125万円
B.  150万円
C.  160万円
D.  180万円

正解は C. 160万円です!
複利で運用する場合の計算式は上の問26で使ったのと同じです。
元本 X (1+年率/100)^(年数)= 複利で運用した場合の金額
100万円 X (1+0.05)^10= 162.8895 万円になります。
「年率5%」「10年間」と聞いてBを選んだ人もいたのでは?それは「単利」の考え方です。運用や借入を考える時は、毎年5%ずつ増える元本をさらに5%で増やす「複利」の概念を身につけましょう。

問28 次のうち、債券の利回りを左右する要因は何ですか?

(複数回答可)

A. 市中金利(短期、長期金利)の変動
B.  発行体 (国や企業)の信用力
C.  満期までの長さ
D.  満期より前に償還する条項(コール条項)の有無
F. 上記のすべて

正解は F. 上記のすべて です!AからCについては、これまでの「金融リテレシークイズ」で学んでいれば正解するはず。実際の債券投資においては、AからCだけでなく、Dの「コール条項」の有無で利回りが変わってきます。コール条項がある場合は、その条件と、市中金利の変動によって、既発債の利回りは刻々と変化します。コール条項のある債券(社債やMBS)の評価は、中級以上のやや複雑な話になりますので、詳細は省略します。

問29 「表面利率0.20%の長期国債(10年満期)は、発行後いつ買っても利回りは0.20%である。」正しいですか?

A. 正しい
B. 間違っている

正解は B.間違っている です。当クイズの(1)問2を参照してください。
https://note.com/daidai1008/n/nea70a71c2e99

問30 「長期国債を市場で買って満期まで保有すれば、損をすることはない」正しいですか?

A. 正しい
B. 間違っている

正解は B. 間違っている です!個人向け国債は購入後満期まで持ては(債務不履行がない限り)額面が償還されますが、機関投資家向けに発行されている長期国債については、市場で買う時に額面を上回る価格となることもあります。額面を上回る価格で購入し満期まで保有した場合、かつ、表面利率が今日のように低い場合は、償還された時点で損が出る場合もありえます。

さて、いかがでしたか?金融リテレシークイズの第一章、債券と金利の基礎としては、いったんこれで終わりとします。金融リテレシーの中で金利や利回りの理解は必須項目です。何度も復習して、自分のものにされることをお勧めします。(この項終わり)


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